新型コロナウイルスの影響で、公開が遅延していたコン・ユとパク・ボゴムの主演映画『徐福(ソボク)』が、ようやく劇場で幕を開ける。2人はそれぞれ、単独クレジットでも十分集客が見込める俳優だが、本作はなぜこの2人が必要だったのか‥? (写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

ようやく、待ちに待ったコン・ユとパク・ボゴムの主演映画『徐福(ソボク)』が、4月15日にお披露目される。

『徐福』は4/15にようやく封切りされる。

映画『徐福』は4/15にようやく封切りされる。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

これまで幾度となく公開延期を余儀なくされ、公開そのものが懸念されていたが、劇場に加えて配給会社CJ ENMのライブストリーミングサービス”TVING”でも同時公開される予定だ。

『徐福』は、人類初のクローン人間”徐福(ソボク)”を守るという、生涯最後の任務を背負うことになった元・情報局要員キホン(コン・ユ)が、徐福(パク・ボゴム)を手に入れようと企てる勢力から追跡され、予期せぬ状況に巻き込まれるストーリーを描いた作品だ。当サイト読者は、この説明文をすでに暗記してしまってるかもしれない、それほどまでに、ファンから待たれている作品であるということでもある。

コン・ユとパク・ボゴムと言えば、”韓国を代表する俳優”という肩書が付いた2人だ。

コン・ユはMBC『コーヒープリンス1号店(2007)』に始まり、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(邦題)(2016)』まで、幅広い役柄で長きに渡り大衆に愛されている。一方のパク・ボゴムは、tvNドラマ『恋のスケッチ ~応答せよ1988~(邦題)(2015)』でブレイク後、KBS2『雲が描いた月明り(2016)』で爆発的ヒットを放ち、”国民の彼氏”の愛称が付くほど人気を集めた。

それぞれが人気俳優としての地位を確立する中、トップスターの2人がW主演を務めることになった映画『徐福』。この2人なら、たとえ相手がバイプレーヤー的存在の俳優だったとしても、十分に作品の世界観は作られたであろうし、集客も見込めそうだと素人目には映る。

コン・ユとパク・ボゴムでなければなかった要素が、『徐福』にあったのだろうか‥。

見ごたえあるアクションと、人間臭さ漂う演技力を持つコン・ユ

コン・ユが演じる男キホンは、命に限りがあった。迫りくる死の恐怖に怯えながら、外の世界を断絶して生きる日々。

「トガニ」「サスペクト」で繊細さと華麗なアクションを披露したコン・ユ

「トガニ」「サスペクト」で繊細さと華麗なアクションを披露した俳優のコン・ユ。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

そんなキホンに、国家機密の重要任務が課せられる。それは皮肉にも”永遠の命”を持つクローンを、無事に移送先に送り届ける事‥。

2012年に日本で公開された映画『トガニ 幼き瞳の告発』で、聴覚障害の子どもたちが虐待に遭っている事を知り、告発を決意する若き美術教師イノを演じたコン・ユ。実話をもとにしたこの映画は当時、世界に大きな衝撃をもたらした。

自身の教師人生だけを考えれば、見て見ぬふりができたことに背を向けず、子どもたちのために社会に立ち向かったイノの姿は、観客の心を大きく揺さぶり、えぐった。

そして2014年に公開された『サスペクト 哀しき容疑者』では、祖国に捨てられ、愛する家族を奪われ復讐のために生きると決めた北朝鮮の元エリートスパイ、チ・ドンチョルを熱演。犯人を追っていたはずが、容疑者の濡れ衣を着せられ追われる立場に。憎しみに溢れた人生を歩みながらも、悪と真っ向から闘う姿を見せている。

『徐福』では、笑顔を見せてくれるのだろうか?

