左からヘリ、リュ・ジュンヨル、ハン・ソヒ（写真提供：©TOPSTASR NEWS）

スターカップル誕生に議論は付き物だ。

スターに対する失望やファン同士のバトルが大半だが、意外な展開を見せるカップルもある。

3月16日に交際を認めたリュ・ジュンヨル、ハン・ソヒカップルだ。

リュ・ジュンヨルはかつて、アイドルグループGirl’s Dayのメンバーヘリと交際していたものの、昨年11月に破局が報じられたため、韓国ネットでは“乗り換え恋愛”を疑う声も拡散した。

この議論に油を注ぐかのように、ヘリが「面白いね」と自身のインスタグラムに投稿。これにハン・ソヒが、包丁の写真を掲載し「乗り換え恋愛系のバラエティー番組は好きだけど、私の人生には該当しない。私も面白いですね」と応手したのである。

ハン・ソヒの反応がヘリに対する憤りか、憶測に対する警告なのかは不明。ただ韓国ネットでは、“新旧彼女バトル”という構図が出来上がり、人々は面白げに観戦(？)している模様だ。

そして、リュ・ジュンヨルにも火が飛び、彼に対して「*沈黙を貫いて議論を幇助している」との批判が巻き起こっている。

*リュ・ジュンヨルは、3月16日に所属事務所を通して交際を認めている。

もはや当事者の一言が更なる憶測を呼んでしまうだけに、リュ・ジュンヨルの個人的な沈黙は十分理解できる。事態の”沈殿”を待つのが賢明なのかもしれない。が、リュ・ジュンヨルに対する糾弾は次第に増えている。

リュ・ジュンヨルへの非難‥アンチファンの存在

では、リュ・ジュンヨルへの非難はなぜこんなにも膨らんでいくのだろうか。

最初は、韓国芸能界を代表する美人スター2人とのスキャンダルへの妬みと思われたが、それには意外な理由が潜んでいた。

現在非難の声を上げるネットユーザーは、彼のアンチファン。特にリベラル思想が強い一部のコミュニティで活動するユーザーと見られる。

ここで韓国ネットのリベラル派コミュニティの特徴を抑えておきたい。

韓国のリベラルコミュニティは、

・女性ユーザーが多い。
・リベラル派の政党を支持し、保守派政党を極端に嫌う傾向がある。
・移住労働者や女性など、社会的弱者の声を代弁する。

といった特徴があり、保守派コミュニティの代表格である“イルベ”と常に対立してきた。

*イルベ：“日刊ベストストア”の略語。ユーザーは男性が多く､その保守的な傾向から「韓国版ネット右翼の巣」と呼ばれる(意味出典：ピクシブ百科事典)

発端は過去にSNSに掲載した1枚の写真

では、なぜリュ・ジュンヨルはリベラル派コミュニティを敵に回したのだろうか。

それは、リベラル派コミュニティが彼をイルベ会員と決めつけているため。リュ・ジュンヨルは2015年11月に「母のお使いで豆腐を買いにいく途中」と、ロッククライミングをするような写真をSNSに掲載したが、それがノ・ムヒョン前大統領(1946-2009)の死去を嘲笑する、イルベの悪質ないたずらと類似するという憶測を呼んでしまう。

リュ・ジュンヨルが2015年11月に掲載した問題の写真（画像出典：韓国メディアノーカットニュース）

韓国のリベラル派が最も尊敬する政治家、ノ前大統領は、任期を終えた翌年の2009年5月に汚職嫌疑を向けられたため、自宅周辺の崖で自ら飛び降り自殺をした。死因は“頭部外傷”。つまり頭部に大きな怪我を負い、死亡に至ったのである。

イルベのユーザーたちは、ノ前大統領の顔写真に*豆腐を合成し、その死を嘲笑するなど、イルベサイトには見るに堪えないいたずらが横行したのである。

*韓国語で「豆腐」と「頭部」は、同じ発音「ドゥブ」と読まれる。

つまり、ノ前大統領の死去を悲しみ、イルベのいたずらを糾弾していたリベラル派コミュニティユーザーが、リュ・ジュンヨルがSNSに掲載した写真とコメントに登場する「崖」と「豆腐」で彼をイルベ会員と認定してしまったのだ。

これに対し当の本人は「イルベとは関係ない」と否定し、彼の俳優仲間も「彼はそんな人ではない」と擁護の声を出し援護したものの、根拠もない枠はめ的な噂は歯止めがかからなかった。

決まって登場した“イルベ”というワード

今回、ハン・ソヒとの交際報道を受け、一部のコミュニティサイトには、決まって“イルベ”というワードが登場している。もちろん、リュ・ジュンヨルに対するネガティブな表現一色である。

彼が今回の交際報道に対してコメントを控えている理由も垣間見える気がする。偏向を持つ大衆に餌を投げて更なる議論を作るより、事態を静観するのが賢明な選択肢なのかもしれない。

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