最近、韓国で社会問題に発展している”校内暴力”。報道の中でよく耳にする”一陣(イルジン)”という言葉は、日本の漫画から取られたという説もあるようだ。(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

韓国芸能界を一撃し、社会問題にまで発展するほどイシューになっている校内暴力といじめの暴露問題。

芸能人やスポーツ選手を相手に”校内暴力”の暴露が相次ぎ、今までに俳優パク・ウンソクやチョ・ビョンギュ、歌手チン・ダレ、Yoari(ヨアリ)、K-POPガールズグループ(G)I-DLE(ジーアイドゥル)のスジン、APRIL(エイプリル)のナウンなど、論議の標的になった有名人は相当数で、彼らに対する暴露は今もなお続いており、騒動がなかなか収まらない状況となっている。

スジンやチョ・ビョンギュが暴露の標的になった

暴露の標的になった(G)I-DLE(ジーアイドゥル)のスジン(左)、チョ・ビョンギュ(右)(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

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これらの報道を見ていると、オンラインコミュニティー上で有名人たちの校内暴力を暴露した人物が共通して言う言葉がある。それは”一陣(イルジン、일진)”だ。

「校内暴力をしていた〇〇(有名人の名前)は、過去、学生時代に”一陣”で学生たちを困らせていた」という情報提供がネットで飛び交っているのだ。

“一陣”とは、”群れを成して先陣を切る”という意味もあるが、今日では日本でいう”ヤンキー”を意味する言葉でもあり、これらの集団サークルを”一陣会(イルジンフェ、일진회)”と呼ぶ。

この名称の語源は幾つかあるため正確には分からないが、韓国で”一陣”が注目され始めたのは、森田まさのり氏による日本の少年漫画『VIVA!ブルース(邦題:ろくでなしBLUES)』に登場する校内暴力サークル”一進会”から取られたという説もある。

『ろくでなしBLUES』は、東京都武蔵野市の吉祥寺にある帝拳高校(漫画内に登場する架空の学校)周辺を主な舞台としたヤンキー達による学園モノの漫画で、1990年代に韓国の中高生の間でも流行し、韓国国内でも日本漫画の暴力組織の名前から取られた校内暴力サークルがたくさん作られたという。

“一陣会”は、韓国の校内暴力の組織としていじめを主導すると同時に、集団カンニングやセックスイベントなども主催。また、弱い学生たちに暴力をふるい金銭を巻き上げ、最悪の場合、被害者を自殺に追い込むなど深刻な社会問題を引き起こしている。

“一陣”にいじめられた学生たちのほとんどは、酷いトラウマに苦しめられる。そうするうちに、ある日テレビをつけた時、自身をいじめていた学生がテレビ越しで善良にふるまう姿を見れば、どのような気持ちになるかはあえて説明しなくても良いだろう。

今まで”ヤンキー”や”不良学生”という意味で、学生たちの間だけで使われていた”一陣”という言葉。相次ぐ”校内暴力”の報道により、近年では韓国の国家行政機関である教育部(日本の文部科学省の旧文部省部門に相当)やメディアでも普通に使われる言葉になっている。







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