7月12日、日韓中継で行われた記者会見にパク・ジニョンとNiziUが登場し、『虹プロジェクト』男性版の始動を公式発表した。これを受け、日韓のネットでは、冷ややかな反応も多数寄せられているが‥。

オーディション職人、アイドル育成の達人‥。

そんなふうに呼ばれているK-POPシーンの重鎮、パク・ジニョン(J.Y.Park)。

パク・ジニョンはJYPエンターテインメントの総括プロデューサー

JYPエンターテインメントの総括プロデューサー、パク・ジニョン(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

世界的なK-POP人気を牽引している*BIG4の一角、JYPエンターテインメント(以下、JYP)の総括プロデューサーであり、実質的な首長である。

*BIG4:HYBE、SMエンターテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメント

2015年に輩出したTWICE(トゥワイス)を、名実ともに、K-POP代表のガールズグループに育てあげ、日本では現在、”国民的ガールズグループ”に最も近いとされるNiziU(ニジュー)を誕生させた。

彼自身も、独自の”育て方”で大衆の心を掴み、日韓で高い人気と影響力を持つ”大物”である。

そんな彼が、得意分野とされる”育て方”を再び披露しようとしている。

『虹プロ2』の始動を公式発表

『虹プロ2』が始まる

『虹プロ2』の始動開始!(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:JYPエンターテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント)

7月12日、日韓を結んだ中継でパク・ジニョンは、昨年大ヒットした『虹プロジェクト(以下、虹プロ)』の男性版始動を公式発表し、日本の音楽ファンの間で大きな話題となっている。今回も、ソニー・ミュージックエンタテインメントとタッグを組み、昨年の熱気をつないでいくものと見られる。

今年11月と12月に、日本各地でオーディションが行われ、その具体的な日程も公表。

そんな新プロジェクトに対し、日韓のネットでは、期待の声が寄せられている反面、冷ややかな反応も多数ある。理由は様々だが、その多くは、精力的な”新人発掘”が、デビューしたアイドルの迷走につながるのではないかという懸念のようだ。

パク・ジニョンは現在、韓国で『LOUD:ラウド』というオーディション番組に出演し、男性アイドルのメンバーを選抜している。平均視聴率は全国基準で5~6%程度、オーディション番組にしては善戦していると評されている。

(関連記事)‘LOUD:ラウド’ パク・ジニョンとPSY、’江南スタイル’にまつわる2人の因縁の過去

現在、オーディション番組『LOUD:ラウド』に出演しているパク・ジニョン

パク・ジニョン(左)は現在、オーディション番組『LOUD:ラウド』に出演している(画像出典:SBS『LOUD』公式HP)

国は違えど『虹プロ2』と『LOUD:ラウド』は、男性新人アイドルの輩出という共通した目的を持っている。『LOUD:ラウド』の放送真っ最中に、『虹プロ2』のローンチを発表するのは、『LOUD:ラウド』の話題性を薄めてしまうという意見が聞こえるのもそのためだ。

そして、7月9日には、新たなガールズグループのデビュー(2022年2月)を予告しており、韓国ファンの間では「しっかりした事務所の支援と、話題性確保が難しくなるのでは?」と危惧する声も。

(関連記事) JYP 新たなガールズグループをローンチ?SNSに’7月16日グランドオープン’の文字

既存アイドルへの影響は?

TWICE

TWICE(画像出典:TWICE公式FaceBook)

Stray Kids

Stray Kids(画像出典:Stray Kids公式FaceBook)

音楽ファンの心配は、”デビュー組”だけに及んでいるわけではない。既にデビューして、活発な活動をしているアイドルにも及んでいる。

韓国のオンラインコミュニティーでは「どれだけ増やす気?」「身の丈に合ってない」という厳しい意見も多数寄せられている。

特に今年、契約更新が不発に終わったGOT7(ガットセブン)の余韻がまだ残っているせいか、JYPは既存アイドルへの待遇や支援より、”新人発掘”に重きを置いている、という印象を受けるファンも少なくない。

日本を拠点に活動しているNiziUに関しては、”バブル崩壊”を占う人が続々登場しており、日韓ファンは「彼女たちにもっと力を入れるべきだ」と口を揃える。

もちろん、事務所に多くの顔ぶれを備える(もしくは、備えたい)のは、至って当然な思想だ。SMエンターテインメントやYGエンターテインメントの場合だって、多数のスターを保有し、活動させている。

しかし何故か、JYPやパク・ジニョンだけに、厳しい声が集まる。その理由は、多数のスターを育成、管理、支援できているという”力量”が見えないからではないだろうか?

***

企業は成長のために、ヒット商品の成功に安住し、依存してはならない。

新たな戦略と、商品の新開発は、企業にとって死活問題でもある。

しかし、”アイドル産業”の商品は、彼、彼女たちの声が収録されたCDや、彼らの顔がプリントされたグッズだけではない。長い時間をかけて、ファンがアイドルとともに育んできた”気持ち”、”思い”、”声援”も、商品を左右させるものなのだ。

ファンが抱える不安、そして今後も絶えないであろう不満を払拭するためにも、(上述したように)ファンを安心させる”力量”を兼ね備えながら、ファンの心に寄り添う戦略作りが必要不可欠である。








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