CDは飛ぶように売れ、海外での反応は熱いのに、韓国国内の音源チャートでは苦戦を強いられているK-POP男性アイドル。韓国メディア・東亜日報が、男性アイドル苦戦の理由と、彼らの置かれている状況を解説している。

今、最新のK-POP人気曲を表すバロメーターは何なのだろうか・・?

CD販売高? 音楽番組で好成績? 日本のK-POPファンにとっても、本国の最新人気ランキングが気になるはずだ。「私の推しは、韓国でどのくらいのポジションにいるのか?」「韓国でも大衆的なスーパースターなのだろうか?」そんな疑問が頭をよぎった経験、誰でも1度はあるだろう。

この問いにしっかりと答えてくれている記事があったので、紹介する。

韓国での人気曲がわかるバロメーターとは

6月16日、韓国の5大日刊紙の1つである東亜日報は、電子版を通して「ポストBTSはどこに・・音源チャートで太刀打ちできない男性アイドル」という見出しの記事を公開した。

同紙は、上述した”問い”への答えとなる、K-POPの人気バロメーターを”デジタル音源チャート”だと、断定している。

ガオンチャート

韓国で一番公信力を持っているとされるデジタル音源チャート、ガオンチャート(画像出典:ガオンチャート)

デジタル音源チャートとは、ストリーミング回数、ダウンロード回数、BGMダウンロード回数のみでランキングを決めるチャートであり、CD販売高や放送出演回数は、一切反映されないという特徴を持つ。韓国では、スマートフォン普及率が95%にも及んでおり、「テレビを見ない、CDは買わない」という時代の変化とともに、大衆的な人気や影響力を持つアイドルや楽曲がわかるチャートとして、公信力を持つようになったのだ。

デジタル音源チャートで1位となった曲は”国民歌謡”という称号も手に入れる。

このチャートで記憶に新しいのが、去る3月、発売から4年でチャート逆走という奇跡を生んだBRAVE GIRLS(ブレイブガールズ)のブレイクだ。常に解散の危機に晒されていた知名度の低いガールズグループは、一発逆転劇を見せ、韓国を代表するガールズグループへと生まれ変わった。

あの有名な男性アイドルも音源チャートでは苦戦中?

東亜日報の答えで、K-POPの人気バロメーターがわかったところで、記事の見出し--「ポストBTSはどこに・・音源チャートで太刀打ちできない男性アイドル」は、何を語るためのものなのかを紹介する。

“ポストBTS(防弾少年団)”、すなわち”BTS時代が終焉を迎えた後”を意味するのだが、厳密に言うと”BTSの次にトップに立つ男性アイドル”という意味になるだろう。東亜日報は、世界でセンセーションを巻き起こしているK-POPの男性アイドルが、自国の人気チャートで苦戦している状況(BTSは除く)を指摘する。

「*ガオンチャートの6月1週目のチャートを見ると、100位圏内の男性アイドルは3グループしかいない。THE BOYZが37位、TXTが42位、NCT Dreamが60位だ」

*ガオンチャート:韓国で一番公信力を持つデジタル音源チャート

男性アイドルとは対照的に、女性アイドルの躍進は目覚ましい。同じアイドルでも、何故男性アイドルは太刀打ちできないのだろうか。

しかし、東亜日報は「デジタル音源チャートで苦戦しても、CD販売高を見ると状況が逆転している」と首をかしげる。「NCT Dreamは、先月10日に発売したフルアルバムを、短時間で200万枚も売り上げた。今月7日にスペシャルアルバムを発売したEXOの販売高は、100万枚を超える」

EXO

今月7日にスペシャルアルバムを発売したEXO(画像出典:SMエンターテインメント)

さらに、海外の音源チャートと、国内音源チャートの温度差も伝えている。

「NCT Draeamは、iTunesトップアルバムチャートで、世界37カ国で1位を取っており、日本のオリコンチャートでも1位の快挙を見せた。TXTはビルボードでアルバムチャート5位と、歴史的な成績を残している」

BTSの世界観の成功がもたらした男性アイドルの’選択と集中’

CDは飛ぶように売れ、海外での反応は熱いのに、国内の音源チャートでは苦戦を強いられているK-POP男性アイドル。東亜日報は、ガオンチャートの研究員、キム・ジヌ氏の分析を引用している。

「BTSの”BU(世界観)”が大成功し、それを真似する男性アイドルが増加した。世界観をファンと共有することで、ファンを結束させる効果が生まれる。反面、一般の人には伝わりにくいため、大衆的な人気の確保が難しい」

すなわち、そのグループの世界観が持つ難解なストーリーやシリーズ化は、ファンにとっては”プレミアム”になるが、一般の人にとっては”内輪ウケの世界”になる。男性アイドルは大衆的人気より、ファンダムの消費力を優先するため、”国民歌謡”の称号はあきらめざるを得ないということなのだ。

その一方で、男性アイドルに比べ、巨大ファンダムを持っていないガールズグループは、一般の人に受けが良い楽曲を作る戦略で、生き残りを模索するしかない。そのため、CD市場は男性アイドルが、音源チャートでは女性アイドルが頭角を現すのだと、東亜日報は分析している。

また、TikTokやインスタグラムなど、1分以内のショートビデオ(短尺動画)プラットフォームが流行しており、動画のBGMとして女性アイドルグループの曲が多く使われるということも、その一因であると付け加えている。




BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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