- 韓国ドラマにおける時代劇は、長年愛され続けているジャンルの1つだ。
- その多くが朝鮮王朝時代に実在した国王を主人公に描いており、頻繁に登場するのが英祖(ヨンジョ)とその孫の正祖(チョンジョ/イ・サン)。
- そんな2人と親子関係でありながら、あまり目立つことのない思悼(荘献/サド)世子の悲劇的な生涯を紹介する。

韓国ドラマで根強い人気を誇るジャンルは時代劇(画像出典:SBSドラマ)
韓国ドラマで根強い人気を誇るジャンルといえば「時代劇」だ。
架空のキャラクターが登場する作品もあるが、実在した人物を描いたものがほとんど。
波瀾万丈な人生を送った国王や、歴史的偉業を成し遂げた名君など、ドラマチックなエピソードを持つ国王にフォーカスしたものが目立つ。
中でも21代目国王の英祖(ヨンジョ)と22代目国王の正祖(チョンジョ/イ・サン)は、韓ドラ時代劇の定番登場人物といってもよいほど頻繁に取り扱われており有名。
Danmee(ダンミ)では先日、時代劇に頻出する朝鮮の国王6名を紹介したが、もちろんその中にも含まれている。
(関連記事) 韓国ドラマ 時代劇で最も多く登場している朝鮮の国王 トップ6を調査
両者は祖父と孫の関係にあたり、英祖が正祖に王座を譲ったことなどから共に1つの作品で取り上げられることも。
しかしお気づきだろうか、一世代飛び越えている。正祖の父である思悼(荘献/サド)世子の影がなぜか薄く、注目を浴びるのは常に英祖と正祖だけだった。
スポットの当たる機会が少ない思悼世子に、興味を抱いている韓ドラファンもいるのではないだろうか。
実は彼は、悲劇的な生涯を遂げた人物だった。
思悼世子は、英祖が42歳の時の子ども。長男・考章世子が病気により9歳でこの世を去ってから得た第2子で、60歳が平均寿命とされていた時代、高齢でもうけた息子の誕生を喜んだのだとか。
それだけに期待が大きく、自身の後を継ぐ強い国王にするために厳しく育てたという。
ところが父親の思いとは裏腹に、思悼世子は奇行を繰り返し、遂には精神に異常をきたして宮中にいる人々を殺害するように。
韓国の歴史学者の間ではこの理由を、英祖の息子への大きすぎる期待が、次第に思悼世子を追い込みストレスになったのではないかと言われている。
今となっては思悼世子が変わり果ててしまった原因は分からないが、英祖は正気ではなくなった息子をなんと米びつに閉じ込めてしまったのだとか。
7月のことで非常に暑かったことも影響してか、思悼世子は8日後に餓死したそうだ。
既に触れたように彼が登場する作品は非常に少ないが、この悲劇をモチーフに作られたドラマがあるのをご存じだろうか。
2014年に韓国で放送された『秘密の扉』(SBS/2014)だ。
本作は英祖と思悼世子が主人公。“米びつ事件”に新たな解釈を施し、フィクションを交えて制作した本格ミステリー時代劇だ。英祖役をハン・ソッキュが、思悼世子役をイ・ジェフンが演じた。

『秘密の扉』で思悼世子が米びつに入れられるシーン(画像出典:SBS)
また映画でも、ユ・アインとソン・ガンホを主演に迎えた『王の運命-歴史を変えた八日間』(2015)で、英祖が自らと同じく、思悼世子を学問と礼法に秀でた後継者にしようとする姿が描かれている。小さな衝突が大きな確執へと変化し、事件へと発展する物語だ。
その他、分量は少ないものの、本国はもちろん日本でも絶大なる支持を得た『イ・サン』(MBC/2007)と『赤い袖先』(MBC/2021)でも取り上げられたことが。
いずれも主人公が正祖であるため彼目線のストーリーとなっているが、息子を通して思悼世子役の悲惨な物語を垣間見ることができる。
前者では、第1話で米びつに閉じ込められ水も与えられない父に、幼い正祖が厳重な監視をかいくぐり食料を届けることを決意するシーンが。第2話でも、なんとか父親を救う手立てはないか考え英祖に会いにいく。

イ・サン(画像出典:MBC)
また後者では、思悼世子が度重なる不祥事で英祖から自害を命じられるのだが、自ら命を絶つことができず米びつに入れられる場面が。
当時10歳で父を慕い尊敬していた正祖が、必死に父親を許すよう英祖に懇願する様子が印象的な一幕だ。

『赤い袖先』(画像出典:MBC)
各作品では、米びつに閉じ込められる理由が多少異なっているが、朝鮮王朝の歴史に残る悲しい思悼世子のエピソードは、一児の母として自身の子育てを振り返る機会となった。
愛するがゆえに大きくなりがちな期待、我が子を自らの手で潰してしまわないよう肝に銘じたい。
映画『王の運命-歴史を変えた八日間』
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