- 今年最もホットな映画『墓破/パミョ』(2024)が日本で封切りされたのを機に、韓国のオカルト映画が脚光を浴びている。
- 悪霊が恨みや復讐心を持つケースが多く、自国で信仰されてきた巫俗文化が盛り込まれるなど、独特の世界観が特徴だ。
- 日本の映画ファンが肝を冷やした名作で、FilmarksとGoogleで高評価を得た5作品を紹介する。

日本で封切りされた『墓破/パミョ』(画像出典:SHOWBOX)
本国での観客動員数1000万人を突破した『墓破/パミョ』(2024)が、10月18日に日本で封切りされた。本作の登場によって今、「韓国オカルト映画」が脚光を浴びはじめている。
同ジャンルの最大の特徴は、悪霊が単なる物の怪ではなく、恨みや復讐心を持っているケースが目立つこと。また、お祓いをするのが巫女や祈祷師など、本国で長きに渡って信仰されてきた巫俗文化が盛り込まれているという点だ。
オカルトものといえば、アメリカ映画の『エクソシスト』が代表されるが、韓国のそれは日本の作品とどこか通ずる部分がありながらも、自国特有のシャーマニズムがなんとも言いようのない世界観を作り出して、日本人にとっては親しみのなかに新鮮さをプレゼントする。
そこで本記事では、日本最大級の映像レビューサイトFilmarksとGoogleユーザー評価において高評価を得たKオカルトを5つ紹介する。映画ファンが肝を冷やした名作揃いだ。
呪呪呪/死者をあやつるもの (2021)
『呪呪呪/死者をあやつるもの』は、ドラマ『謗法~運命を変える方法~』(tvN/2021)のスピンオフ映画。呪術に操られた屍に立ち向かう者たちを描いたゾンビアクションだ。
『新感染』シリーズ(2016、2020)で知られる脚本家ヨン・サンホが手掛けており、Kゾンビを堪能できる作品となっているが、人を呪い殺すことのできる呪術師の少女が登場するなどオカルト要素も含まれており、異様な雰囲気が観る者の興味をそそる。
一見フィールドの異なる呪術とゾンビという素材を、うまくミックスさせたエンターテインメント性抜群の作品だ。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月23日現在):U-NEXT、Amazon Prime Video、Rakuten TV、Hulu、DMM TV
●Filmarks評価/レビュー数:★3.3/992件
●Googleユーザー評価:69%

『呪呪呪/死者をあやつるもの』(画像出典:naver movie)
(動画出典:シネマトゥデイ)
サバハ (2019)
主演イ・ジョンジェの熱演が光る『サバハ』は、2015年公開の映画『プリースト 悪魔を葬る者』や、今まさに注目を浴びている『破墓/パミョ』(2024)を手掛けた鬼才チャン・ジェヒョンが脚本と演出を務めた人気作。
ある新興宗教を追い始めた牧師が女児大量虐殺事件に辿り着き、事件の真相を暴こうとする執念と奮闘を描いている。
冒頭から巫女が儀式を行うシーンが描かれており、それによって邪悪なものを取り払おうとする韓国に土着した文化が登場。カルト的要素と相まった不穏な空気の中、物語が展開されていく。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月23日現在):Netflix
●Filmarks評価/レビュー数:★3.5/1491件
●Googleユーザー評価:59%

『サバハ』(画像出典:naver movie)
(動画出典:CJ ENM Movie)
憑依 (2023)
カン・ドンウォン主演の『憑依』は、同名の人気ウェブ漫画を原作にしたホラーエンターテインメント。本記事内の作品の中で最もGoogle評価が高く、本国では公開初日から6日間連続で観客動員数トップを誇った。
霊感がなく霊の存在を全く信じていないインチキ祈祷師が、悪鬼の出現によって本物の祈祷師として覚醒し、人に憑依して向かってくる霊と戦いを繰り広げていく物語だ。
韓国の伝統的な祈祷師をモチーフに退魔シーンなどを描きながらも、主人公の衣装をスーツにするなど、スタイリッシュな仕上がりになっているのが本作の大きな特徴となっている。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月23日現在):配信未定
●Filmarks評価/レビュー数:★3.5/288件
●Googleユーザー評価:86%

『憑依』(画像出典:naver movie)
(動画出典:シネマトゥデイ)
哭声 コクソン (2016)
Filmarksのレビュー数が10000を超えるなど、多くの日本人に視聴されたのが『哭声 コクソン』。韓国のゴールデングローブ賞といわれる『百想芸術大賞』で、作品賞に輝いたサスペンススリラーだ。
國村隼を主演に迎え、ある平和な村にやってきた得体の知れない日本人の男を中心にストーリーが展開されていく。不可解な事件が多発し、男の正体と事件の犯人が気になる作品だ。
そんななか、登場して劇をより盛り上げるのが、男を悪霊だと主張するファン・ジョンミン扮する祈祷師。どこかおどろおどろしさのある儀式という行為を、より薄気味悪く描き出しどこに着地するのか分からない面白さを観る者にプレゼントしている。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月23日現在):U-NEXT、Lemino、Rakuten TV、Hulu、みるアジア
●Filmarks評価/レビュー数:★3.7/10285件
●Googleユーザー評価:78%

『哭声 コクソン』(画像出典:naver movie)
(動画出典:oricon)
ディヴァイン・フューリー/使者 (2019)
最後は、パク・ソジュン主演の『ディヴァイン・フューリー/使者』。幼くして父親を失くし、神への信仰を失ったまま大人になった総合格闘技のチャンピオンが、父のような司祭に出会って悪魔と対峙する物語だ。
前出の4作とは若干カラーの異なる作品で、オカルトの様相をしたファンタジーアクションと表現するのがふさわしい。
しかし、主人公の運命を変えるキャラクターとして、巫女を登場させるあたりが韓国映画ならでは。その他、映像美にはじまり痛快アクションや、パク・ソジュン&アン・ソンギの息の合ったバディー演技まで見どころが盛りだくさんだ。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月23日現在):U-NEXT、Amazon Prime Video、Rakuten TV、DMM TV
●Filmarks評価/レビュー数:★3.4/1837件
●Googleユーザー評価:85%

『ディヴァイン・フューリー/使者』(画像出典:ロッテエンターテインメント)
(動画出典:シネマトゥデイ)
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