- 俳優イ・ソンギュンの薬物疑惑が明るみになると、韓ドラファンに懸念の声が広がった。
- 俳優の不祥事が発覚すると、過去の出演作のVOD配信が中止になる場合があるからだ。
- 今回、ファンが「配信をやめないで!」とひときわ声を強めるのは、日本でも人気の高い、あの名作ドラマ。
突如報じられた、俳優イ・ソンギュンの薬物使用疑惑。このニュースは、世間に大きな衝撃を与えた。
そしてイ・ソンギュンは、10月16日から撮影が始まったばかりの新作ドラマ『ノー・ウェイ・アウト』を降板。彼は、警察官役でキャスティングされていたという。
他にも、出演する映画2本の公開が控えており、韓国メディアは、制作会社や放送局が対応に追われていると報じている。
すると韓国ドラマファンの間で「イ・ソンギュンの出演作が観られなくなるのでは?」といった声が上がり始めた。
芸能人のスキャンダルが判明した場合、該当俳優の出演部分をカットする対応ではなく、全体の連帯責任として公開が延期されたり、最悪“お蔵入り”となるケースがあるからである。
事実、キャストの不祥事が発覚し、放送局が出演作品のVODの視聴を止めたり、公式YouTube(ユーチューブ)やポータルサイトにアップロードした映像をごっそり削除する、といった対応が取られることも。
このような動きは広告業界も同様で、イ・ソンギュンをモデルに起用していたブランドは、報道以降、広告から彼の名前や写真を削除するなど素早い対応を見せた。
イ・ソンギュンの薬物使用疑惑が浮上し、「もしや配信中止になる?」と真っ先に心配の声を上げたのが、2018年のtvNドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~(以下、私のおじさん)』のファンたちだった。
『私のおじさん』は、イ・ソンギュンが主演を務めており、人生の苦悩に耐えながら生きる40代の“おじさん三兄弟”(イ・ソンギュン、パク・ホサン、ソン・セビョク扮)と、不遇な環境で育ち辛い人生を送ってきたイ・ジアン(IU扮)が出会い、お互いを通じて人生を癒していく物語。
日常の風景を描いているため、全体的に静かに淡々と進んでいくが、暗い雰囲気の中にも希望が込められており、観終わると心に温かさが残る、良質なドラマとなっている。
日本でも人気の高い本作は、音楽家の坂本龍一さんも「切なくて泣けるいいドラマ」と評価していたほど。
また、一度は観るのをやめてしまったという女優の戸田恵梨香は、人に薦められたのをきっかけに改めて視聴したことでハマり、全話を2日半で一気見。脚本や俳優陣の演技を「圧倒的!」と絶賛した。
一部の韓国メディアは、このドラマを長年愛してきたファンたちが、ドラマを視聴できなくなることを心配し、各種オンラインコミュニティーで「配信をやめないで!」と声を上げたと報じている。
その一方で、主演俳優が物議を醸しているため、ドラマの配信に否定的な反応を示す人たちもいる。
中には、“優しいアジョシ(おじさん)”という印象のイ・ソンギュンの報道に失望し、「『私のおじさん』を素直に楽しめなくなった」「イ・ソンギュンの作品は観たくない」といった意見も。
作品に罪は無くとも、薬物騒動を起こした俳優への批判は当然であり「配信を注意すべき」という見方もあるようだ。
しかし、どうやら今回は、ドラマファンが懸念していた自体は免れたよう。
韓国メディアのスポーツソウルの取材によると「『私のおじさん』の放映権を持つOTTプラットフォーム、Netflix(ネットフリックス)とTVING(ティービング)、Disney+(ディズニープラス)は、作品を非公開にする議論は全くなかった」と明らかにしたという。
そしてOTT関係者は「まだ俳優が内偵段階でもあり、契約を結んだ件なのでプラットフォーム自体では(配信中止を)決定できない。制作会社をはじめとする関係部署と協議しなければならない。まだ協議をしたことはない」と伝えている。
主演俳優イ・ソンギュンのイメージダウンは免れないものの、韓ドラァンの間では、“人生ドラマ”に挙げる人も多い『私のおじさん』。
警察の捜査が進行中の現時点では、世間の議論とは関係なく配信が継続された作品の一例となりそうだ。
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