常に高視聴率をマークしている、KBS2の週末ドラマ『紳士とお嬢さん』。制作側からは嬉しい悲鳴が聞こえそうな本作であるが、視聴者からは「疲れる」といった声が多く寄せられているという。視聴者が不満を抱き、疲れてしまう理由とは。

昨年の9月25日から放送をスタートした、KBS2の週末ドラマ『紳士とお嬢さん』。

この作品は、俳優のチ・ヒョヌとイ・セヒを迎え、自分の選択に責任を持ち、幸せを探していく”お嬢さん”と”紳士”が出会い、繰り広げられる波乱万丈な物語を描いている。

KBS週末ドラマ『紳士とお嬢さん』は驚異的な視聴率を誇る

驚異的な視聴率を誇る、KBS週末ドラマ『紳士とお嬢さん』(画像出典:KBS)

韓国ならではの家庭の事情や、情緒あふれるストーリー展開が人気を呼んでおり、初回を20%台でスタートした視聴率はその後、右上がりに。最近放送された第46話(3月6日)では、37.2%という自己最高記録をマークした。

これほどの人気を誇るのには理由がある。

まず、土日ドラマに強い放送局KBSが制作した作品で、チャンネル権を握る主婦層がひと息つける時間帯に放送したこと。

次に、韓国家庭の”あるある”を全52部作(予定)という長いストーリーで展開していくことが挙げられるだろう。

話数が多いほど視聴者は登場人物に感情移入していく。共感できる話題も手伝ってか、ドラマの中の住人がまるで身近な人物のように感じられ、結果、末永く愛されるという訳だ。

視聴者は同じような演出の数々に‥。

『紳士とお嬢さん』のワンシーン。同じような演出の数々に視聴者は‥(写真提供:©スポーツ韓国)

しかし、これほどの人気を誇る一方で、「見ていると疲れる」という感想を持つ視聴者も少なくはないようだ。

その理由は、『紳士とお嬢さん』のストーリー展開にある。

『紳士とお嬢さん』の劇中、事故に遭い”記憶喪失”となってしまったエピソードを多用したことや、頬を叩き、胸ぐらをつかんで押すなどの暴力的なシーン、さらに監禁するシーンまでが登場してしまい、ドラマの視聴者掲示板には不満と抗議が殺到。

(関連記事)暴行に監禁‥’視聴率トップ’はやりたい放題?韓ドラ ’紳士とお嬢さん’ 批判殺到

韓国ドラマのお家芸であるドロ沼劇、”記憶喪失”や”出生の秘密”といったあり得ない展開が多用されたことに対し、視聴者は落胆。疲れを感じてしまったようだ。

常套手段のように登場する展開、つまり”韓流ドラマの悪いクセ”が出たことで、視聴者は「もやもやした気持ち」を超え、”もどかしさを超えたもどかしさ”を感じてしまっているという。

ジェットコースターのようなストーリー展開に、韓国ネットユーザーらは「記憶を探すシーンだけでも何回見たか分からない」「こんなにたくさん別れる男女を見たことがない(笑)」など、呆れた反応を見せている。

また、あるオンラインコミュニティーでは、主人公が失った記憶を取り戻すというストーリー展開について「速報!記憶が戻りました!」など、茶化すコメントも多く寄せられてしまった。

このような反応が見られるも、『紳士とお嬢さん』の視聴率は上々だ。

その理由は、本作が”長編ドラマ”だからだろう。約半年間に渡り物語を紡いできたとあって、お茶の間は呆れながらも視聴することが習慣化してしまった。

ドラマを見ても不満が出てしまうので、見ないに越したことはないのだが、長きに渡り視聴してきたとあってか、仕方なく(?)見てしまう。そんな視聴者の複雑な心境が反映されているものとみられている。

インターネット上でも皮肉コメントが多く目立つ『紳士とお嬢さん』は、放送スタートから半年になろうとしている3月27日、遂に最終回を迎える。

韓国ドラマのお家芸がさく裂し、視聴者を疲れさせているものの、最終回の視聴率も安定した数字をはじきだすのではと秘かに期待されている。





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