SBSドラマ『なぜオ・スジェなのか』で、脇を固めている重鎮俳優 ホ・ジュノ。一見、強面に見える彼だが、あらゆる作品で優しさを滲ませたキャラクターを演じている。日本でも話題となったドラマ『朱蒙』や映画『シルミド』でも名演を光らせた、彼の魅力を辿ってみよう。
6月3日から韓国で放送中のSBSドラマ『なぜオ・スジェなのか』。
視聴率は徐々に上昇し、第4話では視聴率10%を記録。その後も9%台をマークし、好調な滑り出しをみせている。
この作品は、弁護士 オ・スジェと、そんな彼女を守るためなら怖いものなしのロースクールの学生コン・チャンのときめきあるミステリー法廷ドラマだ。
女優のソ・ヒョンジンと俳優のファン・インヨプが主演を務め、その脇を固めるのは数々の名優たちだ。
なかでも重鎮俳優ホ・ジュノの活躍には期待が寄せられている。
名演が光る、多作俳優
かつて”韓国一強面俳優”と呼ばれていたホ・ジュノ。
1964年4月生まれで、現在58歳(日本年齢)の彼は、1986年に映画『青ブルースケッチ』で俳優デビューしてから、実に30年以上も活躍を見せている。
20代では無名であったものの、30代前半を迎えた1990年代からは、人気ドラマで比重のある助演として活躍。本格的に顔を知らせ始めた。
ドラマでは、MBC『ホテリアー(2001)』、SBS『オールイン 運命の愛(2003)』、Netflix(ネットフリックス)『キングダム(2019)』シリーズ、JTBC『スノードロップ(2021)』など、日本でも話題となった作品に軒並み名を連ねている。
その中でも、彼の知名度を上げたのは、MBC『朱蒙 -チュモン- Prince of the Legend(2006)』だろう。
劇中、ホ・ジュノは、主人公チュモンの実父、ヘモス役を担当。ヘモスは、チュモンの立派なメンターであり、圧倒的なカリスマ性を誇る勇猛果敢な戦士だ。繰り広げる彼の活躍に、目を奪われた視聴者も多いことだろう。
また、ドラマだけでなく、映画『火山高(2001)』や『シルミド(2003)』を通じてもファンを増やしている。
実在した684部隊が起こした事件をもとに作られた『シルミド』では、韓国空軍兵のチョ・ドンイル二等軍曹役を担当。
元々は、北派工作員部隊としてキャスティングの提案を受けたのだが、命令に忠実だった北派工作員教官の人間的な姿を見せたいという理由から、工作員ではなく教官役を自ら要望したそうだ。
それが叶い、ホ・ジュノは厳しく冷静だが、事実の俗情は深いチョ・ドンイルの役割を引き受けた。
本作が空前の大ヒットとなり、韓国映画では初めて1000万人以上の観客動員数を記録する快挙を成し遂げた。
韓国で最も成功した二世タレント
実は、ホ・ジュノの父親は元老俳優で、こちらも1960年代に’強面俳優’として一世風靡したホ・ジャンガンだ。
つまり二世タレントであるのだが、彼は親の七光りで成功したのではなく、自らの演技力、実力で駆け上った人物としても知られている。
ドラマや映画はもちろん、ミュージカルでも活躍を見せており、その歌唱力は抜群だ。特に、舞台『GAMBLER ~黄金の鍵~』には10年間も出演し、日本公演も行っていた。
ミュージカル俳優の顔も持つホ・ジュノは、歌にも自信があったのか1994年にはタレントのキム・デヒと共に歌手活動をしたこともあるという。
観る者の心に焼き付くような名演を披露し続けている、ホ・ジュノ。長い芸能生活を送っているが、彼はこれまでにスキャンダルなニュースが報じられたことはなく、クリーンなイメージのある俳優でもある。韓国で最も成功した二世タレントと言われるのも納得の、実力の持ち主だ。
(構成:星野沙)
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