tvN(Netflix)ドラマ『私たちのブルース』は、障がい者がドラマに出演し、そのメッセージ性の高さから大きな話題を集めた。中でも注目を浴びたのが、本作のノ・ヒギョン作家に確信を持たせた画家のチョン・ウネさんだ。彼女の見せた演技を振り返り、本作の意義を探る。

最近、成功裏に最終回を迎えたtvN(Netflix)ドラマ『私たちのブルース』。

『私たちのブルース』は、最近、成功裏に最終回を迎えた

最近、成功裏に最終回を迎えたtvN(Netflix)ドラマ『私たちのブルース』(画像出典:tvN)

放送前から、韓国を代表する俳優陣がこぞって出演することで大きな話題を呼んでいたが、放送が開始されるとそんな豪華俳優陣に匹敵する程、注目を浴びた人物がいる。

イ・ヨンオク(ハン・ジミン扮/以下、ヨンオク)の双子の姉で、ダウン症を抱えるヨンヒ役を演じた画家のチョン・ウネさんだ。

画家のチョン・ウネさんは、『私たちのブルース』でヨンヒ役を演じた

『私たちのブルース』でヨンヒ役を演じた画家のチョン・ウネさん(画像出典:tvN)

チョン・ウネさんは実際にダウン症を抱えており、劇中名前こそ違っていたものの、彼女自身の役として登場し、リアリティー溢れる姿と、まるでドキュメンタリーをみているかのような感動を視聴者に与えて話題となった。

それもそのはず、本作を執筆したノ・ヒギョン作家が、チョン・ウネさんの実際の姿をヨンヒに投影したのだという。

事実、チョン・ウネさんの仕事である絵を描くシーンや、彼女の好きな編み物をするシーンなどが劇中に盛り込まれており、まるでチョン・ウネさんの日常を見ているかのようだった。

また、カフェでアルバイトするシーンでは、社会の中の構成員として彼女がどのように日常を送っているのかを、人との出会いの中では、世間の彼女に対する反応や思いなどを垣間見せた。

視聴者の反応然り、ヨンヒの役柄からはノ・ヒギョン作家の強いこだわりのようなものを感じさせるが、実は本作は同作家が、約1年というチョン・ウネさんとのコミュニケーションを通じて、確信を得た後に台本の執筆に入ったのだという。

ノ・ヒギョン作家の並々ならない本作への思い入れが伝わってくるエピソードではないだろうか。

また、彼女以外にも、ダリ(チョ・へジョン扮)の妹で、聴覚に障害を持つビョリ役に、実際聴覚障がいのある女優のイ・ソビョルを起用した。

イ・ソビョルとチョン・ウネさんは、『私たちのブルース』に出演した女優

『私たちのブルース』に出演した女優のイ・ソビョル(左)とチョン・ウネさん(右)(画像出典:tvN)

劇中、ビョリとヨンヒの初対面シーンは、障がい者に対する世間の反応や見方のようなものが描かれており、一際視聴者の印象に強く残った。

こうして本作は、イ・ソビョルとチョン・ウネさんを通して、ありのままの障がい者の姿を見せるという点において、大きな意味を成したようだ。

イ・ソビョルとチョン・ウネ(画像出典:tvNドラマ)

韓国メディアのハンギョレ新聞は、本作を韓国の現状と照らし合わせ「最も注目すべき点は、障がいに対する作家の解釈だ」と報じている。

その上で「障がい者を目にすると涙し、哀れで可哀想な存在としてしてきたのが事実だ」と韓国内の障がい者に対する世間の見方を指摘。

本作を「障がい者を社会の同じ構成員として見つめ、尊重しなければならないというメッセージをくれた」と評価した。

多くの人の心に強い印象を残した『私たちのブルース』。視聴者それぞれに感じたものはあるだろうが、この作品により社会を構成する人々の全てが、尊重されるのを願った人は多いのではないだろうか。

(構成:西谷瀬里)





韓国女優 最新記事はこちら(1446)

ご意見を自由にコメントしてください!

記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。

編集部おすすめ記事blank

サイトの広告について

Danmee(ダンミ)は、収益化の一環としてオンライン広告を展開しております。広告の内容(公序良俗を害するもの)や、可読性の低下につながる広告に関するご意見はこちらのフォームをご利用ください。

この記事と関連度が高いトピック

現在読まれています!

最新記事

RECENT TOPICs