韓国ドラマにおいてOSTは、非常に重要な役割を果たしている。

単なるバックミュージックではなく、音楽でストーリーやキャラクターの感情を強調して視聴者の感動を増幅させ、物語の世界へと引き込むパワーが。その効果は絶大、作品の話題性を高めることも少なくない。

また、音と映像が見事に調和した作品は、ドラマの放送終了後も作品の人気に大きく寄与し、楽曲自体も長きに渡って愛されるケースが目立つ。

2025年上半期もそんなOSTの数々が、韓国最大の音楽チャートBugsのランキングに名を連ねている。

そこで本記事では、今年1月1日から6月11日までの各週刊チャートを総合的に見て、ランキング上位に入っていた12曲をご紹介。ランキング常連のものから、強者たちのなかに新たに加わったものまで、各ドラマを大いに盛り上げ視聴者の記憶に残っている楽曲の数々だ。

ソンジェ背負って走れ 『Sudden Shower』

昨年日本でも大きな話題を呼んだ『ソンジェ背負って走れ』(tvN/2024)。4人組バンドECLIPSEのボーカルに扮した主演ピョン・ウソクが歌う『Sudden Shower』に心を奪われた人が多かった。

愛する人を通り雨に例えて切なさと感謝の気持ちを表現しており、あなたを守ってあげたいという温かな歌詞が特徴。物語のロマンチックかつファンタジックな雰囲気と、ヒロインとの時空を超えたロマンスストーリーにトキメキをプラスした楽曲だ。

星から来たあなた 『Every Moment Of You』

アジアを熱狂させた不朽の名作『星から来たあなた』(SBS/2013)は、OSTも長きに渡って愛され続けている。ソン・シギョンが歌い本作の名場面を彩ったバラード曲『Every Moment Of You』だ。

本作を代表する主題歌で、物語の雰囲気と合う温かく繊細なメロディー、そして愛する人と全ての瞬間を共にしたいという歌詞が印象的。期間限定の切ない恋を描き多くの視聴者の涙を誘ったストーリーをより感動的なものにし、Bugｓのみならず各チャートの主のような存在になっている。

ロマンスは必然に 『Every day, Every Moment』

大人の現実味溢れる恋をしっとりと描いて好評を得た『ロマンスは必然に』(SBS/2018)は、ポール・キムが歌う『Every day, Every Moment』が視聴者に絶大なる支持を得た。

愛する人への感謝や大切に想う気持ち、平凡な日常を共にできる日々が永遠に続いてほしいという願望などが盛り込まれ、彼の穏やかな声と相まって登場人物の感情を極大化。見つめ合うしっとりとしたシーンでは、温かみをプラスした。

涙の女王 『Love You With All My Heart』

昨年の大ヒット作『涙の女王』(tvN/2024)は、OSTも大きな話題に。本作のテーマを代弁したかのようなCrushが歌う『Love You With All My Heart』は、今後も継続してランキング上位の常連となりそうな気配。

主人公の複雑な感情と深い愛を歌ったバラード曲で、葛藤や別れ、再会など、感情が高まったシーンに流れてきて視聴者に強烈な余韻を残した楽曲だ。誤解によってすれ違い、心の傷を負った辛い時期を経た夫婦が、それぞれ後悔と恋しさを募らせ本心を見せる場面でもOSTの持つパワーを発揮している。

私の完璧な秘書 『Always be with you』

前出の『ロマンスは必然に』でOSTを担当して物語を盛り上げたポール・キムは、今年のドラマ『私の完璧な秘書』(SBS/2025)でも『Always be with you』で、作品の人気に大きく貢献した。

愛の本質と切ない感情が歌詞と曲に込められており、主人公の男女の関係を暗示する。困難と葛藤のなかで互いを守ろうとする姿や印象的なセリフと絶妙に相まって、本気の愛を表現したとの評価だ。

