Netflix(ネットフリックス)で配信され、日本でも絶大なる人気を得たドラマ『賢い医師生活』シリーズ。メインキャストの一人、チョン・ミドは本作がドラマ出演の本格デビューとなった。初の連続ドラマ、初のメインキャストで注目を浴びることとなった彼女は、2022年に『39歳』という作品で、初めて“チェ・ソンファ”ではないキャラクターで、お茶の間に帰還。これを記念して、『賢い医師生活』シーズン1終了後のインタビューを再編してお届け。当時、彼女が抱いていた思いとは?(記事・写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

チョン・ミドは”チェ・ソンファ”という別の魅力を持っている俳優だ。

『賢い医師生活』シーズン1終映インタビューに応じたチョン・ミド。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:Bistus Entertainment)

賢い医師生活』に出演したチョン・ミドに、ドラマ終映インタビューを行い作品についての所感や心境を聞いた。

――自身への人気を実感することはありましたか?

チョン・ミド:最近すこーしだけ、感じます(笑)。ネットのコメントや記事は、怖いので読んでいないのですが、知人がニュース記事のスクリーンショットを送って来るんです。それを見ると、たくさんの方たちが、私を愛してくださってるんだなと思います。インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)を送ってくださる方や、アカウントをフォローしてくださる方たちもそうですし、私の事を調べてくださる方がたくさんいるんだなと。マスクをしていても私だと気付かれた時は、メディアの力のすごさを感じました。

――自身の周りで、メディアに出るようになってから変化したことなどがあったら教えてください。

チョン・ミド:そうですね、後輩たちにどう接すべきかという考えが変わって、友達との関係にも変化がありました。小学生の時から仲良しな友人は、私だけソウルに住んでいて、他の友達は釜山に住んでるんですね。なのでこれまでは、そんなに頻繁に連絡を取っていなかったんですけど、ドラマに出演してからはグループチャットができて、毎日トークをするようになりました。昔みたいに、また話ができるようになって、すごくうれしいです。

チョン・ミド

チョン・ミド(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:Bistus Entertainment)

――ドラマOST(オリジナル・サウンドトラック)の中で、チョン・ミドさんがカバーした『*愛するってわかってた』が、音源チャートを席巻しました。

*女性歌手シン・ヒョボムが2006年に発表した楽曲

チョン・ミド:奇跡が起きたと思いました。チョ・ジョンソクさんが歌ったOSTの『アロハ』が、長期間にわたって1位を固守していたので、レコーディング前はジョンソクさんに、「心配です」と話してたくらい。でも、ジョンソクさんが「(ミドは)カンが良い、うまくいくよ」と励ましてくれて‥。私自身、皆さんが聴きたくなるほどの歌唱力はないと思っているので、劇中に楽曲が流れることで、作品と一緒にシナジー効果が出たんだと思います。

――ドラマでは音痴の役を演じましたが、いかがでしたか。

チョン・ミド:私がメインボーカルになったら、負担が重すぎます。だから脚本を手掛けたイ・ウジョン先生が、「音痴の役はどうかしら」というアイデアを出された時、魅力的だなと感じたんです。結局、ウジョン先生の計画通りに事が進んだということみたいですけどね(笑)。

チョン・ミド

チョン・ミド(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:Bistus Entertainment)

――『賢い医師生活』が、初主演ドラマとなりましたが、チェ・ソンファ役のオファーを受けた時は、どんな心境でしたか?

チョン・ミド:この話を聞いた時は、私の耳を疑いました(笑)。ウジョン先生は「物語を引っ張っていく人物ではないから、あまり心配しないで」とおっしゃいましたが、すごく心配でしたよ。画面を通して演技をすることが不慣れな上に、視聴者の方たちがどう受け止めるのかわからなかったですし。でも、撮影する時にそういったことに神経を使ったら逆効果だなと思い、忘れることにしました。現場に行けば、良い事があると思うようにしたんです。シン・ウォノ監督をはじめ、たくさんの方たちに助けていただきました。

――初めてオーディションを受けた時、読んだセリフがソンファのセリフかどうかわからなかったと伺いました。

チョン・ミド:そうですね。2次オーディションの時に、監督がいろいろとやらせているのを見て、比重のある役をくださるんだろうなと思っていました。ところが、私がここでは新人俳優と同じ立場だったので、「とても悩んでいる」とおっしゃったんです。その時は意図がわかっていなかったですけど、後になって実はジョンソクさんが「(私を)俳優として推薦したい」という話をしていたことを知りました。当時は、ジョンソクさんと親しい間柄ではなかったので、監督がむしろ(推薦してきたことに)驚いてたみたいです。ユ・ヨンソクさんからも以前、「(私が出演した公演を観て)とても記憶に残っていたんです」と、授賞式でお会いした時に突然言われことがあって。それが彼と初対面だったんですが、次に会ったのがこのドラマのオーディションでした。

チョン・ミド

チョン・ミド(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:Bistus Entertainment)

――最終的に、本作でドラマ出演の本格デビューを果たすきっかけとなったわけですが、これに対してはどうお考えでしょうか。

チョン・ミド:舞台俳優として長く公演をやってきて、自分の中で“停滞期に入ったのかな”と感じることがあったんです。”演技が定型化されたんじゃないか”とか、”環境が良くなると、そこに安住してしまって発展がないんじゃないか”とか‥。そんな風に、すごく悩んでいた時期に、tvN『マザー(2018)』というドラマに少しだけ出演することになったんですね。初めてのドラマは、カメラが入って来ることに慣れなくて、怖くて‥困惑しました。だから”私はメディアには向いてないな”と思っていたら、今度は映画『メタモルフォーゼ/変身(邦題/2019)』に出演することになって‥。そしたらこの時は、不思議と演技をするのが楽しいと感じたんです。それでもう少しだけ、メディアの前で演技がしてみたいと思っていた矢先に、『賢い医師生活』のお話しが来ました。

――最も印象的だったシーンがあったら教えてください。

チョン・ミド:ソッキョン(キム・デミョン扮)が家の事情で心が沈んでいて、自宅のソファでヘッドフォンをつけて横になっているシーンです。元々台本では、4人がソッキョンを見ながら立っているだけだったんです。でも監督が「変顔で撮ろう」と言いだして、その場で突然撮影しました。当時は”面白いシーンだなー”とだけ思ってたんですが、振り返ってみると、あのシーンにグッと来てしまいました。ソッキョンの状況がそうさせたのか、彼が一度表情をしかめたことに何だか慰められて、私の気持ちを理解してくれたような、妙な気分になりました。たった一つのシーンでも、行動一つで大きな影響を及ぼすんだなって。

チョン・ミドが最も印象に残っているという1シーン

チョン・ミドが最も印象に残っているという”変顔”の1シーン。(画像出典:YouTube The Swoon 動画キャプチャー)

――今後、別の作品に出てみたい、または出る予定などはあるのでしょうか。

チョン・ミド:夫や家族、夫の実家の家族、同僚から大きな応援をもらったので、どんな作品でも、機会をいただければ何でもやってみたいです!

(記者:イ・チャンギュ)

チョン・ミド『I Knew I Love』(画像出典:YouTube Stone Music Entertainment)




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