Netflix(ネットフリックス)を通して、社会現象を巻き起こす韓国作品が相次ぐ中、『地獄が呼んでいる(邦題)』が話題だ。メガホンを取ったヨン・サンホ監督は、これまで映画『新感染 ファイナル・エクスプレス(邦題/2016)』『サイコキネシス -念力-(邦題/2018)』など、世界の映画ファンを魅了する作品を生み出している。そんなヨン・サンホとは、一体どんな人物なのだろうか?
Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『D.P.─脱走兵追跡官─』『イカゲーム』『マイネーム:偽りと復讐』‥世界で人気を博し、社会現象を巻き起こす韓国作品が相次ぐ中、現在、ある作品が注目されている。
それは、ヨン・サンホ監督がメガホンを取った『地獄が呼んでいる(邦題)』だ。

世界的な大ヒットとなっている『地獄が呼んでいる』(画像出典:韓国Netflix)
彼はこれまで、映画『豚の王(アニメ/2011)』『新感染 ファイナル・エクスプレス(邦題/2016)』『新感染半島 ファイナル・ステージ(邦題/2020)』などで、世界中の映画ファンを魅了してきた。そんな彼が演出した『地獄が呼んでいる』が世界的ヒットを記録。
11月26日(韓国時間)、オンライン動画サービス(OTT)ランキング集計サイトのFlixPatrol(フリックスパトロール)によると、前日基準のNetflix TVショー部門ワールドランキングで1位を獲得。ワールドランキングの最上位圏に上がり、国内外で関心を集めることとなった。
一風変わった? 演出家

ヨン・サンホ監督(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:Netflix)
ヨン・サンホは現在41歳(日本年齢)で、映画監督でありアニメーション監督である。
デビューは1997年、ストップ・モーション映画『Dの誇大妄想を治療する病院で治療を終えた患者が観る窓の外の風景』だ。
映画監督というのは、アシスタントから徐々に昇格していくのがいわゆる一般的であるが、彼の映画監督人生は、そういう意味ではユニークな方法で始まっている。
以降、アニメーション映画を制作し続け、その中の1つが『地獄が呼んでいる』の原作となった『地獄:2つの命』。本作は一部で高評価を得て、日本の映画祭や独立アニメの映画祭などに招待されているが、興行的な成功とはならなかった。
ようやく日の目を見たのが、2011年公開のアニメ映画『豚の王』である。

((C)2011 NEXT ENTERTAINMENT WORLD INC.& Studio DADASHOW All Rights Reserved.)
『豚の王』は、韓国の長編アニメ史上、初めてカンヌ映画祭の監督週間に招待されるという快挙を成し遂げ、これをきっかけに大衆に彼の名が知られるように。劣悪と言われていた韓国のアニメーション業界に、一石を投じたとも言われた。
私の仕事は、俳優に大きな枠組みを作ってあげること
彼は、アニメーション映画の演出では主に社会批判が特徴だ、ゆえに、陰鬱な雰囲気の作風が多い。

ヨン・サンホ監督の作品『新感染 ファイナル・エクスプレス』(左)『新感染半島 ファイナル・ステージ』(画像出典:movie.naver)
しかし、初の実写映画監督作であり、出世作となった『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、これまでとは様子を変えたゾンビブロックバスターだった。これが功を奏したのか、「アニメーションとは違い、残忍さがない」と言われ、大きなスケールと適切なアクション、温かくヒューマニズムな内容が、観客の支持を得たようだ。
それでも、彼の演出に関しては賛否両論を呼び、映画『サイコキネシス -念力-(2018)』以来、台本の読み合わせすることをやめたという。代わりに、コンテ(撮影・演出台本)に対する細かなブリーフィングを1日から2日にかけて行うことにした。
その理由を、ヨン・サンホ監督はあるインタビューでこう語る。
「台本の読み合わせは、一種のセレモニーのような気がして不要だと思った。だから明確な計画を共有し、映画の全体像を出演者の頭の中に描いてあげることにした。そうすることで、俳優たちは私が望む演技、もしくはそれ以上を準備してくれるし、キャラクターをより魅力的にしてくれる。私の役割は、大きな枠組みを作ってあげることであり、その中で俳優たちが、自由に遊べることだと思う」
1人で決めるのではなく、出演者やスタッフと歩幅を合わせながら、楽しく撮影を行うことをモットーとする。ヨン・サンホ監督の、懐の広さや演出家としての才能がうかがえる。
あの日本の人気アニメが原点

アニメーション監督でもあるヨン・サンホ氏(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:Netflix)
ヨン・サンホ監督は、好きな映画監督を聞かれれば、アニメ監督の名を挙げるほど、大の漫画&アニメ好きである。
自身の人生における映画は、沖浦啓之監督の『人狼 JIN-ROH』を挙げるほどだ。
2016年に開催された『青春アリーナフェスティバル』に登壇した際も、「学生時代は、日本のアニメオタクだった」と打ち明けている。
ジブリ作品を手がける宮崎駿や、『AKIRA』の大友克洋、『マインド・ゲーム』の湯浅政明、古谷実(!)が特に好きだということだ。
また、『君の名は。(2016)』などで知られる、新海誠監督の作品も、もちろんよく見ているという。
(関連記事)着信アリ、20世紀少年‥Netflix『地獄』に込められた日本コンテンツの’息吹’
彼自身、そのような偉大な監督に大きな影響を受け、現在の制作業、監督業に携わるようになったのは自然の流れだろう。
最近は、映画やアニメーションだけではなく、Netflixなどを通して、ドラマ作品を手がけることが多くなった。
演出だけでなく、脚本を担当したり、監督と脚本どちらも担当したりするなど、活動の幅を広げている。
様々な経験を通して、培った表現力や演出力、吸収力などが、ヨン・サンホ監督の様々な作品で良い方向に反映され、世界中の人々を魅了する作品に仕上がっているのではないだろうか。
現在、ヨン・サンホ監督は、Netflix映画『ジョンイ(仮題)』の撮影を進めており、TVING(CJ ENMが配信するAndroidエンタテイメントコンテンツ)で配信予定の『怪異(邦題)』 の制作と脚本作業に参加中である。
さらに、『地獄が呼んでいる』シーズン2をウェブトゥーンで先に公開する準備をしており、ドラマ『謗法~運命を変える方法~(2020)』シーズン2も次回作にあるなど、忙しい日程が決まっている。

ヨン・サンホ監督が初めてドラマ脚本を手掛けた作品『謗法~運命を変える方法~』(画像出典:tvN)
今後も、ヨン・サンホ監督が手がける様々な映画、アニメーション、漫画、ドラマに、世界中から関心が集中し続けるだろう。
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