ドラマの視聴率は、人気俳優や有名脚本家を起用すれば、必ず高視聴率が取れるという単純なものではない。出演俳優はもちろん脚本の中身や放送枠など、複数の要素が視聴率に繋がる。しかし、視聴率のイメージが、俳優につきがちなのも事実だ。

ドラマの視聴率は、俳優の人気を表す数字の1つとも言える。しかし人気があるからといって、出演ドラマで常にいい視聴率を維持できるとは限らない。

今回は、実力派人気俳優5人の黒歴史となってしまった出演作を紹介する。

ソ・ジソブ / MBC『ロードナンバーワン』(2010)

『ロードナンバーワン』

『ロードナンバーワン』(画像出典:MBC)

タイトルは南北朝鮮を縦断する”国道1号線”からつけられたという『ロードナンバーワン』。舞台は朝鮮戦争中の韓国で、3人の男女の愛と友情を描いたヒューマン・メロドラマだった。

朝鮮戦争60周年記念にあわせ完全事前制作で撮影が進められ、総製作費130億ウォンを投入。ソ・ジソブ、キム・ハヌル、ユン・ゲサンと主要キャストも豪華布陣で、放送局の期待を一身に背負っていた。

しかし、ドラマが始まってからの視聴率は予想に反し下がる一方‥。

その要因の1つに、ソ・ジソブの戦闘シーンでの演技力が挙げられた。ソ・ジソブは、2005年3月から2007年4月まで兵役に就いているが、兵役形態が現役ではなく、公益勤務要員だった。そのため、戦闘シーンの撮影に苦戦し、視聴者からもリアリティーが足りないという評価を受けた。

ソ・ジソブ

ソ・ジソブ(画像出典:MBC)

他に、同時間帯の裏番組が、視聴率50%超えモンスタードラマのKBS『製パン王キム・タック』だったことも低視聴率に影響した。

クォン・サンウ / MBC『メディカルトップチーム』(2013)

『メディカルトップチーム』

『メディカルトップチーム』(画像出典:MBC)

メインキャストにクォン・サンウ、チュ・ジフン、チョン・リョウォンなど実力派俳優が集まり、人気アイドルグループSHINee(シャイニー)のミンホが脇を固め、若い視聴者層を取り込む準備も万端だった。

しかし『メディカルトップチーム』は、医療ドラマ史上完全なる失敗作として残ることになり、医療ドラマ不敗神話は崩れた。

『メディカルトップチーム』

実力派俳優が集まっていたが‥(画像出典:MBC)

その要因と言われたのは、まず主演のクォン・サンウ。日本でもトップクラスの人気を誇る俳優ではあるが、クォン・サンウは昔から滑舌の悪さで有名だった。このドラマ舞台は難しい医療用語が飛び交う医療現場。やはりこの滑舌の悪さが問題となったのは言うまでもない。

しかし一番の敗因は、”脚本”にあった。医療ドラマと言いながら、手術シーンがメインではなく、”医師たちの政治の話”のような内容で、主人公のキャラクターにも、特に感情移入できるような要素がなかったのだ。

また同時間帯の裏番組KBS 2TV『秘密』が高視聴率で、『秘密』放送終了後も後続のSBS『相続者たち』がその高視聴率を維持したことが、低視聴率の原因になった。

チャン・ヒョク / 『IRIS2-アイリス2- :ラスト・ジェネレーション』(2013)

『IRIS2-アイリス2- :ラスト・ジェネレーション』

『IRIS2-アイリス2- :ラスト・ジェネレーション』(写真提供:©スポーツ韓国)

前作『IRIS-アイリス-』は、イ・ビョンホンが主演し、総製作費200億ウォン(約15億円)をかけて制作された超大型アクションドラマで、最高視聴率39.9%を記録し大ヒット。続編をチャン・ヒョク主演で制作することになった。

前作が大きな成功を収めたため、続編への期待も高かった。しかし、一番期待していたストーリーの展開に新鮮さを欠き、視聴者は首をかしげることに。

簡単に予想できるありきたりな南北の対立と、チャン・ヒョクお得意のアクションシーンに重点が置かれたため、それだけでは視聴者を十分満足させることはできなかった。

(関連記事)今韓国ドラマ界は続編制作がトレンド!現実は’前作’という高いハードル

チャン・グンソク / KBS『キレイな男』(2013)

『キレイな男』

『キレイな男』(画像出典:KBS)

2009年に放送されたSBS『イケメンですね』で一躍トップスターの仲間入りを果たした”アジアのプリンス”チャン・グンソク。

実はチャン・グンソクは、『イケメンですね』以降、ヒット作に恵まれていない。

このドラマの役でチャン・グンソクの派手なビジュアルを全面に出したが、それが『イケメンですね』と似たような印象を受け、視聴者が少々食傷ぎみに感じてしまった。

また、同時間帯の裏番組が高視聴率を記録したSBS『相続者たち』とSBS『星から来たあなた』だったことも影響し、最終的に2013年地上波3社最低視聴率ドラマとなってしまった。

チ・チャンウク / tvN『僕を溶かしてくれ』(2019)

『僕を溶かしてくれ』

『僕を溶かしてくれ』(画像出典:tvN)

2010年に放送されたKBS『笑ってトンへ』に出演し、お茶の間に名が知られるようになった”アジアの貴公子”チ・チャンウク

チ・チャンウクが除隊後の復帰作として、満を持して挑んだドラマで、久しぶりに見られるチ・チャンウクの姿にファンもより期待を寄せたが、期待はずれに終わった。

ファンタジー要素をメインに話が進むのかと思っていた視聴者は、途中からこの話はいったいファンタジーなのか、サスペンスなのか、ラブコメなのか‥と話の展開についていけず、離脱者が続出。

チ・チャンウク

チ・チャンウク(画像出典:tvN)

そして最終的にこのドラマは、tvN週末ドラマ史上初の1%台の視聴率を記録してしまった。



チ・チャンウク

グロリアル・エンターテインメント所属の俳優チ・チャンウク。1987年7月5日生まれ。

2008年、映画『スリーピングビューティー』で本格デビューを果たす。
その後2009年ドラマ『ソル薬局の息子たち』に末っ子として出演し注目を集めた。

2014年に出演したドラマ『ヒーラー~最高の恋人~』では主演を務め、視聴率はあまり振るわなかったが、この作品により韓国のみならず海外でも絶大な人気を得ることになる。

映画初主演作は2017年に公開された『操作された都市』。

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