tvN(Netflix)ドラマ、『二十五、二十一』が好調だ。1998年、アジア通貨危機下の韓国を舞台に、将来の道を失いかけ、もがき続ける若者たちの姿を繊細に描いた内容が共感を呼んでいる。本作でヒロインを務めているのは女優キム・テリ。ここではそんな彼女の出世作であり、大ヒットを記録した2016年公開映画『お嬢さん』を紹介したい。
Netflixの新作ドラマ『二十五、二十一』が好調だ。

キム・テリは31歳とは思えぬくらい“高校生ナ・ヒド”になっている。(画像出典:tvN)
1998年のアジア通貨危機下の韓国を舞台に、もがき続ける若者たちの姿を繊細に描いた内容が、共感を呼んでいる。
本作で主演を務めるのは、モデル出身の人気俳優ナム・ジュヒョクと、tvNドラマ『ミスター・サンシャイン(2018)』で、今やハリウッド俳優となったイ・ビョンホンと共演し注目を集めた女優キム・テリ。
そんな2人のキャリアにも、改めて注目が集まっている。
ここではキム・テリの出世作であり、大ヒットを記録した映画『お嬢さん(2016)』を紹介したい。
異彩を放つセンセーショナルな世界観に、ぜひ注目して欲しい。
話題作への出演が続くキム・テリは、大学のサークル活動で演劇と出会い、卒業後本格的に劇団員として演技の道に入る。

キム・テリという女優の名を世に広めた大ヒット映画『お嬢さん』。((C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED)
そして2014年、映画『オールド・ボーイ(2003)』を始め“復讐3部作”で知られる名匠パク・チャヌク監督が手掛ける、6年ぶりの新作『お嬢さん』のオーディションに参加。1500倍の倍率を勝ち抜き、無名の新人女優が、話題作かつ主要キャストの座を射止めることとなった。
『お嬢さん』の原作は、2002年に発売されたイギリスの小説『荊の城』だ。ストーリーはほぼオリジナルのままに、舞台を日本統治時代の朝鮮へと変更。パク・チャヌクにより、見事な韓国映画として実写化された。
複雑な情勢の中で一攫千金を目論む詐欺師たちと、莫大な財産を持て余した令嬢の危険な駆け引きを描いた、官能的なヒューマンサスペンスだ。
両親を失い、日本名を名乗る叔父の上月(チョ・ジヌン扮)とともに、広い屋敷で暮らす“お嬢さん”こと秀子(キム・ミニ扮)。彼女は莫大な財産の相続権の持ち主だ。ある日彼女の元に、メイドとして珠子(キム・テリ扮)という少女がやって来る。孤独を抱え、世間知らずのまま生きて来た秀子は、珠子を頼りやがて身の回りの世話の一切を任せるように。

世間知らずの秀子は、珠子を頼り身の回りの世話の一切を任せるようになる。((C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED)
しかし珠子の正体は、詐欺団のリーダー藤原伯爵(ハ・ジョンウ扮)の指示により、送り込まれた少女スッキだった。
スッキの役割は、秀子が藤原伯爵に惚れるよう仕向けること。にもかかわらず、いつしかスッキと秀子の間には、”主人とメイド”という関係を超えた秘めた絆が育っていて‥。
“お嬢さん”を狙う詐欺師たちの計画と、女同士の危険な欲望の結末はいかに。
韓国映画史上、最上級の甘美と危うさを放つと言われている本作は、そのセンセーショナルな内容から成人映画(R19)指定となるが、約430万人もの観客を動員し大ヒットを記録した。

珠子の正体は、詐欺師軍団の一味スッキだった。((C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED)
ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、キム・ミニという実力派俳優に囲まれた無名女優だったキム・テリは、長編映画初挑戦ながらも、堂々たる演技で脚光を浴びることに。その結果、様々な映画賞で演技賞を受賞、まさに彼女にとって『お嬢さん』は、運命的な出世作となったのである。
そんな本作は、刺激的な内容がトピックになりがちだが、文学性・芸術性に富んだ作品としても評価されている。
原作の小説と同様3部構成で描かれており、第2部以降はストーリーが大きく転換する演出がなされている。騙しているのは本当は誰なのか、秀子の正体は、スッキの真意とは‥。
第1部で描かれたものが、番狂わせとなる緻密な構成は観る者を魅了し、作品の深い場所へ誘うよう。また撮影された場所は、実在する三重県の邸宅だといい、日本統治下の朝鮮の豪邸を再現した映像美の数々にも、ぜひ注目してほしい。
『お嬢さん』公開から6年。彗星のごとく俳優界に登場して以来、順調にキャリアを重ねているキム・テリ。
名作の多い韓国映画の中でも異彩を放ち続ける『お嬢さん』で、彼女の原点に触れて見るのも良さそうだ。
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