- 韓国ドラマの時代劇は、日本で根強い人気を誇っているジャンルの1つだ。
- しかし隣国の歴史であるため詳しく分からず、史実に沿った内容なのかフィクションなのか気になったことはないだろうか。
- そこで本記事では韓ドラ時代劇によく登場する、歴史とは異なる設定やストーリーの一部を紹介する。
日本の韓ドラファンを魅了してやまない韓国時代劇。
以前はどちらかというと、実在した人物をモデルに描いた作品が多かったが、近年はスケールが拡大し、よりエンタメ性の高いものが輩出されている。
CGを駆使したものはもちろん、歴史上のエピソードを上手く利用し架空の人物が登場するフュージョンものなども多い。
このため、史実と異なる設定やシーンがあることもしばしば。明らかにフィクションと分かる作品の場合は心配ないが、実際の出来事と織り交ぜながら展開されるタイプのものは、歴史好きなら間違った内容を覚えてしまわないよう要注意。
日本の時代劇の場合はある程度母国の歴史を知っているため区別がつくが、隣国のこととなればそうとはいかない人もいるのではないだろうか。
そこで本記事では、韓ドラによく登場する事実とは異なる設定やストーリーを5つ紹介する。
ドラマの世界観に浸り純粋に物語を楽しむことに重きを置いている人にとってはそこまで重要な部分ではないかもしれない。しかし時代劇ファンの中には、“実際のところどうなの?”と、疑問や興味を持つ人もいるのではないかと思いまとめてみた。
コアなファンにとっては、新たな視点で作品を見るのも醍醐味の1つとなるかもしれない。
史官に女性はいなかった
イ・セヨンとチャウヌ主演の『新米史官ク・へリョン』(MBC/2019)。
本作では19世紀の朝鮮を背景に、朝鮮初の女性史官と一度も恋をしたことのないト・リョム大君のロマンスが描かれており、イ・セヨン扮するク・へリョンを最年長とし計4人の女性史官が登場していたが、実際にはその時代に女性の史官はいなかったとされている。
“大君”は宮中には住めなかった
王の正室から生まれた子に与えられた称号である大君。この立場の者は、次期王位を継ぐ世子と王権争いを起こすのを避けるため、12歳頃になると宮外で暮らすことを余儀なくされた。
ドラマではしばしば世子と大君が宮中で顔を合わせ、仲の良さそうな姿が描かれているが、しかし実際にはそのようなケースは少なかったようだ。
ちなみに前出の『新米史官ク・へリョン』でも、チャウヌ扮するト・リョム大君は宮で生活していた。
よく見るあの髪型は禁止されていた
時代劇といえば服装が現代劇と大きく異なる点の1つだが、それと合わせて女性の髪型も特徴的。
例えば、17世紀序盤を背景に描かれた『華政』(MBC/2015)にも登場していたが、頭の周りに頭髪を巻き付けたオンジュンモリ(얹은머리)を見て、重くないのだろうかと心配になったことはないだろうか。
髪が長く量が多いのが美しいとされており、かつらを使用していたそうなのですが、実はそれを購入するために破産したり、首が負傷し命を落としたりする人が現れたことから、第21代国王英祖の時に禁止令が出されたのだとか。
大君は袞龍袍を着用できなかった
世子の服に龍の模様が入った絢爛豪華な袞龍袍(コルリョンポ)。位の高い登場人物が身につけている洋服としてなんとなく記憶している人は多いのではないだろうか。
時には大君の衣装にも用いられていることがあるが、実際には王や王妃、世子、世子嬪にのみ着用することが許されていたという。
イ・バンジとムヒュルは実在の人物ではない
イ・バンジとムヒョルはいずれも、韓国はもちろん日本でも高い支持を得た『根の深い木―世宗大王の誓い―』(SBS/2011)と、『六龍が飛ぶ』(SBS/2015)に剣士として出ていた人物。
物語の緊張感を盛り上げる重要な役だったため、覚えている人は多いのではないだろうか。
『根の深い木―世宗大王の誓い―』ではイ・バンジ役をウヒョンが、ムヒョル役をチョ・ジヌンが扮し、『六龍が飛ぶ』では、それぞれビョン・ヨハンとユン・ギョンサンが演じた。
しかし実はどちらも歴史には存在しない架空のキャラクター。両作の脚本家や演出家が一部重複しているのが関係してか2人が登場しているようだ。
この他にも韓ドラの歴史ものには、物語をドラマチックにするためのフィクションが多数盛り込まれている。
見分けられるようになれば、時代劇通になれるかも!?
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