今月21日に最終回を迎えた、JTBC(Netflix)『わかっていても』。青春スターである俳優のソン・ガンとハン・ソヒの共演や、22歳の若者たちのハイパーリアルロマンス劇とあって、放送前から大きな期待を抱かれていた。しかし、放送を重ねるごとに視聴率は低迷し、その結果、失敗作と評されてしまう。これを受けて、ドラマ界では青春ドラマの消滅が懸念されているという。

韓国ではJTBC、日本ではNetflix(ネットフリックス)で放送されていた韓国ドラマ『わかっていても』。

今月21日に最終回を迎え、日本の韓ドラファンからは早くも”『わかっていても』ロス”の声が聞こえてくる。

しかし、韓国では良くも悪くも様々な意見が上がっていたようだ。

放送前の期待に応えられなかった? 視聴率が低迷の一途をたどる

JTBC(Netflix)『わかっていても』はソン・ガン&ハン・ソヒ主演

ソン・ガン&ハン・ソヒ主演、JTBC(Netflix)『わかっていても』(画像出典:JTBC DRAMA公式Instagram)

これまでとは一線を画す”青春ドラマ”となった『わかっていても』。

韓国でも人気の高い青春スター、俳優のソン・ガンとハン・ソヒが主演であること、そんな彼らが等身大の恋愛模様を描き、その中に際どいラブシーンが盛り込まれるとあって、放送前には多くの注目が寄せられていた。

しかし、いざドラマがスタートすると、”想像以上”とハードルを上げ過ぎたラブシーンはそれを超えることができず、さらにキャラクターの感情を理解するには描写が足りなかったとの声が届けられた。

彼らの恋愛模様は、極めて現実的だったかもしれないが、”最近の大学生のキャンパスライフ”は、視聴者の共感を得ることが難しかったようだ。

その結果、視聴者からそっぽを向かれてしまい、人気の指針である視聴率が0%台と、惨憺たるものに。

本作が最高視聴率をマークしたのは、第1話の2.2%で、第8話では0.994%と1%台を下回り、最低視聴率を記録。最終回は1.74%と挽回を見せたものの、人気俳優が出演した割に寂しい数字となってしまった。

動画配信サービスでは高い人気を見せているものの‥

テレビではなく、動画配信サービスで見ていたと見られている韓国の若者たち

韓国の若者はテレビではなく、動画配信サービスで視聴していたようだ(画像出典:JTBC)

“視聴率”だけ見れば、失敗に終わった印象を受けるが、『わかっていても』は韓国の放送局だけでなく、動画配信サービス(以下、VOD)で世界にも配信されている。

Netflixのランキングにおいては、韓国で1位、日本では2位を獲得。特に韓国では、韓国ドラマとしては珍しくトップに輝き、大きな話題を集めていた。

(関連記事)Netflix 日本で2位のドラマ『わかっていても』、韓国でも1位を獲得した理由

VODの人気を見れば、本作は失敗に終わったとは言い難く、むしろ成功と言えるのではないだろうか。

しかし、VODでの視聴が一般的になった時代とは言え、韓国内でのドラマ人気や評価は全て、視聴率という数字にかかっている。

つまり海外で人気を博しても、国内評価=視聴率が取れなければ、韓国では”失敗”とみなされてしまう。

作品の失敗が招いた、青春ドラマ消滅の危機

日本の韓ドラファンからは称賛が届けられている、ソン・ガンとハン・ソヒの恋愛模様

ソン・ガンとハン・ソヒの恋愛模様に、日本の韓ドラファンからは称賛が届けられている(画像出典:JTBC)

『わかっていても』の視聴率低迷を受け、韓国ドラマ界に青春ドラマ”消滅の危機”が訪れてしまったという。

その理由は2つある。

まず1つ目に、ドラマ制作サイドが『わかっていても』の視聴率惨敗により、青春ドラマの”興行性の低さ”を身をもって痛感したこと。

韓国メディアのスポーツ東亜によると、最近公開された青春ドラマ12作のうち、半数以上が視聴率3%未満を記録したと報じている。

その成績を見てみると、現在放送中のtvNドラマ『君は私の春』は3.4%で始まり、最近は1%台まで落ちており、MBC『Oh!ご主人様』は平均2.6%、JTBC『先輩、その口紅塗らないで』が平均2.4%という結果に見舞われている。

そしてもう1つ、作品の国内評価が低ければ、韓国メディアがそれを主演俳優の名と共に世に広めてしまう。そうなればドラマにではなく、俳優自身にネガティブなイメージが付いてしまい、相当なダメージを受けることに。

自身に悪いイメージがついてしまう懸念から、事務所も、未来ある若手俳優たちも青春ドラマへの出演を躊躇うようになってしまう危険性。となれば、演じ手のいない作品は、ドラマ界から消滅してしまう可能性がある。

韓国では、変わらず人気を継続しているドラマジャンルは、”麻辣(マーラー)味ドラマ”だ。

“麻辣(マーラー)味ドラマ”とは、不倫、裏切り、復讐などの刺激的な内容を盛り込み、独特で刺激的ゆえに好き嫌いがあり、批判もされるがつい見てしまう‥といった中毒性の高い作品を指す。

本ジャンルの主な代表作には、SBS『ペントハウス』シリーズ、JTBC『夫婦の世界』、JTBC『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』などがあり、これらの作品は高い視聴率を維持し、シンドローム級の人気を博しているのだ。

(関連記事) 韓ドラのお家芸が戻ってきた!新トレンド「マーラー(麻辣)味 ドラマ」とは

そんなジャンルが勢いを見せる中、新たな試みを盛り込んだ青春ドラマとして奮闘した『わかっていても』だったが、残念ながら視聴率を獲得することはできなかった。

韓国では青春ドラマ消滅の危機となってしまったが、海外の韓ドラファンにはこれがどう映るだろうか。











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