- 【韓流20周年企画-あの子役の今】2022年は、日韓同時開催が話題となったFIFAサッカーワールドカップから20年を迎える年となる。
- 振り返ると日本の韓流ブームの歩みも、同じようなタイミングだったのではないだろうか。
- そこで今回は韓流20周年、懐かしい”あの子役”の今を追ってみたい。
KBS『製パン王 キム・タック(2010)』は、韓国の高度経済成長期を背景に、コソン食品の後継者をめぐり異母兄弟であるキム・タック(ユン・シユン扮)とク・マジュン(チュウォン扮)が、ライバルとして恋やパン作りの技術などを争い、成長していく物語。
本作は主人公たちの子供時代から物語が描かれている。
コソン食品の会長ク・イルチュン(チョン・グァンリョル扮)と使用人のキム・ミスン(チョン・ミソン扮)の間に生まれたタックは、イルチュン家で育てられることになり、そこでイルチュンの妻であるソ・インスク(チョン・インファ扮)の子供たちと一緒に暮らす事になる。
のちにタックのライバルになるのが、インスクの不倫の末できた長男ク・マジュンだ。
劇中マジュンは、長男として厳しく育てられ、突然家にタックがやって来ると、タックを受け入れられず、盗みの濡れ衣を着せたりと冷たく接することも多かった。
そんな複雑なマジュンの幼少期を好演したのが、俳優のシン・ドンウだ。
シン・ドンウは『製パン王 キム・タック』出演後、子供向けプログラムのMCを務めるなど、幅広く活動。ドラマ出演当時11歳(日本年齢)だった1998年生まれのシン・ドンウが、軍を除隊した昨年、その近況や子役時代を語った。
――軍除隊後どのように過ごしていましたか?
シン・ドンウ:軍隊に適応していた体や精神を社会に適応させ、これまでできなかったこと、やりたかったことなどをしながら、再び演技をするために努力していました。まだ事務所に所属していない状況なので、良い事務所を見つけ、俳優復帰するために計画を立てているところです。
――最近はどんな時間を過ごしていたのでしょうか?
シン・ドンウ:趣味で映画をたくさん見ました。新型コロナウイルスの影響でどこにも行けず、活動的なことよりは、映画を見たり、本を読んだりと家でできることをしています。最近はジムに行けるようになり、天気も少しずつ暖かくなってきたので運動も楽しくなってきて、運動を一生懸命しています。
――幼い頃にデビューし、大変だった点があるとすると?
シン・ドンウ:むしろ幼かったので、あまり大変ではなかったです。監督にディレクションをしてもらい、言われた通りにやって、役について深く考察したりはしませんでした。僕より、マネージャーの役割もしてくれた母の方が大変だったと思います。夜遅くまで運転しながらスケジュール管理をしてくれたり、マネージャーとして僕をケアしてくれたので。
――子役俳優として活動をしながら良かった記憶はありますか?
シン・ドンウ:幼い頃から子役俳優として活動しながら、周りの友達からよく言われたことがあります。それは「ドンウ、お前は幼い頃から自分がやりたいことを見つけ、それを仕事にしているのが羨ましい。自分はまだ何をしたいのかわからないのに」という話です。こういう話を聞くと、「あぁ、僕は幼い時からやりたかった演技をしているのが、本当に大きな幸運なんだな!」と思いました。子役俳優として活動したこと自体が、演技が好きな僕にとっては良かった点だと思います。また、幼い頃から現場にたくさん行き、現場の雰囲気やメカニズムのような部分を直接体験して学んだことが、役に立ったのでよかったです。
――撮影した作品の中で記憶に残っている作品はありますか?
シン・ドンウ:記憶に残るドラマが3つあります。『製パン王 キム・タック』もその中のひとつです。『製パン王 キム・タック』は個人的に少し残念に思った作品なので記憶に残っています。僕が最初に演じた悪役だったのですが、“ク・マジュン”というキャラクターを演じる時、全く共感できなかったんです。「この子はなんでタックが嫌いなんだろう?」と思いました。台本を読んだ時に、キャラクターの雰囲気をつかまなければいけないのに、ク・マジュンのような状況を経験したことがなかったので、共感もできなくて、その部分がそのまま画面に映ってしまったのではないかと思うと、見るたびに残念さが残ります。残りの2つはMBC『エデンの東(2008)』とtvN『甘くない女たち~付岩洞<プアムドン>の復讐者(邦題/2017)』です。
――最後に、シン・ドンウにとって演技とは何でしょうか?
シン・ドンウ:これが一番難しい質問だと思います。真面目すぎる答えになるかもしれません。たくさん悩みました。”僕にとって演技とはなんだろう?”、”ただ幼い時からやっているから、しなければならないことなのか?”、”僕が演技を通して何かをやり遂げたいのだろうか?”、それとも”ただ成功するために使おうとしている手段なのか?”このような考えがたくさん浮かびます。”演技”自体が僕にとって、“演技は〜だ”とはっきり決めることができませんが、それでも確かなのは”僕は本当に演技がしたい”ということと、自分の人生を誰かに話す時に、絶対に欠かすことができないキーワードが“演技”だということです。
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現在23歳のシン・ドンウは、演技に対する情熱を燃やしているという。2017年を最後に演技活動は途絶えているが、再び役者として輝く彼の姿を多くの視聴者が待っているだろう。
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