子役出身女優のキム・セロンが、飲酒運転の疑いで警察の調査を受けているという。韓国で最も成功した子役として知られ、優れた演技力で国内外の映画ファンも魅了している彼女だけに、残念なニュースとなってしまった。
子役出身俳優のキム・セロンが、飲酒運転の疑いで警察の調査を受けている。

子役俳優出身キム・セロンは、韓国を代表すル女優へと成長(画像出典:キム・セロンInstagram)
韓国の警察署によると、キム・セロンは18日の午前8時頃、ソウル江南区鶴洞交差点付近でガードレール、街路樹、変圧器などに3回以上衝突し、逃走を図ったようだ。
また韓国メディアのニュースによれば、警察は「よろめきながら運転する車がある」「SUV車がガードレールに何度もぶつかった」などの市民の通報を受けて出動したという。
現場出動当時、警察がキム・セロンに対し飲酒測定を実施したが、キム・セロンが採血を希望し病院に移動したという。
警察側は「運転者が採血を希望し、検査後に正確な容疑を確定する予定」という立場だ。
キム・セロンの飲酒運転疑惑と関連して、所属事務所側関係者は「状況を確認中だ」と伝えている。
韓国で最も成功した子役と呼ばれる、キム・セロン
韓国で最も成功した子役俳優、そう呼ばれているキム・セロン。
子役時代はもちろん、21歳(日本年齢)を迎えた現在も大人の女優として優れた演技を披露している。
子役出身となると、この頃の愛らしいイメージがいつまでも抜けず、そのまま停滞してしまう俳優も少なくはない。しかし、キム・セロンはこれを克服し、韓国を代表する女優へと成長を遂げた。

2009年から現在まで、映画やドラマで活躍しているキム・セロン(画像出典:キム・セロン公式Instagram)
元々、雑誌モデルとして活躍していたキム・セロンだったが、2009年に高い競争率を勝ち抜いて、イ・チャンドン監督が製作した韓国・フランス合作映画『冬の小鳥』にキャスティングされた。彼女はこれを機に、本格的な俳優の道を歩むことになる。
当時、9歳という幼い年齢にもかかわらず、子役らしくない繊細な内面演技でストーリーをリードし存在感を表した。
その後、出演したのが映画『アジョシ(2010)』だ。
俳優のウォンビンとともに主演を務め、作品を成功に導いたキム・セロン。たった2本の映画だけで大衆に自身の名前を刻印させ、映画界から期待される子役俳優に浮上する。

映画『アジョシ』(画像出典:映画『アジョシ』ポスター)
また、子役俳優としては異例である、海外映画祭でのレッドカーペット経験や、国内外の新人女優賞および多数の賞を最年少年齢で受賞するなど、幼い年齢であるにもかかわらず、卓越した演技力を見せながら大衆に自身の存在感を知らせた。
以後、着実にドラマと映画を通じて作品活動を続けているキム・セロンは、最近、カカオTV『優秀巫女カ・ドゥシム(2021)』やKBS2『彼女たち(2021)』などのドラマ作品に出演。次回作には、Netflix(ネットフリックス)『猟犬たち』が控えていた状況だった。
日本を代表する映画監督、是枝裕和も絶賛する演技力
キム・セロンのファンの中には、日本を代表する映画監督もいる。
それは、初韓国映画となる『ベイビー・ブローカー』のメガホンを取った、是枝裕和監督だ。
彼は、映画『冬の小鳥』でのキム・セロンの演技に魅了され、日本で『アジョシ』が公開された際にも映画館に足を運んだという。
ここで再びキム・セロンの名演に射抜かれた是枝監督は、2011年に韓国に渡った際、キム・セロンと待望の対面を果たしたそうだ。そして、機会があれば一緒に作品を製作したいとも話したという。
また、2015年に再び韓国を訪れた時、是枝監督は、もし自身の映画『海街diary』が韓国リメイク版で製作されるとしたら、広瀬すずが演じたキャラクターはキム・セロンが演じてほしいと話したこともあったそうだ。

キム・セロンは子役時代、天才的な演技を披露(画像出典:movie.naver)
日本の映画監督からも一目置かれる天才子役から、大人の役者へと成長したキム・セロンであったが、今回、残念なニュースを届けることになってしまった。
飲酒運転に対して厳しい視線が向けられる、韓国。飲酒運転による事故が後を絶たないのもあり、警察の取り締まりも頻繁に行われているという。
また、飲酒運転の処罰に対する特例法も、毎年改定されるほど社会全体の認識が高く、厳しいそうだ。
このような中、芸能人が”飲酒運転”をし事故を起こしたとなると、相当な非難が寄せられるだろう。芸能界に復帰するのも難しいと言われるほどだ。
これからが期待される女優として注目を浴びていたキム・セロン。今回の件で、芸能界を追い出される危機に直面してしまい、ファンは落胆を隠せないようだ。
(投稿:星野沙)
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