ヒョンビン主演のドラマ『愛の不時着』は今も世界的にヒット中。リピート視聴している人も続出しているそうだ。すでに大スターであるだけに、次期作の視聴率、話題性を見積もって(?)当然だが、ヒョンビンには今まで作品性や自分の可能性を広げるために出演を決めたドラマがある。思わしくない視聴率でも、多くのマニアを量産、メディアからも好評を受けた3作品を紹介する。

『アイルランド』(2004)

韓国ドラマ『アイルランド』

ドラマ『アイルランド』(画像出典:iMBC.COM MBC『アイルランド』HP)

若手スターとして知名度を上げていたヒョンビンが難しい芝居に挑戦したドラマで、演技に厳しい韓国視聴者からも好評を得た。彼としてはかなりの冒険を試みた作品だ。

韓国に向かう機内で、ボディーガードのグク(ヒョンビン)はジュンア(イ・ナヨン)と出会う。韓国語を話しながらも、自分はアイルランド人だと言うジュンア。そんなジュンアのことがソウル到着後も気になっていたグクだったが、自分が働くソウルのホテルで偶然ジュンアと再会。ジュンアは3歳の頃、アイルランド系アメリカ人に引き取られた養子だった。

医大を卒業してインターン期間中、ジョンアは自分の家族が殺される現場を目撃するが、動揺したジョンアは何もできず後悔していた。そんな自分のことを「家族を殺したことがある」と話す。グクはジョンアの気持ちを察し「殺したわけではなく、助けることができなかったんだろう」と諭す。1年後、2人は結婚する‥。

ドラマ『アイルランド』

イ・ナヨン演じるジュンアとヒョンビン演じるグク(画像出典:iMBC.COM MBC『アイルランド』HP)

一方、失業中のジェボク(キム・ミンジュン)は、売れないAV女優のシヨン(キム・ミンジョン)の家に転がり込んでいた。そんな時、偶然すれ違ったジュンアとジェボクは、その瞬間からなぜかお互い惹かれあっていた―。

ドラマ『アイルランド』

キム・ミンジョン演じるシヨン(左)とキム・ミンジュン演じるジェボク(画像出典:iMBC.COM MBC『アイルランド』HP)

難解なセリフも多いが、独特な4人のキャラクターが持つ心の傷に感情移入しながら不思議と最後まで引き込まれる作品だ。

『雪の女王』(2006)

ドラマ『雪の女王』

ドラマ『雪の女王』(画像出典:namu.wiki)

よりによって同時間帯に大ヒット時代劇『朱蒙(チュモン)』が‥ しかし、ネットで若者中心に大きな話題に! キム・サムスンのヒット後、御曹司のイメージを捨て、トラウマを持つ青年に果敢に挑戦した作品だ。

貧しい家庭で育ったが、ささやかな幸せを夢見ていたテウン(ヒョンビン)。数学の才能に恵まれていた彼は、優れた成績でエリート校の韓国科学高校へ入学する。IQ180の天才少年ジョンギュとはライバルながらも親友になり、2人で数学オリンピアードの代表に選ばれていた。そんなある日、図書館で『雪の女王』の本を売ってほしいとせがむ少女に出会う。ボラ(ソン・ユリ)はテウンにポケベルを渡し、テウンはボラと再び会う約束をするが、そんな矢先にある悲しい事故が起き、約束を果たすことなくテウンは姿を消してしまう。

それから8年後、罪悪感から名前をドックと変え、ボクシングジムのスパーリングトレーナーとして働くようになったテウンだったが、友人を見舞った病院で、裕福な家庭で育ちながらも、難病を抱え、大切な人を失った心の傷が原因で、わがままに振舞う令嬢ボラと運命的な出会いをする。

ドラマ『雪の女王』

ヒョンビン演じるテウンとソン・ユリ演じるボラ(画像出典:KBS)

キム・サムスンの時は、前髪をアップにし、キリっとしたルックスの御曹司役だったが、この作品では前髪を下ろし暗いイメージのボクサー役に挑み、その涙の熱演で多くの女性の心を揺さぶった。裏番組が『朱蒙』でなければ、もっと高い視聴率を獲得していただろう。

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『彼らが生きる世界』(2008)

ドラマ『彼らが生きる世界』

ドラマ『彼らが生きる世界』(画像出典:KBS)

“視聴率ブラックホール”と呼ばれるノ・ヒギョン作家の作品で、高校の教科書に載せられるほど名作になった。

テレビ局で働くドラマ監督ジュニョン(ソン・ヘギョ)は、新人ながらも放送業界から最も注目を浴びていた。同じドラマの制作現場で働いているジオ(ヒョンビン)は、確実に視聴率を取れると言われる実力派のドラマ監督で、ジュニョンの元恋人だった。

ドラマ『彼らが生きる世界』

ヒョンビン演じるジオとソン・ヘギョ演じるジュニョン(画像出典:KBS)

ある日ジュニョンは、外科医の恋人ジュンギ(イ・ジュニョク)のために誕生日パーティを計画。準備中に同僚が撮影したテープに問題が発覚し、急遽ジュニョンは現場に戻ることになるが、無理な演出をして、スタントマンに怪我させてしまう。疲れて家に戻るとジュンギはブチギレ。このことが原因で別れることになった辛い気持ちをジュニョンはジオに打ち明けるが‥。

視聴率は決して高くなかったが、刺激的な展開がなく、明確なヒール役もいないいわゆる”善良なドラマ”という評価を受けた。また、同じテレビ局を舞台としたドラマ『オンエアー』(2008)と比べられもしたが、『オンエアー』が人々の派手な競り合いをメインに描いているとしたら、このドラマは人々が頼り合いながら生きていくドキュメンタリーのような作品だ。このドラマの共演をきっかけに、ヒョンビンとソン・ヘギョは実生活でも一時恋人同士になった。

ヒョンビンは映画『レイトオータム』(2011)など、映画も数作、作品性に魅了されたり、自身の可能性を試したりするために出演を決めた作品がある。次回作は映画『交渉』、ベテラン俳優ファン・ジョンミンとW主演を務める。またひと味違ったヒョンビンの演技に期待したい。



ヒョンビン

韓国の人気俳優ヒョンビン(ハングル 현빈)。1982年9月25日生まれ。

2003年にKBSのテレビドラマ『ボディガード』(2003)でデビュー。

2005年にMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』(2005)で大ブレイク。韓流スターとして、韓国や日本、中国をはじめアジア全域で人気を博している。

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