- 9月8日に公開された、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズの新作『いつかの君に(邦題)』。
- 本作は、日本や韓国でも人気を集めた、2019年の台湾ドラマを原作にした韓国版リメイク作品である。
- しかし、韓国の原作ファンは原作ドラマと比較し、厳しい評価を下しているという。
9月8日、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズの韓国ドラマ『いつかの君に(邦題)』が公開された。
日本では、9月12日現在、“今日のTV番組TOP10”で3位にランクインする人気だが、韓国の一部の視聴者からは「ガッカリ‥」という反応が上がっているという。
そして、そんな反応を示している大半が、ドラマの原作ファン。彼・彼女らは「原作の世界観を怖さないで」と怒っているようだ。
『いつかの君に』は、2019年に台湾で大ヒットしたドラマ『想見你(原題)/時をかける愛(邦題)』の韓国版リメイク。
日本や中国で好評を得た原作ドラマは、韓国でも同様に人気を集めた。特に最近韓国では、台湾ドラマ人気が高まっており、台湾流のメロやラブコメディーを楽しむ視聴者が増えている。
さらに、日本の韓ドラファンが韓国でロケ地巡りを楽しむのと同じように、韓国人も台湾を訪れ、ロケ地ツアーを行っているのだそう。
そのため、韓国でも人気の台湾ドラマのリメイク版には、大きな期待が寄せられていた。
ところが‥、いざ公開されると、原作ファンは落胆。原作とリメイクの多少の設定変更は想定内なものの、原作特有の世界観が上手く引き継がれなかったことにガッカリしたようだ。
韓国版リメイク『いつかの君に』は、最愛の恋人ヨンジュン(アン・ヒョソプ扮)を事故で亡くしたジュニ(チョン・ヨビン扮)が、謎のカセットテープを再生し、1998年にタイムスリップする物語。
ジュニが1998年の世界でミンジュとして目覚め、ヨンジュンにそっくりな高校生シホンと出会う、ミステリーロマンスとなっている。
主演を務めるアン・ヒョソプは、恋人を一途に愛するク・ヨンジュンと、彼に瓜二つの1998年の高校生ナム・シホンの二役に挑戦。
チョン・ヨビンは、恋人の死を乗り越えられないハン・ジュニと、彼女に瓜二つの1998年の女子高生クォン・ミンジュの二役を演じている。
では、韓国の原作ファンは、具体的に韓国版リメイクのどんな所がお気に召さなかったのだろうか。
韓国メディア・JTBCのレビュー記事によると、まず韓国版には「原作特有の爽やかで清々しい映像美が見当たらない」のだという。
特に、原作の名場面に挙げられる、主人公2人が雨の中を走るシーンは、韓国版では地味な演出となり、爽やかで美しかった場面の魅力をうまく生かせなかったと指摘している。
続いて、「男性主人公のスタイリングが、ドラマの没入を阻んでいる」という点が挙げられた。
台湾俳優のグレッグ・ハンが演じたキャラクターはまさに清涼感があり、茶目っ気たっぷりだったが、一方のアン・ヒョソプが演じる高校生シホンは、ヘアスタイルが重たく、弾ける10代のキャラクターとしては、視聴者に若干の違和感を与えたよう。
また、原作とは一部変わったストーリーが、原作ファンに物足りなさを与えてしまった。
原作では、性的少数者の叶えられなかった愛や、切実さからつながるタイムスリップなどが描かれているが、リメイク版では、単純なストーリーとして浅く盛り込まれた。
また、障がいを持った少年、いつも1人でいる内向的な少女などを主要キャラクターに掲げ、より大きな響きを与えた原作本来の意味を100%生かすことができなかったと評価を下している。
さらに、その時代を思い起こさせる音楽は百点満点だが、1998年というレトロな感性で描かれるはずの学校や家の風景、登場人物のスタイリングなどが見慣れず、時代を表す描写が残念という指摘もされた。
しかし、一方で、JTBCのレビュー記事では、韓国版リメイクは、原作に忠実なストーリーで構成された起承転結を見せてくれるという評価も紹介。
よくある平凡なタイムスリップものではないため、原作を全く知らなければ楽しめる作品になっているという。
アン・ヒョソプ×チョン・ヨビンのリメイク版を視聴した韓国の原作ファンの評価は厳しいが、果たして日本の原作ファンは、どう評価するのだろうか。
日本最大級のドラマや映画などのレビューサービスfilmarks(フィルマークス)では、現時点で、星5つ中4.0の高評価となっている。
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