“韓国のゴールデングローブ賞”と呼ばれる『第56回百想芸術大賞』が幕を下ろした。輝かしい受賞者とともに視線を奪ったのは”プレゼンター”の存在だ。中でも俳優パク・ヘジュンに注目が集まっているという。果たしてその理由とは。
去る5日、国内外のドラマファンから多くの注目を集めた『第56回百想(ペクサン)芸術大賞』が幕を下ろした。
『第56回百想芸術大賞』は、2019年4月1日から2020年4月30日まで地上波・総編・ケーブル・OTT・ウェブで提供されたコンテンツや、同時期に韓国で公開された韓国の長編映画及び公演した演劇を対象とする”韓国の総合芸術賞”だ。
本年度の頂点に輝くのはどの作品でありどの俳優なのか、歴代級の大激戦が予想された中、テレビ部門では、KBS『椿の花咲く頃』が大賞の栄冠に輝いた。
また、”男子最優秀演技賞”に『椿の花咲く頃』のカン・ハヌル、”女子最優秀演技賞”はJTBC『夫婦の世界』のキム・ヒエ、”助演男優賞”は『椿の花咲く頃』のオ・ジョンセ、”助演女優賞”はtvN『愛の不時着』のキム・ソニョンらが受賞し、ドラマファンにとっては納得の、そして驚きの結果となった。
さらにKBS『椿の花の咲く頃』はこのほか”脚本賞”も受賞し、”テレビ部門大賞”、”男子最優秀演技賞”、”助演男優賞”、”脚本賞”の4冠を手にするという快挙を成し遂げている。
また映画部門では、”大賞”と”作品賞”にポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』、”男子最優秀演技賞”に『南山の部長たち』のイ・ビョンホン、”女子最優秀演技賞”に『誕生日』のチョン・ドヨンが受賞し、会場を沸かせた。
天国から招待された昨年の受賞者
多くの名優たちが出席した授賞式は、無観客で開催されたにも関わらず終始華やかな雰囲気に包まれており、そこに昨年度の受賞者が”プレゼンター”として登場し更なる彩りを添えていた。
中でも特に注目を集めたのが、プレゼンターとして現れたパク・ヘジュンだ。
JTBC『夫婦の世界』でキム・ヒエの夫役としてお茶の間の話題をさらった彼は、演技者の先輩である故キム・ジュヒョクに代わっての登場となり、昨年『百想芸術大賞』映画部門・女子助演女優賞の受賞者であるクォン・ソヒョンと一緒に授賞者としてステージに立った。
クォン・ソヒョンはパク・ヘジュンに「先輩は今年、本当に多くの人々に愛され、また憎まれ役を独り占めされたのではありませんか」とし「今日、先輩がこの場にいらっしゃった意味深い理由があると聞きました」と話した。
これに対しパク・ヘジュンは「『百想芸術大賞』は前年度の受賞者が来て授賞するものですよね。昨年はキム・ジュヒョク先輩が受賞しました。映画『督戦』をご一緒させていただきながら、先輩の演技を見て本当に優れた点をたくさん学びました。先輩のおかげで光栄な授賞式に参加することができて嬉しいです」とし「とても会いたいです、先輩」と心境を告白した。
クォン・ソヒョンも「先輩が演じたすべての瞬間が懐かしいです」と語り、助演男女賞候補を紹介した。
2017年に原因不明の交通事故でこの世を去った、名優キム・ジュヒョク。
昨年『百想芸術大賞』・映画部分で”助演男優賞”を受賞した故人が授賞者として招待され、代わりに後輩であるパク・ヘジュンがステージに上がった、という切ないシーンだった。
パク・ヘジュンが敬愛する、俳優キム・ジュヒョクはどんな演技者だったのか。
[nextpage title=”(次)俳優 キム・ジュヒョクの生前を振り返る”]
俳優キム・ジュヒョクの魅力
キム・ジュヒョクは日本でも多く愛された、韓国を代表する実力派俳優だ。
俳優二世として誕生した彼はドラマの端役で出発し、独立闘士、財閥2世、失業者など、様々なジャンルで多様な役どころを演じるなど、映画やドラマを行き来しながら安定的な演技を披露してきた。
映画『シングルス』(2003)や『どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン』(2004)などで名を知らしめた後、SBSドラマ『プラハの恋人』(2005)の好演により絶大な人気を得た。同時に国外での知名度も上げ、日本をはじめ海外での人気を確固たるものにしている。さらに本ドラマで『第42回百想芸術大賞』のテレビ部門”男子最優秀演技賞”を受賞し、俳優として大きく飛躍した。
以後、『青燕』(2005)、『愛なんていらない』(2006)などの映画作品に引き続き出演し、ソン・イェジンと呼吸を合わせた『妻が結婚した』(2008)では、『第29回青龍映画賞』の”主演男優賞”にノミネートされた。惜しくも受賞こそ逃したものの、作品で見せてくれた甘いカップルの演技により”ベストカップル賞”を受賞している。
俳優として成功を見せた頃、KBSバラエティ番組『1泊2日 シーズン3』(2013)に出演し、渋い演技派とは対極的な笑いを誘う親しみある”アニキ”キャラを炸裂させ、大衆の知名度をさらに引き上げた。2014年の『KBS芸能大賞』では”娯楽部門新人賞”、2015年には”バラエティ部門最高エンターティナー賞”を受賞するなど、新しい魅力を開花させた。
その後、スクリーン再開作である『ハッピーログイン』(2016)でパートナー役のチェ・ジウと抜群のケミストリーを見せ、『ビューティー・インサイド』(2015)、『荊棘の秘密』(2016)、『あなた自身とあなたのこと』(2016)と続けざまにスクリーンを賑わせ、精力的に演技活動を行った。これらの作品で多様な役どころを披露し、国内外から多くの称賛を浴び、俳優としての地位をさらに高めている。
だが、2017年10月30日。絶大な人気を誇る中、原因不明の交通事故により若くしてこの世を去ってしまった‥。
演技人として更なる実力が開花した矢先の訃報であったため、韓国芸能界だけでなく国中が大きな衝撃と大きな悲しみに暮れ、彼の早すぎる死を惜しみ嘆いていた。
輝かしいフィルモグラフィーを残し、多くの俳優たちが尊敬する名優キム・ジュヒョク。
卓越した演技力を持ち、一人の人間として優しさとユーモアに溢れていた彼がもし今回の授賞式に参加していたら、後輩たちにどのような祝辞を贈っただろうか。
その答えは彼の数々の名演技が示しているように思う。
백쌍 캐준
피지컬 외모 목소리 전부 다 와우😭 pic.twitter.com/S6uAL3YUOR— 람 (@egaemuRAM) June 5, 2020
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