その年、私たちは 『Our Beloved Summer』

BIBIが歌った『Our Beloved Summer』は、別れと再会の過程を通して、愛の真の意味と登場人物の内面的成長を描いた『その年、私たちは』(SBS/2021)を代表する楽曲の1つ。

過去を振り返りながら互いの距離が縮まらなかった理由を歌った歌詞が、登場人物の切なすぎる別れやその痛みとリンクして視聴者に深い余韻を残す。互いを思いやる心と現実の間で板挟みになり、やむを得ず去ることを選ぶしかなかった経験をした主人公の感情を見事に表現している。

マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜 『Grown Ups』

『Grown Ups』は、Sondiaが歌った『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』(tvN/2018)のOST。ボーカルトレーナーだが、本曲をきっかけに一躍注目を浴びたことでも知られる。

ドラマの持つ雰囲気やテーマ、登場人物の感情を代弁するOSTとして高く評価されており、主人公の心の傷や孤独、自分を慰めて生きていく姿を淡々と表現。キャラクターの内面をそのまま音楽に乗せて視聴者に伝えている。

サムダルリへようこそ 『Dream』

『Dream』は、少女時代(SNSD)のメンバーTAEYEONが歌った楽曲。『サムダルリへようこそ』(JTBC/2023)のOSTで、チョ・ヨンピルが1991年に発表した名曲を、明るいミディアムテンポのリズミカルな曲調に編曲している。

夢を抱いてソウルに上京したもののある出来事により田舎に帰ってきた主人公の物語と、その過程で経験した孤独や希望、故郷に対する懐かしさをよりドラマチックに演出して、視聴者に深い感動をプレゼントした。

トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜 『I Will Go to You Like The First Snow』

Ailleが歌う『I Will Go to You Like The First Snow』は、韓ドラ史に残る名作『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(tvN/2016)を象徴する1曲。本作をきっかけに韓国ドラマのOSTに関心を持つようになった韓ドラファンもいるのではないだろうか。

日本でも大きな話題となり、主人公キム・シンの視点で運命的な愛を描いた歌詞や切ないメロディーが、クオリティーの高い物語と相まって多くの人に愛されている。劇中、肝となるシーンに登場して、視聴者に多くの感動を届けた。

紳士とお嬢さん 『Love Always Run Away』

『Love Always Run Away』は、本国をはじめ日本でも絶大なる支持を得た『紳士とお嬢さん』(KBS/2021)の主題歌。韓国の国民的トロット歌手出身のイム・ヨンウンが歌っている。

愛を掴もうとすればするほど遠ざかる悲しみと別れによる心の痛み、切なさが淡々と描かれており、イム・ヨンウンの感情のこもった歌唱と相まって、作品の主要なシーンで流れるたびに視聴者に大きな響きと余韻を残した。

いつかは賢いレジデント生活 『Amateur』

『Amateur』は、『賢い医師生活』シリーズの主人公99’sが、“ミドとパラソル”というバンド名で歌った楽曲。同作のスピンオフ版として、少し前に最終話を迎えた『いつかは賢いレジデント生活』(tvN/2025)の挿入歌としてドラマを盛り上げた。

作品の見どころである感動と癒し、人間的成長を音楽で完璧に伝えるOSTと言われており、新しい環境下で絶えず学び、成長を求められるレジデントたちの現実を描きながらも未熟な彼ら彼女らをそっと応援する歌詞が温かい楽曲だ。

いつかは賢いレジデント生活 『When the Day Comes』

『いつかは賢いレジデント生活』は、TOMORROW X TOGETHERが歌う『When the Day Comes』もランキング上位に入った。主人公の1人が医師になる前、アイドル活動していた時の過去のヒット作として登場する。

恋に落ちるきっかけとなるシーンや、主人公を象徴するテーマ曲として視聴者に愛され、ドラマの放送終了後には、YouTubeなどでダンスチャレンジ動画を公開する人が続出。明るくテンポのよいナンバーとして親しまれている。

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