デビュー時の10代から老け知らずの美貌を誇る、女優のキム・ソヨン。優れたビジュアルと演技力から圧倒的な悪役キャラクターを演じ切った彼女は、韓国でも数少ないロングランタイプの好感型女優として人気を得ている。

“老け顔は老けない”との言葉通り、デビュー以来、顔が変わっていないという女優がいる。

彼女の名はキム・ソヨン。
1980年生まれの40歳で、2000年に放送されたMBCドラマ『イヴのすべて』で悪役を演じ、一躍その名を世に広めた女優だ。

女優キム・ソヨンは20年間も変わらぬビジュアルを誇り、まさに"不老"と言える

まさに不老! 20年間も変わらぬビジュアルを誇る女優キム・ソヨン(画像出典:キム・ソヨン公式Instagram)

『イヴのすべて』はテレビ局を舞台に、看板キャスターの座を争う2人の女性アナウンサーと彼女たちを取り巻く人間模様を描いたトレンディー・ドラマ。
主演はキム・ソヨンをはじめ女優のチェリムと俳優のチャン・ドンゴンが務め、キム・ソヨンは劇中、チェリム扮するチン・ソンミのライバル、ホ・ヨンミ役を演じた。ホ・ヨンミはずる賢く欲張りな性格で、目的を達成するためなら手段を選ばないといった絵に書いたような悪役キャラクターだ。

“老け顔”と”悪役”から訪れた災難

はっきりとした目鼻立ちが印象的で、艶やかな美貌を誇る彼女が演じる悪役は迫力満点だった。どの女優よりもはるかに説得力があり圧倒されてしまうことから、『イヴのすべて』の放送時に現実と演技をきちんと区別できなかった一部の視聴者からクレームが相次いだというエピソードを持っている。

『イブのすべて』でホ・ヨンミ役を演じたキム・ソヨン

『イブのすべて』でホ・ヨンミ役を演じたキム・ソヨン

『イブのすべて』でホ・ヨンミ役を演じたキム・ソヨン

『イブのすべて』でホ・ヨンミ役を演じたキム・ソヨン

キム・ソヨンはドラマ『イブのすべて』でホ・ヨンミ役を演じた(画像出典:옛드 : 옛날 드라마 [드라맛집] YouTube動画キャプチャー)

また、女性に対し紳士的である軍人からも嫌われていたそうで、”軍人が嫌いな芸能人1位”という不名誉なラインキングにも輝いてしまった。
当時21歳だったキム・ソヨンはその知らせを聞いて「ああ、本当にひどい悪役だったんだ‥」と寂しい気持ちを抱いてしまったという。さらに泣きっ面に蜂とでも言おうか、その後、アンチファンが増えて出演オファーも途切れてしまい、活躍の場を失ってしまった。

ドラマ『IRIS-アイリス-』で視聴者を魅了し、再起に成功

大人びた美貌と高い演技力からこのような事態に陥ってしまったのだが、これまでのイメージを覆したのが2009年に放送されたドラマ『IRIS-アイリス-』だ。
『IRIS-アイリス-』は俳優のイ・ビョンホン、女優キム・テヒ、BIGBANG(ビックバン)のT.O.Pら豪華キャストが集結した、韓国と北朝鮮を背景に繰り広げるスパイアクション劇で、平均視聴率30%超えを記録した大ヒットドラマだ。

キム・ソヨンはドラマ『IRIS-アイリス-』では新たな一面を披露し、愛され系女優に

ドラマ『IRIS-アイリス-』では新たな一面を披露したキム・ソヨンは、一気に愛され系女優に(画像出典:namu.wiki)

キム・ソヨンは劇中、北朝鮮の女スパイ、キム・ソンファ役に扮し、負傷闘魂を辞さないほどのアクション演技を繰り広げたことで、完全に好感型のイメージに戻ることに成功。この熱演により、これまで大衆が持っていた”女スパイ”のイメージをキム・ソヨンが塗り替えたとまで称賛を浴びたほど。
これ以降も、女優としてのイメージが崩れかねないリスクのあるキャラクターでも、特有の演技力と努力を通じて好感型キャラクターとしてうまく導き出し、さらなる好評を得ている。

『IRIS-アイリス-』を通じてイメージ再起に成功したキム・ソヨン

キム・ソヨンは『IRIS-アイリス-』を通じてイメージ再起に成功(画像出典:namu.wiki)

どのような役でも演じ切ってしまう卓越した演技力と若くして完成された美貌から、都会的でシャープなイメージが付きまとっていたキム・ソヨンは、これ以後、気さくで優しい思いやりにあふれた本来の性格を知られるようになる。

20年振りの悪役で得たものとは

しかし、先ごろ放送を終えたSBSドラマ『ペントハウス』では再び強烈な悪役チョン・ソジン役を演じ、身の毛もよだつ名演技を披露していた。

キム・ソヨンは20年振りに悪役を演じた。『ペントハウス』での怪演は必見!

20年振りの悪役を演じたキム・ソヨン。『ペントハウス』での怪演は必見!(画像出典:キム・ソヨン公式Instagram)

『イヴのすべて』以後、20年振りに演じる悪役というニュースに放送前から大衆の期待感が高く、刺激的で扇情的という批判にもかかわらず、キム・ソヨンをはじめとする俳優たちの熱演のおかげで毎回最高視聴率を更新し、最終回で30%に近い視聴率を記録した。
特に第15話の最後に見せてくれた、まさに狂気に染まったままピアノを演奏する演技は伝説として残る名場面だという絶賛を浴びている。
さらにファンからは、彼女の容姿が『イヴのすべて』よりも若返っているという賛辞までも届けられた。

俳優のイ・サンウとキム・ソヨン夫妻はおしどり夫婦としても知られている

おしどり夫婦で有名な俳優のイ・サンウとキム・ソヨン夫妻(画像出典:キム・ソヨン公式Instagram)

芸能界一嫌われ者となった過去が嘘のように、現在は好感度の高い女優として歩んでいるキム・ソヨン。それも変わらぬどころか、さらに若返った美貌を手にして。

一方、プライベートでは2017年にドラマ『ハッピー・レストラン~家和萬事成~』で共演した俳優のイ・サンウと結婚し、幸せな時間を過ごしているようだ。

悪役、憎まれ役から愛される役まで、”不老”ビジュアルで幅広いキャラクターをこなすキム・ソヨン。韓国だけでなく海を越えたドラマファンからも活躍を期待されている存在となっている。


『ペントハウス』で本物の狂気と言われるキム・ソヨンの演技(動画出典:Youtube SBS NOW)









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