グローバルな活躍を見せる女優ソン・イェジン。彼女が出演する作品は日本においても爆発的なヒットを飛ばしている。そんな彼女がソ・ジソブと主演を務めた、日本の小説を原作とした映画がある。日韓で多くの感動を届けた作品とは。
ドラマ『愛の不時着』で日本をはじめ世界中を魅了した韓国女優、ソン・イェジン。
コンスタントに出演を続けているドラマでの活躍で広く知られる彼女であるが、スクリーンでも奥深い秀逸な演技を披露し、観客を感動の渦に巻き込んでいる。
『私の頭の中の消しゴム』、『四月の雪』と、日本における韓国映画の興行成績で上位を占める作品に出演し、メロクイーンの座を射止めたソン・イェジン。
そんな彼女の最新作は今から2年前、2018年に韓国で公開され、観客動員数250万人の大ヒットを記録した『Be With You ~いま、会いにゆきます』だ。
このタイトルを見てピンと来た方も多いだろう。
本作は、2004年に竹内結子と中村獅童のW主演で映画化された、市川拓司のベストセラー小説『いま、会いにゆきます』を韓国で再映画化した作品だ。
本作でソン・イェジンの相手役を務めたのは、ドラマ『バリでの出来事』『ごめん、愛してる』、映画『ただ君だけ』など数々の作品に出演し、日本でも絶大な人気を誇るソ・ジソブ。
人気と実力を兼ね備えた演技派俳優の2人が披露した”感動”は、純粋な愛ゆえに漂う”切なさ”を巧みに描き、ひと味違う世界観で届けている。
「雨が降る日にまた戻ってくる」という信じがたい約束とともに、夫ウジン(ソ・ジソブ)と息子ジホを残してこの世を去ったスア(ソン・イェジン)。
それから1年後の梅雨が始まったある雨の日、この世を去る前と変わらない姿の”スア”が現れる。
しかし、”スア”は記憶を失っており、ウジンが誰なのかさえも覚えていない。それでも”スア”と一緒に過ごせることに幸せを感じるウジンと息子のジホ。
自らの過去やウジンとの馴れ初めが気になる”スア”に、ウジンは初めての出会い、初恋、初デートと共に過ごした思い出を語っていく。心温まる幸せな時間を過ごした2人は、再び恋に落ちる――。
だが、幸せに過ごす彼らに運命の時間は迫ってくるのであった。
スアとウジンの奇跡のような再会を軸に、2人の爽やかで初々しい初恋物語が描かれているのだが、清涼感のある描写の奥に見える霞がかった”切なさ”が、幸せな時間の後に訪れるであろう何かを予想させている。
スアの困惑した表情、愛しさを滲ませた笑顔、目が覚めたかのように恋に落ちた時に魅せた真剣なまなざし。それを優しく包み込む、ウジンの不器用ながらも真っ直ぐに、そして一生懸命な姿。
この2人にさらなる温かみを加えたのが、ウジンの無二の親友、ホング。
学生時代に2人の恋を応援した彼は、スアがこの世を去った後もウジン家族を見守っている心強い存在だ。
また、最愛の母が戻ってきたことに喜びを隠せない、息子のジホの成長も見どころのひとつだ。
大きな悲しみや寂しさを持った小学一年生の小さな男の子が見せる、母親への健気な愛情は見る者の心を潤わせる。
ふんだんな緑に囲まれた爽やかな映像美に、クスッと笑ってしまうような微笑ましいシーンも織り交ぜながら、登場人物それぞれが持つ”大きな優しさ”が繊細に描かれている。
ただ涙を誘う物語に留まっていないのは、スアとウジンの成長や心の描写を丁寧にきめ細かく描いているからだろう。
また、ソン・イェジンとソ・ジソブともに、劇中では大学生から現在の姿までを本人が演じている。
当時、30代をとうに越した年齢だった彼らが、学生ならではのフレッシュで眩しい様子を違和感なく演じきっている姿は感動さえ覚える。さらに豪華なカメオ出演も隠されており、これらの要素も作品にさらなる魅力を添えている。
「待っててください。いま、会いにゆきます」
観客がこのセリフの持つ本当の意味を知った時、これまで観てきた背景が組み合わされ、この上ない感動を届けてくれる『Be With You ~いま、会いにゆきます』。
ファンタジーでありながら、人々が持つ無限の優しさを描いた上質なラブストーリーだ。
動画出典:Youtube Windz Oz
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