再び注目を浴びている、KBSの青春時代劇『花郎<ファラン>』。イケメン軍団による友情やブロマンスを描いていることから、BL(ボーイズラブ)を想像する人もいるようだ。ドラマはさておき、事実、その時代にBLは存在したのだろうか。

今月13日よりNHK BSプレミアムでも放送が始まり、再び注目を浴びているKBSの青春時代劇『花郎<ファラン>』(以下、『花郎』)。

俳優のパク・ソジュン、パク・ヒョンシク、BTS(防弾少年団)のV(ブイ)、SHINee(シャイニー)のミンホと、韓国芸能界でもトップレベルのビジュアルを誇る”イケメン”スターが集結していることで、当時は大きな話題となった。

ドラマ『花郎』はNHK BSプレミアムでもスタートし、再注目を浴びている

NHK BSプレミアムでもスタートし、再注目を浴びるドラマ『花郎』(画像出典:KBS)

海外の時代劇となると、当時の時代背景や言葉遣いなど、見る側にもそれなりの知識が必要に思われがちだ。だが本作は、青春群像劇も加味されたフュージョン時代劇とあって、歴史に馴染みのない人でも十分に楽しめる内容となっている。
彼らの成長や友情にスポットを当てながらもブロマンスや胸キュンシーンなども満載で、その見どころは無限とも称されている作品だ。

日本でもイケメン俳優らが共演するドラマは多く、最近ではBL(ボーイズラブ)感性をほのめかす作品も見られるようになった。

イケメンが多く出演する『花郎』にもその要素があるのでは‥と思ってしまうが、本作では友情やブロマンスがメイン。
ドラマでは見られないものの、実際にその時代にBLなるものはあったのだろうか。

そもそも、”花郎”とは?

“花郎”とは、新羅時代にいた青年たちの心身修練と教育を兼ね備えた団体のこと。主な目的は心身修練というが、本当の目的は軍人養成だった。

また、教育と選抜が1つに合致した官僚養成システムとしても作用しており、新羅末期まで伝統的な教育制度としては機能し続けたそうだ(682年に国学が設立され、一定部分はその役割を譲り渡している)。

韓国ドラマ『花郎』

6人の花郎(写真提供:©スポーツ韓国)

また、”花郎”の意味がまさに「花のような男」であることから、内面の修練だけでなく外見を育てることも重要だとの考えもあったよう。単純な修練団体を超えて、現代でいうところの国を代表するアイドルや広報大使といった役割もあったと見られている。

BLを裏付ける記述はあるの?

過去(20世紀初期)の史料では、”花郎”は武士集団という見方が強かったが、現代では貴族の息子によって構成された青年集団、宗教的な集団という見方も加わっている。

このような背景も手伝い、”花郎”にBL要素が加わっていると想像をしてしまいがちだ。しかし、文献的には”花郎”の同性愛を裏付ける直接的な記録は皆無のよう。

見どころは仲間同士の熱い友情、そして微笑ましいブロマンス

仲間同士の熱い友情、そして微笑ましいブロマンスも見どころ(画像出典:KBS Drama Classic YouTube動画キャプチャー)

様々な根拠があるとされているが、それも誤読である場合が多い。
例えば、”花郎”の間に芽生えた感情についてだ。これを”愛”や”慕”と言う文字で表現したという記録があるが、当時、この表現は必ずしも性的感情ではなく、尊敬して崇める場合にも使われていた。その理由から、これを同性愛を直接的に語る記録とは言えないだろう。

また、朝鮮王朝の儒学者、リ・ヨクの著書『星湖僿説(せいこさいせつ)』で、”花郎”の首長の選出基準が”イケメン”であると記されており、ハンサムなビジュアルが多かったという事が見て取れる。しかし、これが男色という誤読も生じさせたようだ。

*****

日本による統治時代、同性愛にフォーカスを当てて”花郎”の研究が進められたこともあったそうだ。だが、一部の学者から猛反発を受けてしまう。これは韓国の歴史学界ではBLをタブー視し、同性愛的な事実はないという立場だけを取っているためだ。
その一方で、”花郎”対するBL目線での解釈は文学界には存在したとも言われている。

イケメンばかりが揃う非現実的な世界となれば、あらゆる方向からの期待をうっすらとしてしまうのが大衆心理のようだ。



パク・ソジュン

韓国の人気俳優パク・ソジュン。本名はパク・ヨンギュ。1988年12月16日生まれ。

2011年、B.A.P出身バン・ヨングクの楽曲『I Remember』のMVでデビュー。
初出演ドラマは『ドリームハイ2』(2012)。

以降、ドラマ『魔女の恋愛』(2014)、『キルミーヒールミー』(2015)、『花郎<ファラン>』などに出演、”主演俳優”としての地位を固めた。

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