アイドルグループとして、長きに渡りK-POP界をけん引してきた6人組ボーイズグループ神話(SHINHWA)。SMエンターテインメント離脱後、メンバー全員で会社を立ち上げ順風満帆な活動を行っていると思われていた彼らの、突然の不仲説が浮上した。その背景について、少し探ってみたい。
長寿グループ、神話(SHINHWA)のメンバー間で突然の不仲説がK-POP界に浮かび上がり、大衆を驚かせている。

再び神話6人揃った笑顔が見られる日が来る事を祈って…。(画像出典:神話 公式Facebook)
グループのリーダーであるエリックは今月14日、自身のインスタグラムで「キム・ドンワンが6年もの間、自身からの連絡を避けるどころか疎通を遮断、公開狙撃などの政治的行為を行った」と明かした。
「しかも僕に帰ってきたのは、僕や家族に関する過度な非難だけだった」と、オンラインコミュニティーのユーザーへの不満も吐露、「なぜ僕に直接言わず、オンラインコミュニティーに書き込むんだ。公式にメンバーを攻撃して、一体何が得られるんだ」と、憤りを隠さなかった。
そしてこの書き込みの後、キム・ドンワンもSNSを更新。まずファンへ驚かせた事を謝りつつ、「僕にとって、神話の活動は最も重要で、楽しさとやりがいを感じるものだ。いつも6人の意見を調整して、メンバー全員が満足する結果を生み出している。もっとコミュニケーションを取ってくれたら、こんな経験せずに済んだのに、残念だ。明日メンバーと会って、頑張って話してみる」と大人の対応で応戦。
すると再びエリックも反応し「個人活動に重点を置き、それを神話に還元すると言って、グループ活動と日程に被害を与えたが、ファンには優しく接していたヤツ。僕が6人で話し合おうと言っても、スケジュール公開が合わせられないと言って先送りにされ、(キム・ドンワン以外の)5人で話し合ったのが全てだ」と綴り、さらに「この何日かClubhouse(クラブハウス:招待制の音声SNSアプリ)で新たな部屋を作って、メンバー全員が合意したわけでもなく、聞いたこともない内容を神話公式窓口のように話し、昨日は『自分ではないが神話活動に意志のないメンバーのせいで自分の言った活動を守れない』と言ったんだって? 証拠の残らないツールでその話をするのは極めて卑怯。神話の活動に、本当に被害を与えたのは誰なのか。制作スタッフに聞いてみたいものだ」と、キム・ドンワンを激しく批判した。
この一連のやりとりを目撃したネットユーザーは、個人間のやり取りではなく、誰もが目にする事のできる場所に内部事情を記載したキム・ドンワンに対して、比較的大きな批判的見解を示している。

韓国の唯一無二の長寿アイドルと呼ばれた神話。(画像出典:神話 公式Facebook)
神話は、1998年にSMエンターテインメント(以下、SM)よりデビュー。2003年に契約が満了になると、6人揃ってSMを離れ、同社で苦楽を共にしたスタッフと『グッドエンターテインメント』を設立。しかし無理な事業拡大をしたために経営が傾き、自動車会社に合併され『GOODEMG』という一部門へと降格してしまう。
これが一因で、神話は事実上グループ活動が困難となり、メンバーは個人活動のための所属会社探しに奔走。そして2008年からメンバーは軍入隊期間に突入し、会社は空中分解という結果に。
全員が兵役を終えると、神話の活動を再開するため本人たちが直接資本を投資して企画会社を設立。2011年に『神話カンパニー(代表はエリックとミヌ)』が誕生した。
『神話カンパニー』はグループ活動のみを担う所属事務所であり、『グッドエンターテインメント』解体の際、それぞれが締結した個人活動のための所属事務所は、そのまま継続となっている。また個々の事務所との契約内容には”最優先事項は神話の活動とする”とあり、それに賛同された形であった。
しかし、個人活動のための事務所に所属している事から、メンバー間の人気格差が徐々に出始める。エリックは、MBC『火の鳥(2004)』『新入社員(2005)』で俳優として活躍し、新人賞を受賞するなどドラマファンにも知名度を広げ、tvN『また!? オ・ヘヨン ~僕が愛した未来~(邦題:2016)』では、ケーブルチャンネルながら異例の人気を集め、話題となった。
対するキム・ドンワンも、KBS『悲しみよ、さようなら(2005)』『がんばれ、ミスターキム!(2012)』などで主演を務め、俳優としてもエリックと同等に精力的に活動、並行してミュージカルやMCなども引き受け、多彩な一面を見せている。

エリックとドンワン、2人が分かり合える日は来る?(画像出典:神話 公式Facebook)
あくまでも対外的、客観的な見解をするならば、エリックは常日頃から「神話の活動ありきで俳優活動をしている」とインタビューで言及しているだけに、ファン以外の持つ印象としては、エリックに分があると見ても違和感はない。
ただキム・ドンワンは個人事務所を構えており、自身の活躍が会社収益に直結するため、個人活動に力を入れるのも理解はできる。
この背景が、今回の一連の不仲説に直接関連があるかどうかは不明だが、本来ならば隠すべき内部の不和を、公共の場に引きずり出さなければならなかった背景に、深く大きな溝を感じずにはいられない。
韓国では『7年目のジンクス』という言葉があるほど、契約更新時にはメンバー編成が変わる可能性を大いに秘めているだけに、神話は奇跡とも言われている長寿アイドルグループだった。それだけに、今回の騒動は少し悲しい出来事を目にしてしまった感が否めない。
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