• 2023年上半期で、最も話題となった韓国ドラマ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』
  • シーズン2やスピンオフの制作に対するドラマファンの期待は依然として高い
  • そして、一部のファンからは「まだネタ回収していないのでは?」と、ある“瑕”を指摘する声も上がっている

2023年上半期最高の韓国ドラマ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』(画像出典:Netflix Korea)

2023年上半期で、最も話題となった韓国ドラマと言えば『ザ・グローリー~輝かしき復讐~(Netflix/以下、ザ・グローリー)』だろう。

昨年12月末にパート1が公開され、去る3月10日パート2が配信され、シーズン1が幕を下ろした。

制作側は、シーズン2やスピンオフの制作については明言していないが、ドラマファンの期待は依然として高い。

なぜなら、ヨジョン(イ・ドヒョン扮)の復讐が開始されたため。また、復讐を終えたドンウン(ソン・ヘギョ扮)とヨジョンのロマンスとハッピーエンドを見届けたいという希望を抱くファンもいる。

※この記事にはネタバレが含まれます。

ドンウン、なぜ先生になったの?

そして、その続きへの渇望なのか、一部のファンからは「まだネタ回収していないのでは?」と、ある“瑕”を指摘する声も上がっている模様だ。

それは「なぜドンウンは、教師になったのか?」というもの。

ドンウンはなぜ教師になったのか

ドンウンはなぜ教師になったのか(画像出典:Netflix Korea)

この疑問については、韓国大手日刊紙中央日報(joongang.co.kr)も「ドンウン、なぜ先生になったの? 後味の悪いネタ回収」という記事を通して提起した。

知ってのとおり、『ザ・グローリー』が配信される前に多くの視聴者の目を引くセンテンスがあった。

校内暴力を受けた被害者の女性が、復讐のために、加害者の子供が通う学校に先生になる・・

この文章により、「学校で起きた悲劇が、復讐によって学校で繰り返される」という明確なあらすじが、配信前から視聴者の脳裏に刻まれ、本作の公開を待ち遠しくしたのだ。

数年かけ練ったプロジェクトがあっけなく終了

しかし、蓋を開けてみると、ドンウンが企んでいた“復讐メニュー”にそれはない。

寝る時間を削って、(韓国人が好む表現で)“血汗涙”の努力の末、教員免許を手に入れたドンウン。

その後も険しい道のりは続く・・今度は、加害者(ヨンジン)の娘の小学校に配属されるため、同校の理事長を脅迫する。

ドンウンの母・・彼女により教師プロジェクトがあっけなく終了?

ドンウンの母・・彼女により教師プロジェクトがあっけなく終了?(画像出典:Netflix Korea)

あたかも、復讐のための1枚目のピースのように描かれている“教師になるプロジェクト”は、実母の横暴により、ドンウン自ら学校を去る事であっけなく終了。

ドンウンが数年かけ練ったプロジェクトは、十数年ぶりに突然現れた実母によって終わってしまうのだった。

制作側がばら撒いたネタ「学校を舞台に繰り広げられる壮絶な復讐劇」は、実は回収されていないまま、ドラマはシーズンを終えたのだ。

パート1では、ドンウンがヨンジンと同じ靴を履いてイェソル(ヨンジンの娘)の前に現れたり、不気味な男性教員がドンウンを一挙手一投足を注意深く観察するなど、“嵐の吹く前の静けさ”が視聴者を緊張させる。

が、これらのネタも、うやむやに回収される。

不気味な男性教員はただの小児性愛者?(画像出典:Netflix Korea)

特に、何か大きな“仕事”をしてくれると思われた男性教員は、 急に小児性愛者となり、ジェジュン(パク・ソンフン扮)に殴打された後、静かにドラマから退場する。

なぜネタは回収されなかったのか

推測の域を出ないが、脚本家のキム・ウンスク氏と制作側は相当悩んだのだろう。

司法国家である韓国で「“個人の復讐”に正当性を付与している」と批判される恐れがあると判断したのかもしれない。

しかも、加害者の家族を復讐の人質に利用するという逆風に晒される可能性も十分ある。

小学生を大人の復讐劇に巻き込むストーリーへの抵抗感なのか

小学生を大人の復讐劇に巻き込むストーリーへの抵抗感なのか(画像出典:Netflix Korea)

その上に、その人質となる家族は、小学生である。“児童虐殺”と言われても仕方ないストーリーになってしまう。

そのため、本作でヨンジンは、「加害者として復讐される」ではなく「犯罪者として処罰される」人物として描かれているのである。

ヨンジンは、同級生の転落事件と、ミョンオ(キム・ゴヌ扮)殺害事件の犯人として、罪を償う事になる。

昨今、ドラマが持つ影響力は凄まじい。人気ドラマであるほど、社会の情緒を変える“力”もある。

『ザ・グローリー』の制作側は、暴力の加害者が迎える悲惨な最後を描いているものの、“復讐を容認するドラマ”になってほしくなかったのかもしれない。

編集長コラム

Danmee編集長のコラムです。韓国芸能界の出来事やネットの話題を分かりやすく解説しております。日本のマスコミが滅多に取り上げない様々な韓国情報を読者の方々と共有していきたいと思います。

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