【Danmeeコラム】新米BTSファンにとって、少し難しいBTS世界観(通称、BU)は、古典のプロットや哲学、メッセージなどが盛り込まれている。BTSが初めて”宇宙”について語った『DNA』にいくつかの物理学の理論が用いられていることをご存知だろうか・・?
昨年『Dymamite』の成功に続き、今年は『Butter』で、世界的なヒットを飛ばしているBTS(防弾少年団)。
“K-POPアイドル”にカテゴライズされていた時には、見えていなかった彼らの魅力が、”ワールドポップスター”と紹介されるようになってから見えてきたという人が続出しており、現在日本でも爆発的にファンが増えている。
K-POP好きには常識なことであるが、実はBTS、『Dymamite』以前から多くのファンに支持されており、日本でドームツアーを開催すれば、数万人分のチケットが一瞬で売切れになるほど。
BTSの”古株ファン”は、心を惹きつけられた理由の一つに「BTSの世界観に惚れ込んでしまったため」と答える。
BTSの世界観、BUとは

BTSの世界観とは?(画像出典:BTS公式FaceBook)
新米BTSファンにとって、少し難しいBTS世界観(通称、BU)には、古典のプロットや哲学、メッセージなどが盛り込まれている。
青春時代の友情や愛、未来と挫折という壮大なテーマ(BU)やストーリーは、主にミュージックビデオで展開されているが、その始まりは、2015年3月にソウルで開かれたコンサート『TRILOGY EPISODE I BTS BEGINS』のイントロ映像だと推測される。
BTS側は、BUについて具体的な解説をしたことはないが、ファンは自発的に見解を共有し、BUにのめり込んでいくという、1つの”カルチャー”が出来上がったのだ。
一見、難しいテーマに感じられるために「ファンになっただけなのに、勉強が必要なのか!?」と、愚痴をこぼす人もいるが、その一線を越えてしまえば最後。一度ハマったら抜け出せず、いつの間にか、その壮大なストーリーの一員となって、BTSを応援するようになっているという。
可能であれば、時間をかけてBUを詳しく紹介したいものだが、いかんせん壮大すぎるゆえ、今回はBUに”物理学”が加わったと評される名曲『DNA』を紹介するに留めたい。
BTSがが初めて”宇宙”について語った『DNA』
『DNA』は、BTSが世界的なスターになった、元年とも言われる2017年に発表された楽曲で、彼らが初めて”宇宙”について語った作品だと言われている。
BTSにとって”宇宙”とは、数多の星(人間)がある空間であり、人間そのものでもある。彼らの歌詞に”宇宙・星・月”がよく登場するのも、全ての人間が星のように輝きを放ち、その価値は消えることがないというメッセージを伝えるためだ。
彼らがそれまで表現し続けて来た”青春の成長”からスケールアップする。
『DNA』MVのテーマは、1人の人間の誕生が、”宇宙”という時空を超えた大きなイベントである(だから、我々1人1人は大切な存在)というメッセージが込められており、いくつかの物理学の理論が用いられている。
アインシュタインの”相対性理論”

『DNA』のMV冒頭で口笛を吹くジョングク(画像出典:HYBE LABELS YouTubeキャプチャー)
“時間と次元を移動できる通路”であるワームホールを通過すると、ジョングクの瞳となり、ジョングクが口笛を吹く。
彼を軸にアングルが左右に動くのだが、立ち位置とのアングルは合わない。
これは、アインシュタインの”相対性理論”に基づいた”4次元”をイメージしたものだという。
“相対性理論”とは、どこかに絶対的な原点を置く座標系ではなく、観測者の立場によって互いの時空間が”相対”し変化するものとして捉えるものである(意味出典:weblio辞典)。
『DNA』のMVで、”相対性理論”を表現した理由は「宇宙が誕生した時から、過去ー現在ー未来という”時空間”は、すでに存在していた」というメッセージを伝えるため。
本作では他にも、様々な空間が登場する。”未成熟”を意味する白い空間、”成長と混乱”を意味する青い空間、”理想”である黄色い空間、白-青-黄色が混在した”潜在意識”を意味する空間では、マーブリングが交錯する。
これらの4つの”時空間”も、”相対性理論”の4次元を表現している。
ジンの後ろで爆破・・そして、ジミンとSUGAが手をつなぐ
MVの中に、ジンの後ろで何かが爆発するのだが、これは”量子力学”を表しているという。

ジンの後ろで爆発しているのは”量子力学”だという(画像出典:HYBE LABELS YouTubeキャプチャー)
“相対性理論”の発表以降、科学界では、原子よりさらに小さい”粒子”同士が繋ぎ合う”量子力学”が研究されるようになる。
何かの爆発とともに粉々になったものが舞い降りるが、”量子力学”でいう、それぞれ異なる波動を持つ粒子の混乱している”時空間”を説明している。
“量子力学”は、整列された時空間で4次元の理論を説明する”相対性理論”とは、真っ向から対峙する概念だ。
この対峙する”相対性理論”と”量子力学”を繋ぐものが”ひも理論”であり、MVの中では、ジミンとSUGAが手をつなぐことにより説明されているという。

手をつないでいるジミン(左)とSUGA(右)(画像出典:HYBE LABELS YouTubeキャプチャー)
『DNA』のおかげで物理学の勉強をした!
上述したが、BTS側によるオフィシャル解説はなく、韓国のファンの見解と解釈をまとめて紹介した。
わずか4分余りのMVの中に、現代の物理学に欠かせない重要理論が、ぎっしりと詰め込まれている。
中高生の時から、難しすぎて科学とは無縁だった私にとっては、『DNA』のBUを通して、人生で初めて科学(現代物理学)と真剣に向き合った時間だった。
結論‥我々は、時空間を超越した大切な存在であり、家族や友人は、宇宙の誕生とともに決まっていた運命的な存在である・・というBTSの教えに感謝申し上げる!
(投稿:Danmee編集長)
BTS『DNA』MV(動画出典:HYBE LABELS YouTube)
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