10月24日に行われた、BTS(防弾少年団)のオンラインコンサート『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE』。ライブ中、メンバーのジョングクが大きな声で叫んだ「オチョラゴ!」がネット上で話題だ。今回は、この言葉を放ったジョングクの心境を探ってみる。
人気アイドルグループ、BTS(防弾少年)のメンバージョングクが放った言葉が話題だ。
ハングル4文字の言葉「オチョラゴ(어쩌라고)」。その意味を日本語に訳すと「どうしろって言うんだ」になる。
ジョングクが大きな声で叫んだ「オチョラゴ」とは
ジョングクがこの言葉を放ったのは、去る10月24日に行われたBTSオンラインコンサート『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE』での事。
公演の後半、3rdフルアルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』に収録されている楽曲『So What』のイントロが流れている時だった。彼は突然「僕は不満がたまっている」と話を切り出す。
これにメンバーが「君、話したいことたくさんあるんだって?」と促した。するとジョングクは「僕のことをあまり好きじゃない人に話したいことがある」と言い、背中を反り大きな声で「オチョラゴ!!」と叫んだのだ。
『So What』は日本語で「だから何?」のため、ある種の”ステージ演出”にも見えなくはないが、多くのファンは、彼を苦しめる悪質ネットユーザーへのメッセージだと見ている。
実はジョングク、幾度となく思わしくない事に巻き込まれ”渦中の人物”として、インターネットに取り上げられている。最近も、実兄が経営するアパレル企業の服を着用し、SNSのライブ放送(V LIVE)に出演したことが「裏広告では」と指摘されたばかりだ。
さらに、彼が実兄の会社が販売している洋服を宣伝したと、一部のネットユーザーが韓国公正取引委員会に”裏広告”として苦情を届けるという予期せぬ展開に。公正取引委員会は「裏広告と判断される、最も大事な要素である欺瞞性がジョングクの言動には見当たらない」と見解を示し、議論は一段落となった。
が、今度はジョングクファンが奮起。彼のアンチファンを糾弾するとともに、HYBE側の微温的な対応を批判するという事態へと発展したのだ。
(関連記事) BTS ジョングク 韓国ファンがHYBEに抗議し独断行動に出た理由
「オチョラゴ」を叫んだその心境とは
ジョングクは”ステージ演出”と見せかけ、ネットユーザーに伝えたかったメッセージは何だったのだろうか?
それはまさに、彼の持つ”芯の強さ”だろう。
以前、Danmeeでは「BTS ジョングク その強いメンタルが垣間見える言葉 4選」という記事を通して、ジョングクが持つ強いメンタルを紹介したことがある。
彼は、自身の価値観を世間の判断に委ねない。全ての判断基準は、”他人”ではなく”僕自身”なのだ。
ジョングクは「オチョラゴ」を放つことにより、自身へ批判的な思想を持つネットユーザーに振り回されないと、その強い意志を表したかったのかもしれない。
それを、BTSの味方であるARMYの前で声高に宣言したかった、「僕は僕だ」とわかってもらいたかったと推測する。
「オチョラゴ」と「クムシラコ」
実はBTSの中には、ジョングクの「オチョラゴ」と非常に似たような言葉を、日常的に使うメンバーがいる。
そのメンバーとは、おおらかな性格でファンを労わることで有名なV(ブイ)だ。彼は過去(2019年)に「クムシラコ(그므시라꼬)」という言葉を使い、求職に悩むファンを慰めたことがあった。
(関連記事) BTS V 座右の銘「그므시라꼬(クムシラコ)」でファンを慰労、気になる意味とは?
「クムシラコ」とは、「それがどうしたの、そんなに大したことじゃない」という意味を持つ韓国南部の方言で、普段から彼が”座右の銘”としている言葉だ。
ジョングクの「オチョラゴ」が、他人の意見や批判に屈しない強い信念の表れだとしたら、Vの「クムシラコ」は、一度は受け入れ、それを深く悩まない、気にしないというポジティブ思考の表れである。
微妙に違う意味を持つ2つの言葉だが、いずれも判断基準は”僕自身”。BTSが提唱してきた”LOVE YOURSELF(あなた自身を愛そう)”というメッセージと、相通じる言葉であることは確かである。
現代を生きる我々は、他人の評価と判断により信念が揺らぎ、時に失い、承認欲求が過度になり”我”にフタをすることがある。
「オチョラゴ」と「クムシラコ」。
一見、身勝手な言葉に聞こえるかもしれないが、他人に”自分の価値”への評価と判断を委ね、もやもやする日々を送っている人には、ぜひ覚えてもらいたい韓国語だ。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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