- 韓国ドラマで根強い人気を誇っているジャンルといえば、”マクチャンドラマ”と言われるドロ沼劇を描いた長編ものだ。
- 人間のドロドロとした負の感情をメインにし話が長いことから、視聴者を疲れさせがちだが、一度ハマると抜け出せない魅力がある。
- 本記事では、ドロ沼劇を象徴する大ヒット作『妻の誘惑』(SBS/2008)と『私はチャン・ボリ!』(MBC/2014)を天秤にかけて紹介する。
韓国ドラマで根強い人気を誇っているのが長編ものだ。時代劇を除くと、ドロドロとした内容の”マクチャンドラマ”といわれる作品がほとんどで、出生の秘密や交通事故、不倫、裏切り、殺人、嫉妬、復讐、記憶喪失など、様々な要素が複雑に絡み合い、人間の本性を赤裸々に描いているのが特徴。
話が長いうえに、私利私欲に溺れる登場人物の狂気じみた言動、情け容赦のないリベンジ、二転三転するストーリー、非現実的な設定など、負の感情をメインに進むありえない物語は観る者を疲れさせる。
しかしこれが最大の魅力、一度ハマると抜け出せない中毒性が。視聴を日常生活の一部として長く楽しめるのはもちろん、コップの水を浴びせたり、髪の毛の引っ張り合いをしたり、お決まりのシーンは「よっ! 待ってました!」とつい口にしたくなる。顔をゆがめて暴言を吐くキャラの濃い悪役に最初はイライラしても、見慣れると笑わせにかかっているかのようなオーバーな形相がかえってやみつきに。
全ての面において突き抜けたストーリーの先には、疲労度に比例したカタルシスが待っていることもしばしばで、離脱せず完走してよかったと思わせてくれる。
そこで本記事ではそんな作品の代表格で、”ドロ沼劇の母”の異名を持つ脚本家キム・スンオク作家の大ヒット作、『妻の誘惑』(SBS/2008)と『私はチャン・ボリ!』(MBC/2014)を天秤にかけ、それぞれの共通点や違いを紹介し両作の魅力に迫る。
ストーリー
『妻の誘惑』は、妻の親友と結婚前から関係を持ち、隠し子までいる夫に邪魔者にされ、彼と不倫相手の陰謀によって死にかけた妻ウンジェの復讐を描いた作品。
夫と婚家に尽くし貞淑な妻だったウンジェが、魔性の女に生まれ変わり前夫を誘惑、彼の新しい家庭を崩壊していくストーリーで典型的な復讐劇だ。

『妻の誘惑』(画像出典:SBS)
一方『私はチャン・ボリ!』は、韓服(ハンボク)の名家に生まれ、親の後継者争いに巻き込まれて事故で記憶喪失となったウンビが、ボリという名前で養母に育てられて成長、韓服デザイナーとして生きる姿と彼女の恋愛を描いたサクセスストーリー。
ウンビを失った母イナと、ウンビとは知らずに彼女の師となるイナのかつてのライバル、ボリと我が子ミンジョンを差別する養母、ことごとくボリの邪魔をするミンジョンという複雑に絡み合った人間関係がヒロインの行く手を阻む物語だ。

『私はチャン・ボリ!』(画像出典:MBC)
『妻の誘惑』が、これでもかというほどドロドロしているのに対し、『私はチャン・ボリ!』はヒロインの成功までの道のりがメインとなっているため、ドロ沼劇の中でも比較的ライトに楽しめる作品に仕上がっている。
ちなみに『妻の誘惑』は全129話、『私はチャン・ボリ!』は全52話となっており、話数に2倍以上開きがあるのも大きな違いの1つだ。
ヒロイン
同じマクチャンドラマでもタイプが異なるため、ヒロインのキャラクターにも違いが。
まず『妻の誘惑』のウンジェは、心の優しい女性で、愛のない結婚をすることになったが夫ギョビンに誠心誠意尽くし、義理の両親も大切にしてきた人物だ。しかしギョビンとその浮気相手エリによる血も涙もない仕打ちによって黒化することに。
同一人物だとは思えないほど豹変し悪女となってギョビンを誘惑、過去にエリから言われた「愛が冷めたのは妻の職務怠慢」、という強烈な一言をそっくりそのまま彼女に返すなど、恐ろしい復讐計画を実行に移していく。

夫の不倫を経て豹変した妻のウンジェ(画像出典:SBS)
一方『私はチャン・ボリ!』は、自身の夢に向かって邁進する明るく前向きなボリが主人公。気は強いが情に厚いキャラクターだ。

明るく前向きな主人公ボリ(右)(画像出典:MBC)
様々な逆境を乗り越え、ことあるごとに卑劣な方法で彼女の邪魔をするミンジョンの嫌がらせにも卑屈になることなく、まっすぐ前を見て歩んでいく。
悪役
題材やヒロインの設定など細かな部分は異なるものの、人間のドロドロとした感情を描いている点は共通している両作。それだけに、強烈なヒール役が登場して物語を大いに盛り上げた。
その活躍は主人公を上回るほどで、『妻の誘惑』では不倫と倫理に反する行為に全く悪びれる様子のないエリ役に扮したキム・ソヒョンが。
『私はチャン・ボリ!』では、悪知恵を働かせ嘘と悪行を常習化していくミンジョン役を務めたイ・ユリが、ドラマファンから熱い視線を浴びたことで知られる。

エリ役に扮したキム・ソヒョン(上)、ミンジョン役に扮したイ・ユリ(画像出典:SBS、MBC)
物語の中の登場人物だと分かっていても、2人に対して怒りを抑えられない視聴者が続出。キム・ソヒョンは街に出ると後ろ指をさされ、イ・ユリは野外での撮影中に悪口を言われるなど、観る者をドラマに没入させるほどの熱演を繰り広げた。
その結果それぞれ、『2009年 SBS演技大賞』連続ドラマ部門の女性演技賞と、『2014年 MBC演技大賞』で放送3社が選ぶ今年の演技者賞及び大賞に輝き、たった1作にして悪女イメージが定着することに。これを機に女優人生のターニングポイントを迎えている。
*****
そんな魅力たっぷりな両作は、現在日本でも視聴可能。『妻の誘惑』はRakuten TVから、『私はチャン・ボリ!』は、U-NEXT、Amazon Prime Video、Rakuten TVで配信中だ。
しかし一気見には要注意! 長編もののため寝不足必至だ。
妻の誘惑(動画出典:YouTube ハイライトTV)
私はチャン・ボリ!(動画出典:YouTube コンテンツセブン)
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