『徐福』では、コン・ユの笑顔を見せてくれるのだろうか?(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

本作では、すべてのアクションをノースタントで臨み、そのために肉体改造をして、これまで見せてきた爽やかなイメージを一掃、俳優としての地位を自ら押し上げた。

前述の2作品を踏まえて、今回の『徐福』。生きとし生けるもの、避けては通れない”世界の終わり”を間近に、その人生を背負いながら死ぬことのない”徐福”を守るために見えない敵と対峙する。

コン・ユが、人間臭さと誰かを守る強靭な精神を自らに宿らせ、『サスペクト~』顔負けの高難易度の水中撮影からカーチェイス、ガンアクションまでを本作で披露する予定だ。

さらに、死を目前にした狂気溢れる表情を作り上げるため、およそ半年に渡る食事制限を行い、減量した上で挑むアクションのなんと難しい事か。

予告映像だけではとらえきれないキホンという人間に、早く出会いたいと思うのは、読者も同じはずだ。

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見るもの全てが”初めて”と感じさせる視線演技を見せるパク・ボゴムの俳優たる繊細さ

パク・ボゴムの切ない眼差しは、喜怒哀楽を巧みに操る。それができるのは、唯一無二ではないかと思わせるほどに。

クローン人間に扮したパク・ボゴムはどんな表情を見せてくれるのか。

クローン人間に扮したパク・ボゴムはどんな表情を見せてくれるのか‥。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

tvNドラマ『恋のスケッチ ~応答せよ1988~(邦題)(2015)』で彼の演じたチェ・テクは、天才囲碁棋士だが私生活はマイペースで幼なじみを悩ませる。かと思えば、幼なじみのソン・ドクソン(ヘリ)を一途に思い、彼女のためなら試合も投げ出す情熱を持っている芯の通った男を演じた。

表情には出さないが、静かな闘志と信念を持ち、自分に嘘を付いたり、ごまかしたりしない(できない?)テク。そんなギャップが、視聴者の心を鷲掴みに。

KBSドラマ『君を憶えてる(2015)』ではチョン・ソンホ(イ・ミン)を演じ、クールな凄腕弁護士になりすます。しかし、実は兄を憎みサイコパスへと成長していた。やはりこの作品でも、本心を笑顔という仮面で隠し、ポーカーフェイスな人物を演じている。

監督と何度も話し合いを重ねて演技に臨んだというパク・ボゴム

パク・ボゴムは本作で、監督と何度も話し合いを重ねて演技に臨んだという。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

彼はこれまで様々な作品で、瞳だけで今怒っているのか、悲しんでいるのか、喜んでいるのかを視聴者に分からせた。

そして『徐福』で演じるのは、人間ではなくクローン。研究室という世界しか知らなかった彼が、初めて本当の世界に出会った時‥。見るもの触れるもの全てが初めて。この”初めて”という、幼き頃に味わう経験は、人間は残念ながらほとんどの人が記憶に残っていない。

その感覚を演技するために、”目”の演技に定評のあるパク・ボゴムでさえ、相当の役作りとキャラクター研究に励んだと言われている。人間よりも2倍の速さで成長するソボクは、子どもでも大人でもない、ソボクだけのもつ感情をセリフで表現するために、鏡を見ながら目の演技を高めたそうだ。

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1+1以上の世界を作るため、2人の出会いは必須だった『徐福』

ドラマ、映画を通して幅広いジャンルの作品で俳優としての経験を積み上げたコン・ユと、若手ながら演技派として認められるほどの力を持つパク・ボゴム。

『徐福』のメガホンを取ったイ・ヨンジュ監督は「『徐福』では、永生や複製を扱おうとしたのではなく、あえてこの映画のキーワードを一つ選ぶとしたら、恐ろしさで有限性に対する人間の恐ろしさだ」と、語っている。

生物が手にすることのできない、永遠を目にした人間たちの愚かさ、望んだわけでもなく人間の手で作り上げられたソボクが、考え続ける自分という存在。

死に抗いながら戦う男と、僅かな感情の移り変わりを違和感なく見せる男。

“動”と”静”の演技を、見事に調和させるためには、やはりコン・ユとパク・ボゴムの出会いが必然だったようだ。

日本での公開が、1日も早く待たれる。




コン・ユ

マネジメントSOOP所属の俳優コン・ユ(ハングル 공유)。1979年7月10日生まれ。

“コン・ユ”という芸名は両親の苗字から付けられたもので、本名は、コン・ジチョル。

2000年、Mnet VJ 7期として芸能界にデビューしたコン・ユは、2001年KBSドラマ『学校4』を通じて演技者としてデビュー。

2007年、日本でも人気を博したドラマ『コーヒープリンス1号店』が大ヒットし、この年MBC演技大賞で優秀賞を受賞。当ドラマは、コン・ユの出世作となった。

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