2017年6月にtvNで放送され、好評を受けたサスペンススリラー『秘密の森』の続編『秘密の森2』が、来る8月15日に放送を開始する。韓国ドラマで描かれる“検察”という存在、そして韓国社会における検察の実態を探ってみる。
ようこそ”秘密の森”へ。
この森には、権力とカネに目がない悪人と、彼らの欲望の犠牲となる弱者がいる。

ドラマ『秘密の森2』(画像出典:tvN)
政治権力と財閥、捜査機関の癒着関係を描いた韓国ドラマ『秘密の森』の続編『秘密の森2』がいよいよ8月15日にそのベール脱ぐ。前作に続き、韓国社会の”醜悪な顔”を描いていくのか注目を集める中、頭をよぎる率直な疑問が2つある。「なぜ韓国ドラマには検事がよく出るのか?」「なぜ検事が登場する韓国ドラマは面白いのか?」‥ということで、韓国検察ドラマが面白い3つの理由を探ってみたい。
警察への捜査指揮権

ドラマ『秘密の森2』でチョ・スンウ演じる最高検察庁刑事法制団に所属の検事ファン・シモク(画像出典:tvN)
韓国の検察も日本と同様、検察は起訴(刑事事件について裁判所に審判を申し立てる)を決める”起訴権(公訴権)”を持つ、唯一の国家機関である。これを起訴独占主義という。
日本では、1次捜査を警察が担当して起訴に必要な補強捜査(2次捜査)を検察が担当する構図が一般的とされるため、警察と検察はそれぞれの捜査権を持つ水平的且つ協力関係を築いている。しかし、韓国では検察が警察に対して捜査を指示できる”捜査指揮権”を持っている。
いわゆる国家機関同士の上下関係を築いているのだ。韓国ドラマの中では、年配の警察署長が若い検事に物言いをされ頭を下げるシーンがよく登場する。もし、ある検事が不正に走っていたとすると、自分の権限を利用し警察の捜査を止めたり、妨げることすらできるのだ。警察が主人公である韓国ドラマでよく描かれるシーンであり、視聴者の怒りを爆発させる起爆剤にもなる。
政治家や財閥との癒着関係

韓国ドラマでは検察出頭する財閥企業の会長がよく描かれる(写真出典:tvN)
韓国検事は、上述したように”起訴権”と警察への”捜査指揮権”を持つため、常に有力政治家や財閥から誘惑を受けやすいとされる。
政治家の中では、検事出身者が多い。先輩・後輩といった上下関係が厳しい韓国では、先輩にあたる政治家が後輩にあたる現役検事に対して、汚職を働きかける。なお、将来政治家の道を目標とする現役検事の中では、積極的に有力政治家とのコネクションを作ろうとする。韓国ドラマを見ると、検事が有力政治家から電話を受け、汚職事件の起訴中止を決めるシーンがよく登場する。ちなみに韓国の国会議員の約7%が、検事出身である。
財閥からの誘惑も多い。金品を受け取った検事は、”スポンサー企業”のために、捜査情報を流したり、起訴猶予もしくは放棄する。検事を辞職したら、高い年俸を受け”スポンサー”企業の法務チームの顧問弁護士の職を約束される。“財閥の犬”となった先輩検事が、現役の後輩検事に”請託”を行うシーンも、韓国ドラマによく登場する。ちなみに財閥の会長がお婿さんとして、検事を好むというのは、韓国では周知の事実。
政治批判というタブーを破るタフな描写
政治家や捜査機関の高位公務員の汚職・不正事件が多い韓国。歴代大統領の絶対多数が汚職が発覚され惨めな余生を送っているほどだ。その反射効果(?)なのか、一般市民の政治や国政への関心が高く、常に監視の目を光らせている(国民の関心が高いため、汚職事件の発覚が多いと分析している人もいる)。
クリエイティブな職を持つ人も例外ではない。ヒップホップアーティストは、常に政治への批判を吟じ、お笑い番組でも政治家を風刺するネタが溢れている。韓国映画界は言うまでもない。ある保守派政治家は「韓国映画界には左派と共産主義者だらけ」と舌を鳴らすほどだ。

映画『インサイダーズ/内部者たち』では、有力政治家と財閥、有力メディアの蜜月関係が赤裸々に描かれている(画像出典:映画『インサイダーズ/内部者たち』)
ドラマ界でも、反骨精神溢れるクリエイティブな人材が多い。しかし、国会傘下の放送通信委員会の規制を恐れる立場であるため、政治家への批判は容易ではない。なお、主な収入源であるテレビCMのスポンサーを誘致するため、財閥企業への批判も簡単なものではないのだ。にもかかわらず、韓国テレビでは”政治家-捜査機関-財閥の蜜月関係”をよく取り上げているという不思議。正義感なのか、視聴率への渇望なのかは不明だが、有力者との軋轢を恐れず、その恥部を暴くタフさには、さすがに感心してしまう。
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