先ごろ開催された韓国最大の映画の祭典『第41回青龍映画賞』。初ノミネートで、この頂点に輝いた女優のラ・ミラン。そんな彼女はこれまで、『青龍映画賞』とは何かと縁があったよう。(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

韓国の2大映画祭の1つで、最も権威のある映画賞と呼ばれる『青龍映画賞』。
毎年12月に行われる韓国最大の映画の祭典であるが、今年は新型コロナウイルスの影響により延期され、去る2月9日に開催となった。

コロナ禍で大打撃を受けながらも、これに負けず優秀な作品が多く公開された韓国映画界。韓国を代表する作品とともに映画スターが一堂に会するとあって、今年の栄光は誰の手に輝くのか多くの注目が集まっていた。

多くの関心が寄せられるなか、『第41回青龍映画賞』の頂点に輝いたのは、映画『音もなく』のユ・アイン(主演男優賞)と『正直な候補』のラ・ミラン(主演女優賞)だ。
俳優のイ・ビョンホンやファン・ジョンミン、女優のキム・ヒエ、チョン・ユミなど優れた演技者が顔を揃えるなか、栄光を手にした2人は、ともに抜群のキャリアと卓越した演技力を持つ俳優とあって映画ファンには納得の受賞となった。

ラ・ミランは『第41回青龍映画賞』で主演女優賞に輝いた

『第41回青龍映画賞』で主演女優賞に輝いたラ・ミラン(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

特に、主演女優賞に輝いたラ・ミランは多くのドラマで名バイプレーヤーとして活躍をしていることから、日本の韓ドラファンにとってはおなじみの顔だろう。しかし、彼女のフィルモグラフィーを見るとドラマよりも映画の方が出演作が多く、実は”映画スター”としてのキャリアの方が高い。

その出発点となったラ・ミランのデビュー作が、2005年に公開されたイ・ヨンエ主演映画『親切なクムジャさん』だ。

本作は、娘を人質に取られ、誘拐殺人犯の身代わりとして13年間服役することになったクムジャ(イ・ヨンエ)。彼女は刑務所で誰に対しても優しく接することから”親切なクムジャさん”と慕われていたが、それはすべて復讐のためだった―――。

壮絶な復讐の物語を描いた本作で、ラ・ミランは、同僚だった体育教師の既婚男性と不倫関係になり、姦通罪に問われたオ・スヒ役を演じている。刑務所で”魔女”と呼ばれる囚人にいじめられていたところをクムジャに助けられ、2人は協力関係へと発展。出所後も彼女たちの関係は続き、用意周到な復讐劇へと展開していく。

また、「どうしてそんなに目を真っ赤に塗っているの?」という質問で、『親切なクムジャさん』の名ゼリフ「親切に見えるかと思って」を引き出したキャラクターとしても知られている。

30歳という年齢で2005年に映画『親切なクムジャさん』でデビューしたラ・ミラン

ラ・ミランは30歳という年齢で2005年に映画『親切なクムジャさん』でデビューした(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

パク・チャヌク監督による復讐3部作の最終作である本作は、イ・ヨンエの美しさが迫真の演技と相まって、観客の背筋を凍らせてしまうほど生々しい復讐劇を完成させた。そしてイ・ヨンエは本作で『第26回青龍映画賞』の主演女優賞に輝いているのだ。

2005年に自身のデビュー作で、輝かしい栄光を手にした大女優イ・ヨンエの背中を見ていたラ・ミラン。その彼女が10数年経った現在、肩を並べる存在へと成長し、女優としての成功を収めている。

デビュー時から韓国で由緒ある映画賞に何かと縁のあったラ・ミラン。
個性的なビジュアルが光る唯一無二の存在として、彼女が今後の韓国映画界を引っ張っていく存在であることは間違いないようだ。







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