アメリカや日本などの海外で成功をおさめる事例が続いてるJYPエンターテインメント。中でも事務所の看板アイドルTWICE(トゥワイス)は、新たな戦略で老若男女のファン層を取り込み、快進撃を見せている。
日本では『Nizi Project』で、ここ最近すっかり著名人となったJYPエンターテイメントの首長 パク・ジニョン。
芸能界入りのきっかけはアーティストだったパク・ジニョンは、リズミカルな曲と華麗なパフォーマンスで一躍スターダムにのし上がった。
90年代後半からは、本業である歌手活動の傍ら、プロデューサーとしての能力も発揮。彼が世に送り出したスターやヒット曲の数は無数にも及ぶ。
戦略家のJYP
![『Nizi Project』パク・ジニョン](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/05/ni200513-2-1024x1024.jpg)
『Nizi Project』で活躍しているパク・ジニョン(画像出典:Nizi Project Instagram)
BTS(防弾少年団)の生みの親--パン・シヒョクは「パク・ジニョンからプロデュースのA to Zを学んだ」と告白、パク・ジニョンを師匠として慕うほど。
パク・ジニョンの凄さは、単にプロデュースと作曲能力だけでない。彼は”戦略家”として優れた広報手腕も披露している。まず、過去にパク・ジニョンの戦略の柱となったのは”ワールドスター戦略”だった。ポップの本場アメリカに進出し、大々的にその成果をアピールするという戦略だ。それはWonder GirlsがBillboardにチャートイン(最高順位-76位)を果たしたこと、Rain(ピ)がハリウッド映画に出演したということを、まるでアメリカで旺盛に活動をしていて、高い人気を誇っているような”錯視効果”を狙ったもの。
これは韓国を始め、アジアでのブランド価値を上げる戦略である。実際は、残念ながらBillboardにチャートインしたWonder Girlsも、ハリウッド映画に出演したRainも、アメリカ国内での知名度はさほど高くなかったのである。
![米Billboard Wonder Girls](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/06/wondergirls0609.jpg)
2012年、米Billboardのホームページに紹介されたWonder Girls(画像出典:billboard.com スクリーンショット)
アメリカではなく畑へ..
![『6時、私の故郷』に出演したTWICE](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/06/TWICElim-0609-2.jpg)
『6時、私の故郷』に出演したTWICE(画像出典:KBS Twitter)
“ワールドスター戦略”は、実体のないイメージ管理の限界やファン疲れなどにより弾け始める。韓国とアジアで積み重ねた実績と、アメリカでの実績の間に乖離は広がる一方だった。00年代に横行した”ワールドスター戦略”は違和感を訴えるファンが増え、その副作用を感じ取ったのか、JYPは韓国及び日本を始めとするアジア市場に専念するようになった印象が見受けられる(もちろん、パク・ジニョン本人の世界進出の野望は更に燃え上がっていると思うが..)。それからはむしろ、各段とアップした音楽レベルで世界の人々を魅了している。
そんな“世界進出”という広い視野を持つパク・ジニョンが、次に目をつけたのは“畑”だった。
年配層もファンに取り入れた成功的な戦略
![年配層もファンに取り入れたTWICE](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/06/TWICElim-0609-1.jpg)
年配層もファンに取り入れたTWICE(画像出典:KBS)
TWICE(トゥワイス)は、デビュー初期から韓国と日本を行き来して活動し、多くの人気を受けてトップグループとしての地位を築き上げてきた。
特に若い層から絶大な人気を誇る彼女たちが、6月1日に新曲『MORE & MORE』でカムバックした際、最初に出演した番組がKBS 1TV『6時、私の故郷』だった。
全国民を相手に、それも年配の方々を相手にする番組であったため、大衆たちの関心は一気にTWICEに傾くことに。
6月8日に放送された『6時、私の故郷』では、楊坪(ヤンピョン)のゴマ畑を訪問するTWICEの姿が公開され、この日現場に到着したTWICEは、ガールズグループで初めて畑でコンサート(?)を開催。
[nextpage title=”(次)TWICEの畑コンサートの模様とは?”]
もんぺ姿も可愛く着こなした彼女たちは、華やかなステージで見せる姿とは違い、まるで町内にいるような親近感のある姿を披露して視聴者たちを笑顔にした。
放送関係者によると「炎天下での撮影になり、非常に大変だったにもかかわらず、TWICEのメンバーは疲れた素振りを一切見せず、明るく撮影に臨んでいて感動した」という。
『6時、私の故郷』への出演により、TWICEは若い層だけでなく“老若男女”全所帯に魅力を広めて、番組としても新しい視聴者層を獲得できる良い機会でもあったと、シナジー効果を実感している。
国民的アイドルとなったTWICE
最上級のガールズグループらしく、地上波とケーブルチャンネルの音楽番組出演や、ラジオのゲスト、バラエティー番組出演と、マルチに大活躍のTWICE。
K-POP界の競争は、アイドル本人たちだけでなく、制作やプロデューシング インフラ能力も必要とされる。
また“国民的アイドル”になるには、老若男女問わず人気と知名度が必要で、メンバー同士の絆が深いことが絶対条件とされるが、これまで若い層をメインに愛されてきたアイドルが、『6時、私の故郷』に出演したことで年配層にも顔とグループ名が知れ渡り、パク・ジニョンによる成功的な戦略だったと言える。
“国民的アイドル”という明確な修飾語を手に入れたTWICEと、斬新な企画でもしっかりニーズを把握しながら常に新しい挑戦を続けてビジネスを拡大していくJYPが、今後どのような活躍を遂げていくのか、さらなる歩みに期待がかかる。
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戦略家に要される能力がある。
ビジネスの規模を大きく成長させ、より多くの消費者を獲得し、ライバルたちより優位を占めるような戦略を練らなければならない。
世界、アメリカではなく、農村や畑という新天地(?)で親近感という戦利品を手に入れたパク・ジニョンは、見る人の舌を巻かせる本物の”戦略家”だ。
『6時 私の故郷』に出演したTWICE(動画出典:Youtube KBS Life)
TWICE
TWICE (トゥワイス / ハングル 트와이스)は、2015年に韓国の音楽専門チャンネルMnetで放送されたサバイバルオーディション番組「SIXTEEN」を通して選ばれた9人のメンバーによって結成された。
グループ名の「TWICE(トゥワイス)」には、「良い音楽で一度、素敵なパフォーマンスでもう一度感動をプレゼントする」という意味が込められている。
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