2022年は、日韓同時開催が話題となったFIFAサッカーワールドカップから20年を迎える年となる。振り返ると日本の韓流ブームの歩みも、同じようなタイミングだったのではないだろうか。そこで今回は、韓流草創期の話題作『宮廷女官チャングムの誓い(MBC/2004)』で活躍した、パク・ジョンスクのその後と近況を紹介する。

『宮廷女官チャングムの誓い(MBC/2004)』は、韓国ではもちろん日本でも大ヒットを記録し、韓国のドラマ史に残る名作の1つだ。

MBCの時代劇ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い(2003)』は、日本でも絶大な人気を得た。

日本でも絶大な人気を得たMBCの時代劇ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い(2003)』(画像出典:MBC)

イ・ヨンエをはじめチ・ジニなど名俳優と呼ばれる役者が数多く出演していたが、その中に、演技者としての経験がなかったパク・ジョンスクがいる。

彼女は、朝鮮王朝11代王中宗(チュンジョン)の3番目の王妃、文定(ムンジョン)皇后に扮し、一躍世間に顔を知らしめた。登場シーンはさほど多くなかったものの、窮地に立たされたチャングム(イ・ヨンエ扮)を、自身の持つ力で助ける姿を記憶している人もいるのではないだろうか。

パク・ジョンスクは、文定(ムンジョン)皇后役に扮した。

文定(ムンジョン)皇后役に扮した、パク・ジョンスク。(画像出典:namu.wiki)

しかし、公になっている情報によると、彼女は『宮廷女官チャングムの誓い』が最初で最後のドラマ。デビューも女優ではなく、1993年に開催された大田(テジョン)国際博覧会を特集するKBSの生番組での司会だった。

1994年から1997年までは、韓国で主要地上波テレビ局のSBSで、朝の情報番組『出発! モーニングワイド(SBS)』を、以降MBCやKBSの各番組を通し、数多くの時事教養プログラムでMCを務めた。

そして、2004年に『宮廷女官チャングムの誓い』に出演した後は、韓国内での活動を一時中断して留学。アメリカのコロンビア大学及び、日本の慶應義塾大学の客員研究員と博士課程を取得し、海外で主に、研究者や韓流ドキュメンタリー番組のプロデューサー業に励んだ。

その間には、韓国料理を紹介する日本の番組で韓国側の進行役を務めたり、早稲田大学の専門職大学院、公共経営研究科のトップセミナーで韓流と関連した特別講義を行ったりしている。また、日本人ファンとの交流イベントに参加するなど、幅広い活躍を見せている。

一方韓国では、2009年にTBSのラジオ番組『パク・ジョンスクの今日』を通して、約5年ぶりに活動を再開。2015年からYTNで、2016年からはEBSでラジオパーソナリティーを務めた。

私生活では、2012年に5歳年下の国会議員の男性と結婚し、翌年には男の子を出産している。

現在は、前出の研究者とプロデューサーという経歴を土台に、大学教授、番組の司会として活動中だ。また、2021年9月に事務局をソウルに置いた非営利国際団体、世界スマートシティー機構WeGOの事務総長を引き受けた彼女は、最近、慶州(キョンジュ)市主催のイベント『スマートシティー世界市民教育』へ特別に招待され講演を行った。

パク・ジョンスクは、慶州市主催のイベントで講演を行った。

慶州市主催のイベントで講演を行ったパク・ジョンスク。(画像出典:慶州市市庁ニュース)

ちなみに、今年3月に韓国で公開された映画『Bカット』に、アナウンサー役として友情出演したものの、それ以外の作品には携わっていない。

今後、パク・ジョンスクの女優としての姿を目にするのは難しそうだが、『宮廷女官チャングムの誓い』以降、異なるフィールドで華やかな活躍を繰り広げてきた。驚くような経歴を持つ彼女が、この先どのような人生を歩み、何を目標としているのか気になるところだ。

(構成:西谷瀬里)






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