日本では、南陽乳業と言えば”ファン・ハナ”という印象が強いだろう。今回、南陽乳業が”新型コロナウイルス”に関連した内容で、新たな危機を迎えている。

ファン・ハナは、韓国の大手乳業メーカー・南陽乳業創業者の孫娘であり、多くのセレブや有名人がさまざまな被害にあってきた”お騒がせ女”としても有名だ。

今月7日、執行猶予期間中に麻薬と窃盗容疑で拘束されていたファン・ハナが、裁判で公訴事実をすべて否認。

これまでも彼女に関する報道が起こるたび、南陽乳業の株価に影響を与えイメージは急降下していたが、再びその先行きに赤信号が灯りはじめていた。

ファン・ハナは南陽乳業創業者の孫娘

韓国芸能界のトラブルメイカーとして有名な南陽乳業創業者の孫娘ファン・ハナ(画像出典:MBCNEWS Youtube)

しかしその南陽乳業が13日、自社の発酵乳製品『ブルガリス』が、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス効果があることを発表し、注目を浴びた。

それは、現在も勢いの止まらない新型コロナウイルスに『ブルガリス』を直接注入したところ、ウイルスが77.8%も減少したという内容。

この発表を受け、「『ブルガリス』が新型コロナウイルスに効く」という噂が一気に広まり、一時この商品が品切れになる事態にまで発展。

また会社の株価は前日比で8.57%高い38万ウォン(約37,000円)で取引を終え、時間外取引ではさらに10%以上高い41万8000ウォン(約40,500円)まで上昇し、強い影響を与えた。

これにより南陽乳業に対するイメージ回復の兆しが見えたが、再び事態は一転する。

この研究結果に対し、専門家からは「動物を対象にした実験である上、乳酸菌を肺に適用させた点など”非常識”」という指摘が相次ぎ、食品医薬品安全処が”食品表示広告法違反”の疑いで告発したのだ。

そして、「コロナをビジネスに利用した」という厳しい視線を浴びることになり、再び株価は下落してしまった。

現在はオンラインコミュニティーやSNSなどに「南陽乳業のものは買わない」という書き込みが殺到し、不買運動まで起こっているようだ。

結局、南陽乳業は16日「(発表内容が)人体に対する臨床試験ではなく、細胞の段階での実験において、効果を断定することができないのにもかかわらず、消費者の誤解を招いた点、あらためて謝罪する」と謝罪文を出した。

謝罪文を出した南陽乳業

南陽乳業は謝罪文を出した(画像出典:JTBC News YouTube動画キャプチャー)

韓国の保健当局は、”食品表示広告法違反”の疑いで細胞実験を行った世宗(セジョン)工場に対し、来月から2カ月間の営業停止命令を下している。








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