- Danmee(ダンミ)では、『韓ドラの天秤』と題し、韓国ドラマにまつわるあれこれを天秤にかけてその魅力や特徴を伝えている。
- 本記事では、時代劇とシンデレラストーリーという、ドラマファンが愛してやまない要素を一度に味わうことのできる『トンイ』(MBC/2010)と『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』(MBC/2013)にスポットを当てた。
- 趣の違う2つを天秤にかけ、両者の魅力を紹介する。

『トンイ』(上)、『奇皇后 ~ふたつの愛 涙の誓い~ 』(画像出典:MBC)
韓ドラロマンスの王道といえば、シンデレラストーリーが挙げられる。
惨めな境遇のヒロインが、困難に立ち向かいながら徐々に自分の求める未来を手に入れていく様は、長きに渡ってドラマファンを虜にしてきた。
大ヒット時代劇『トンイ』(MBC/2010)と『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』(MBC/2013)もその類の作品だ。
そこで本記事では、人気ジャンルの史劇とシンデレラストーリーを同時に満喫することのできる両作を天秤にかけてその魅力を比較・紹介する。
あらすじ
『トンイ』、とは李氏朝鮮時代を背景に、第19代国王・粛宗(スクチョン)の側室となり、後に第21代国王・英祖(ヨンジョ)の生母となった、賎民出身の主人公トンイ(ハン・ヒョジュ扮)の波乱万丈な一代記を描いたロマンチック時代劇。
粛宗とのロマンスや、女同士の権力争いをベースに、過酷な状況に置かれながらもまっすぐ前を見つめ、困難に立ち向かっていくトンイの姿が描かれている。
一方『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』は韓ドラでは馴染みの薄い、14世紀中期を舞台にした物語。
モンゴル帝国が高麗(コリョ)への侵攻を繰り返し、高麗が元の支配下に置かれていた時代を背景に、元に貢物として献上された高麗人女性スンニャン(後の奇皇后/ハ・ジウォン扮)が、異国の皇室で元の皇后にのぼりつめるまでの過程を描いたラブストーリーあり、権力争いありの壮大な歴史ドラマだ。
いずれの作品も女性主人公の生涯が題材。身分の低いヒロインが位の高い男性と繰り広げるロマンスと、権力の奪い合いという要素を盛り込んでいる点が共通している。 また、悪者が彼女たちの行く手を阻む部分に加え、権力を手に入れると民のために尽くす設定まで一緒だ。
こう見ると両作は酷似しているようにも見えるが実は似て非なるもの、物語の性質が違う。『トンイ』が比較的『宮廷女官チャングムの誓い』(MBC/2003)の世界観に近いのに対し、『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』は、強いて言うなら『善徳女王』(MBC/2009)をさらにパワーアップさせたような強烈さと激しさを持ったドラマだ。
主人公のキャラクター
話の大筋にさほど大差はないものの、全くの別物に仕上がった2作。脚本家や演出、出演者が異なるため当たり前だが、主人公のキャラクターも大きく関係しているといっても過言ではない。
”芯の強い女性”という面ではトンイもスンニャンも同じ、しかし2人は困難や窮地に陥った際のアプローチの仕方や人生の歩み方がまるで違う。これが作品のカラーを決定づけているようだ。
まずトンイは明るく正義感溢れる優しい性格を持ち、正攻法で問題に対処していくタイプ。やられたらやり返す思想はなく、ただ純粋に自らの歩む道を切り開いていくキャラクターだ。
その姿は”健気”という言葉がぴったり。ひたむきに努力する彼女を、父親のような気持ちで見守っていた世のお父さんは多かった。手を差し伸べ助けてあげたくなるかわいらしさを合わせ持ったしなやかな女性だ。

優しく健気なヒロイン、トンイ(画像出典:MBC)
一方スンニャンは情に厚いものの氷のように冷たい判断力で、容赦なく邪魔者を切り捨てていく。嫌がらせをされようものなら策を巡らし、手段は問わず周到な準備のうえで相手を陥れて確実に復讐する。
その様は悪役に見えるほど強烈、嫌味もお手の物で序盤に繰り広げられる女同士の戦いでは強さの中に怖さが見え隠れするハ・ジウォンの演技に驚かされるだろう。

強さの中に怖さが入り混じっているスンニャン(画像出典:MBC)
また後半は策略家としての色を濃くしていき、ますますかっこいい腹の座った女性に。どんなに打ちのめされようとも必ず立ち上がり、自らほしいものを貪欲に掴みにいくタイプのキャラクターだ。
このため、『トンイ』はどちらかといえばシンデレラストーリー色が強く、『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』はサクセスストーリーと言った方が適切かもしれない。
三角関係
両作には主人公の恋をより熱く盛り上げ観る者を魅了してやまない要素の1つ、三角関係が盛り込まれている。

『トンイ』で三角関係を繰り広げた粛宗、トンイ、チャン・ヒビン(画像出典:MBC)
トンイと王の恋を邪魔したのは、チャン・ヒビン(イ・ソヨン扮)。トンイに惹かれる王の姿が気にいらなかった彼女は、トンイに卑劣極まりない嫌がらせを繰り返しなんとか陥れようと必死に。
ドロドロとした嫉妬心丸出しで次々と陰謀を企て、彼女とは対照的なトンイの明朗な魅力をはじめ、王とヒロインのキュートなラブストーリーをより際立出せた。
スンニャンは、男気溢れる高麗王ワン・ユ(チュ・ジンモ扮)を愛しながら、弱く哀れで母性本能をくすぐる元の皇帝タファン(チ・チャンウク扮)に仕えた女性。真逆の魅力を持つ男性から同時に愛された彼女が、どうしようもない運命の渦に自らを投じ、最後にした選択とその過程がなんとも切ない。

『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』で三角関係を繰り広げたワン・ヨ、スンニャン、タファン(画像出典:MBC)
ワン・ユが好きなのか、はたまたタファンが好きなのか、単純に”愛”という物差しでは図ることのできない彼女の複雑な感情は観る者に考える余白を残している。
し烈な権力争いを繰り広げる傍らで、スンニャンがどちらを選ぶのか先の読めない展開が視聴者を釘付けにした。
****
芯の強い女性の波乱万丈な生涯を描いた『トンイ』と『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』。それぞれ異なる魅力を持っている。
まだ観ていないなら、ぜひご覧になってはいかがだろうか。
『トンイ』はU-NEXTとHuluで、『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』はU-NEXT、Hulu、Amazon Prime Video、TELASAから視聴可能だ。
奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜(動画出典:BS日テレ公式チャンネル)
トンイ(動画出典:BS12 トゥエルビ)
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