K-POPアイドルの人気と影響力を示すCD初動売上と音源ダウンロードチャート。それをサポートしてきた中国ファンの存在が消えると、韓国メディアと芸能関係者が危機感を募らせている。その真相とは‥。
アジアを超え、世界で根強い人気を博しているK-POP。
だが収益面では、いまだに本国である韓国をはじめ、日本や中華圏への依存度は高い。
特に日本は、成熟した公演インフラ及びアイドル産業による収益貢献度が非常に大きい。
(関連記事)K-POP、世界的な成功の裏にある「無視できない」日本という存在
他にも、台湾や香港、さらにはタイ、フィリピンといった東南アジアのファンが、K-POP産業を支えている。
また中国は、1998年に巻き起こった”韓流ブーム”の発祥地。韓国ドラマや歌謡は、中国国内で根強い人気を誇っている。
特に”共同購買”として知られている、中国ファンクラブによる大量購入は、K-POPアイドルのCDの売上に大きく貢献してきたと言われているほどだ。
近年、人気絶頂のBTS(防弾少年団)のCD売上平均は300万枚。EXO(エクソ)やSEVENTEEN(セブンティーン)といったトップアイドルのCD売上は、100万枚を軽く超えるという。
そのとてつもない売上に、少ながらず貢献してきたのが、中国ファンダムなのである。
BTS(上)、SEVENTEEN(画像出典:BTS公式FaceBook、SEVENTEEN公式Twitter)
中国のファンは、CD購入という形で手を尽くし、好きなアイドルが”トップアイドル”というステータスを維持できるよう、”数字”でサポートしてきた。
しかし最近、中国当局が、そのようなファンに”待った”をかけている。
中国当局は、”*整風運動”と名付けた新たな指針を決め、K-POPアイドルのファンダムに様々な制約を施しているという。
*整風運動:1940年代当時、中国共産党が党内の誤った風潮を正すことを骨組みとした政治運動。現在、習近平(シュウ・キンペイ)政権が、様々な分野で規制の手綱を引き締めている。
その1つに「K-POPアイドルのCDを、1人当たり1枚しか購入できない」という制約がある。さらに、音源ダウンロードにも制約がかかり、こちらも当局の”取り締まり対象”になる見込みだ。
そんな中国当局の動きに対して「政治的な意図があるのでは?」という憶測が広まっており、時代遅れの”鎖国政策”と批判する声が高まっている。
(関連記事) TWICE ツウィが犠牲になる? 台湾と香港出身芸能人が恐れる中国当局の’整風運動’
韓国メディアや芸能界関係者は、これまで見せてきた中国当局の予測不能な政策を根拠に「中国ファンによる購入自体が、阻まれる可能性も否定できない」と恐れる。
K-POPアイドルの人気と影響力を示す、CD初動売上と音源ダウンロードチャート。その両面にわたりサポートしてきた中国ファンの存在が消えてしまえば、K-POP産業への打撃は計り知れないだろう。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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