• 10月21日、JBJ95(ジェイビージェークオ)が提起した“専属契約無効訴訟”に対して、裁判所の宣告公判が行われた。
  • 専属契約は無効になったものの、なぜか原告による損害賠償が命じられている。
  • ファンからは「勝訴ではなかったの?」「なぜケンタの賠償額がこんなに高いの?」など、疑問の声が上がった。

JBJ95(ジェイビージェークオ)のファンは、訴訟に首をかしげている。

2021年4月、JBJ95のメンバー--サンギュン(キム・サンギュン)とケンタ(髙田健太)は、所属事務所であったスターロードエンターテインメント(以下、スターロード)を相手取り提訴。

JBJ95のサンギュンとケンタ

JBJ95のサンギュンとケンタ(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

専属契約効力不存在確認訴訟を、ソウル西部地方裁判所に提起した。

そして訴訟開始から1年6カ月。つい先日(10月21日)宣告公判が行われ、裁判部は以下のように判決を下した。

JBJ95の2人とスターロードが結んだ専属契約は、その効力を失った。キム・サンギュンはスターロード側に2億2000万ウォン(約2,200万円)を、高田健太はスターロード側に6億6500万ウォン(約6,600万円)の損害賠償金を支払う事を命じる。

またサンギュンとケンタは、訴訟費用の70%も負担する事になり、総合的に見れば、原告である2人の主張は認められず、スターロードに軍配が上がる結果となった。

(関連記事)JBJ95 契約無効は勝訴もマネジメント訴訟は敗訴‥計8億Wの損害賠償命令

一部の韓国メディアが、裁判部が冒頭で語った「専属契約の効力が無くなった」ことのみを取り上げ、“2人の勝訴”と報じたため、その後明らかになった2人に対する“損害賠償金支払い命令”に、ファンはあ然。

韓国や日本のネット上では「勝訴じゃなかったの?」「この結果をどう解釈すればいいの?」「2人合わせて9億ウォン以上も?」「一部だけが勝訴だったんだ」という、戸惑いの声が多く上がっている。

ここではそんな、“二重判決”の謎を紐解いてみたい。

JBJ95は本当に勝訴したのか

※以下、原告はサンギュンとケンタを指す。

そもそも原告が提起した、訴訟の目的は「スターロードとの契約を無効にしてほしい」というものだった。

すなわち「(契約が)無効になるか、ならないか」が裁判の争点であり、2人はその判断及び仲裁を裁判所に求めたのである。

しかし今回、韓国司法は「専属契約の無効を認める」と「原告はスターロード側に対して、損害賠償責任を負うべき」という、2つの異なる結論を出している。

ソウル西部地方裁判所

ソウル西部地方裁判所(画像出典:メディア生活)

裁判所はなぜ、原告が求めてもいない、一見“お節介な判決”までをもしているのだろうか。これは、*懲罰的損害賠償判決なのだろうか。

*懲罰的損害賠償判決:「加害者の行為が、強い非難に値するほど逸脱したもの」と認められた場合に、加害者に制裁を与える目的で、実際に生じた損害の補填としての賠償を命じる判決(出典:ウィキペディア)

これは、JBJ95側とスターロードの間で、2つの訴訟が同時進行されていた事が推測できる。

いわゆる、原告側が提起した“本訴”と、被告側が提起した“反訴”である。

すなわち専属契約の無効(本訴)を求めた原告に対して、スターロード側が、損害賠償を求める反訴を提起したものと見られる。

実際、原告側が負担する70%の訴訟費用には「本訴と反訴の合算額」と明記されているという。

また裁判部が、両者の専属契約が無効になったと判断したのも、原告側の“勝訴”という見方より、スターロード側が「契約維持が難しいと判断した上で、反訴を提起したため」である可能性も。

サンギュンに比べケンタの賠償額がなぜこんなにも大きいのか

今回、原告側の2人が支払う賠償額に大きな差がある。

韓国ネットでは、これについても疑問の声が上がった。

韓国メディアは、その額についてだけ触れ、この“大きな差が生じた理由”については触れていない。

そんな中、多くの韓国ネットユーザーは、“契約年数の差”が判断の根拠になったのではと推測。

3rdミニアルバム「SPARK」発売記念ショーケース

3rdミニアルバム「SPARK」発売記念ショーケース(2019年8月 / 写真提供:©スポーツ韓国)

ケンタの場合、『PRODUCE 101 シーズン2』に参加した2017年4月以前よりスターロードに所属していたため、在籍期間は5年以上と思われる。

対してサンギュンは、JBJ95の活動が軌道に乗り始めた2019年3月にスターロードに合流したため、在籍期間は約3年と、ケンタより短い。

この在籍年数の差が、賠償額の決定につながったいう見方が強いのだ。

釈然としない結果に不満の声も

今回の判決に、ファンは大きく落胆しているようだ。

特に、JBJ95側が主張した、スターロード側のずさんな運営などの実体が、裁判所の判断材料として認められなかった点に対して、納得がいかない様子。

スターロードは、社員に対する賃金の未払い、不透明な清算問題、ヘアメイクなどのスタッフへの報酬未払い問題で物議を醸した。

これを踏まえて、一部のファンは「裁判部が、“新型コロナウイルスの流行による財政難が原因”というスターロード側の主張だけに耳を貸した」と、不満の声を漏らしている。

編集長コラム

Danmee編集長のコラムです。韓国芸能界の出来事やネットの話題を分かりやすく解説しております。日本のマスコミが滅多に取り上げない様々な韓国情報を読者の方々と共有していきたいと思います。

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