女優のキム・ヒソンが、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『再婚ゲーム(原題:ブラックの花嫁)』に出演し話題を集めている。そんな彼女は、90年代後半、韓国で社会現象を巻き起こすほど人気を得た時期があった。そんな時代を振り返ってみる。
歌手の安室奈美恵が、90年代後半に日本に社会現象を巻き起こしたのを覚えているだろうか。
彼女のファッションを真似する“アムラー”と呼ばれる人たちまで登場し、その活躍には目を見張るものがあった。
そんな時代、韓国でも彼女に匹敵するほど一世風靡した人物がいる。
今年に入り、MBC(Netflix)ドラマ『明日』と、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『再婚ゲーム(原題:ブラックの花嫁)』で、2作続けて主演を務めている女優のキム・ヒソンだ。
90年代の韓国を代表する美人女優の代名詞的存在で、特に1995年から1999年までは、テレビ史上前例がないと称されるほどの人気を博した女優である。
この時代のトレンディードラマは彼女が独占、度々高視聴率を叩き出し、“不敗神話”を築いた。また、劇中で食べて、着て、触れたものは全てがホットトレンドとなり、“彼女が動けばニュースになる”と言っても過言ではなかったという。
特に、ファッションやメイク、ヘアスタイル、口調などを真似する人が続出し、中でも身につけたアクセサリー類が必ずブームになったことから、“流行ファッション製造機”と呼ばれたことも。
SBSドラマ『トマト(1999)』で、シュシュとベルベットのカチューシャを着用した際には、シュシュの売り上げだけで40億ウォン(約4億2千万)にも達したという。
それに加え、文化的な観点からファッションを分析する書籍まで登場したというから、彼女の影響力の大きさには驚かされる。
当時、実施された各種イメージ調査でもそれは顕著に現れている。
毎回上位にランクインしているだけでなく、韓国のある世論調査会社による“好きな女性タレント”で1位を獲得。
韓国放送広告振興公社が広告主250名に対し行ったアンケートでは、“好きな女性広告モデル”1位に、都市部に居住する6千人を対象にした“広告モデルに最も適している人物”では、3位に輝いたこともある。
加えて1999年には、オンライン上のイメージアンケートで、女優のキム・ヘスやイ・ヨンエを差し置き、約3000人のネットユーザーから圧倒的な支持を得た。
まさに、他の追随を許さないワントップの人気を誇っていたのがキム・ヒソンだ。
余談だが彼女は当時、とても勝気で生意気だったという。SBSドラマ『ミスターQ(1998)』で先輩のキム・ミンジョンと共演した際、その性格ゆえに何度も衝突したことを後に明かした。
当時キム・ミンジョンは、キム・ヒソンの唐突な言動に怒りが抑えきれず、彼女の頬に手が出てしまう。そんな2人の関係は、修復が不可能なほど悪化してしまったと伝えられている。
キム・ヒソンは、先輩や同僚から”重度のスター病”を叱責される事がたびたびあった。性格が大分丸くなった今も、変わらず韓ドラ界を牽引する女優として、第一線で活躍している。
冒頭で触れた『明日』では、演技はもちろん、髪をピンクに染めるという型破りな変身を披露して注目を集め、抜群のファッションセンスはドラマの見所の1つに。かつて、ファションアイコンとして活躍した彼女の片りんを感じさせた。
また現在配信中の『再婚ゲーム』は、公開されてからまだ数日しか経っていないにも関わらず、日本の視聴者の中には既に一気見した人がいるほどで、彼女の美しい容姿に称賛を送る声も届いている。
一世風靡した時代から20年以上が経過した現在も、変わらぬ美貌を誇り、女優として視聴者を魅了し続けるキム・ヒソンからますます目が離せない。
(構成:西谷瀬里)
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