Netflix新作オリジナルシリーズ『マイネーム: 偽りと復讐』の主演を務めたハン・ソヒが、韓国メディアのインタビューに応じた。彼女は、多くの視聴者の賛否を招いたあのラブシーンについて、その意味と心境を語ったのだが‥。
『Sweet Home -俺と世界の絶望-』『D.P.-脱走兵追跡官-』『イカゲーム』など、Netflix(ネットフリックス)が手掛ける韓国ドラマ(オリジナルシリーズ)の勢いは、目を見張るものがある。
野球に例えるなら、連続打席ヒットかホームランの量産だ。
そして10月15日に公開された、新オリジナルシリーズ『マイネーム:偽りと復讐(以下、マイネーム)』は、韓国ノワールの秀作として、多くの視聴者を魅了している。
韓国の有力日刊紙である中央日報によると、同シリーズは10月17日から20日まで、Netflixワールドワイドコンテンツ順位で世界4位を記録したという。”『イカゲーム』旋風”がまだ収まらないうちに、Netflixのグローバルヒット作リストに、堂々と仲間入りを果たしたのである。
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大ヒットの主役はもちろん、本作の主人公として、強烈なアクションと悲哀漂う演技を披露したハン・ソヒだ。
彼女は、男性を制圧できるほどの武道に長けた女性を演じるため、ドラマ『夫婦の世界(2020)』や『わかっていても(2021)』で見せた、繊細で妖艶なイメージを完全に払拭。
そのため、10kgの増量に加えて、高難易度のアクションに耐えるためのトレーニングに励んだという。実際、多くの視聴者が選ぶ『マイネーム』の醍醐味は、自分よりもひと回り以上大きな男性を倒すハン・ソヒのアクションだ。
ハン・ソヒは、最愛の父を失い復讐のため生きる女性を「どう表現すればいいのか」と、苦悩したという。しかし劇中のハン・ソヒは、悲しみと怒りを胸に秘め、他人にその感情を絶対に見せないジウを、完ぺきに演じ切っていた。
そんな彼女が、韓国メディアとのインタビューで、撮影中の心境を素直に打ち明けた。
韓国ドラマの制作過程でよく見られる、台本修正という”癖”に触れ「撮影中盤、台本の修正が行われたと聞き、”このシーン”については監督もそうだし、私とアン・ボヒョンさんもすごく悩んだ」と語る。
“このシーン”とは、第8話で登場する、ジウとピルト(アン・ボヒョン扮)のラブシーンである。
父を殺した犯人を捜すため、警察に潜り込んだジウと、そんなジウの秘密を知った、麻薬捜査班の先輩であるピルトのラブシーンを巡っては、「突拍子もないシーンだ」「演出意図はわからなくもない」と、視聴者の間で賛否が巻き起こったシーンだ。
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ハン・ソヒは同シーンについて、「復讐のために警察に潜入したジウの”信念”に、ブレーキがかかるのではないか? 彼女の”目標”を妨げるのではないか?(と悩んだ)」
ジウが、理性で”愛”を感じてしまうというシーンは、彼女を見守ってきた視聴者に対して、説得力をも失いかねない恐れがあった。
しかし彼女は、そのシーンこそ、復讐に燃える”怪物”以前に、誰かと感情を分かちあいたいという本能を持つ、1人の女性であることを表現できると思い、その不安を振り切ったという。
「このシーンは、ジウの持つ人間らしさが表現できる、唯一のシーンだと思った。ピルトに対して“愛”の感情はなかったと思う」「彼女も人間の感情を持っているということを、表現するシーンだと解釈している」と、アン・ボヒョンとのラブシーンの持つ意義を伝えた。
前作『わかっていても』で、演技力議論に巻き込まれた上に、視聴率にも恵まれなかったハン・ソヒ。
『マイネーム』の大ヒットは、彼女が背水の陣で挑んだ結果であることは、誰一人否定することはできないだろう。
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