BTS(防弾少年団)のメンバー ジョングクは、ユニセフの公式ツイッター”LOVE MYSELF”キャンペーンを通じて、”声”で力になると語った。そんな彼のソロ曲『Euphoria(ユーフォリア)』の歌詞に込められたメッセージを読み解いてみた。

去る10月12日、BTS(防弾少年団)とユニセフが提携する公式ツイッター”LOVE MYSELF”に、全世界の人々にメッセージを伝えるBTSメンバーの写真とメッセージが掲載された。

メンバーそれぞれ前向きなメッセージを綴る中、最年少メンバーであるジョングクは「私にできることがあれば、”声”で多くの人々に力を与えることができれば、私たちはそれを願って動き続ける」というメッセージで激励と応援を送った。

BTSジョングクのメッセージ

ジョングク「私にできることがあれば、”声”で多くの人々に力を与えることができれば、私たちはそれを願って動き続ける」(画像出典:LOVE MYSELF Twitter)

2017年11月、ユニセフ韓国委員会とBTSの所属事務所であるBig Hitエンターテインメント(以下、BigHit)が提携をして”LOVE MYSELF”キャンペーンを開始。「真の愛は自分自身を愛することから始まる」をテーマに”LOVE MYSELFファン”を立ち上げ、2年間で約26億ウォンの基金が集まった。ユニセフはこの集まった基金で、暴力に苦しむ子供たちを支援している。

ジョングク『Euphoria(ユーフォリア)』

ジョングクが届けたメッセージに戻ろう。

ジョングクは、”声”で多くの人々に力を与えると誓っている。

“声”は、2つの意味を持つ。それは、歌とメッセージである。

そしてジョングクが、その2つを結合させ――歌詞に載せたメッセージを通して、ARMY(アーミー:ファンの呼び名)に手を差し伸べた曲が『Euphoria』である。

BTSのメンバージョングク

BTSのメンバー ジョングク(画像出典:BTS公式FaceBook)

『Euphoria』は、BTSの世界観の延長線上にある楽曲だが、ARMYへのメッセージも込められているという意見が支配的だ。

まず、”Euphoria”という、あまり馴染みのない英単語の意味を見てみよう。

“Euphoria”は、心理学では”多幸症”という意味で使われており、専門医学資料によると「感情が病的に込み上げて、満足や喜びを感じる状態。進行性麻痺、老年性精神病などによくみられる」と記されている。

ジョングクが歌う『Euphoria』にも、複雑な精神状態を暗示するワードが並んでいる。

わからない‥この感情が何なのか
もしかしたら、ここも夢の中なのか
夢というものは、砂漠の青い蜃気楼
私の中の深いところにあるa priori(先天的な)
息が詰まるような幸せ

幸せを感じているが、それは虚無的で、蜃気楼に過ぎない‥幸せという感情すら時には息詰まるという表現からは、今感じる”幸せ”が、現実から目をそらすために”精神”が作り上げた幻だと悟るジョングクの心境の表れである。

彼は偽った幸せに浸るより、現実をしっかり見つめようとしている。同曲のMVに登場する両腕を広げた仕草が、それを表現している。

そしてジョングクは、自分とARMYにもう一度促す。

浸っていないで、進もうと。

遠くから海の音が聞こえる
夢を超え、茂みの向こう側へ
より鮮明になるその場所へ行こう
Take my hands now(今、僕の手を握って)
You are the cause of my euphoria(あなたは偽った幸せの原因)

ARMYからの果てしない”愛”により、偽った幸せに浸っていたジョングクは、ARMYの存在を自分のEuphoriaの原因であることに気づく。

とても甘くて幸せだけど、Euphoriaは”現実”ではないということを、自分とファンに言い聞かせた。

一部のARMYは、Euphoriaが”アイドルとファン”という構造的な限界を意味すると言う。互いに与え合うものが持つ限界から抜け出し”新しい共存関係”を促すというのだ。

(関連動画)BTS ジョングク ソロ曲 ‘Euphoria’

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ユニセフの公式ツイッター”LOVE MYSELF”キャンペーンを通じて、”声”で力になると語っているジョングク。

『Euphoria』のメッセージを見ると、”声”は一方的に言い聞かせる”声”にとどまらない。ジョングクが発する”声”には、「自分を愛し(LOVE MYSELF)、現実を懸命に生きる」ための手助けを約束する”アクション”も込められているかのように思える。

そう、ジョングクはARMYに「僕の手を握って」と、手を差し伸べているのだ。



BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースによって誕生した。
BigHitエンターテインメントに所属している。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。
グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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