• Netflix韓国映画『啓示』が配信3日で570万視聴を記録し、グローバル非英語映画1位に。
  • 神の啓示を信じる牧師と過去に苦しむ刑事の信念が交錯する心理スリラー。
  • キュアロン監督も制作に参加し、完成度と国際的な注目度が高い話題作。

画像出典=©Netflix

Netflixで配信が始まった韓国映画『啓示』が、3月21日公開からわずか3日間で570万視聴数を記録し、NetflixグローバルTop 10映画部門(非英語)で1位にランクインする快挙を達成した。

韓国映画が同ランキングで首位を獲得するのは、2024年春に話題となった『配達人 ~終末の救世主~』以来のことである。

本作『啓示』は、人間の信念がいかにして善悪の境界を曖昧にし、時に残酷な行動を正当化するのかを描いた心理スリラーである。

神の啓示を受けたと信じ込む牧師、そして過去の悲劇に囚われた刑事。2人の主人公が、それぞれの信念に基づき「正義」を追い求める姿を通して、観る者に問いかけるのは、人間の本質とは何かという重いテーマだ。

物語の中心となるのは、小都市の教会で活動する牧師ミンチャン(リュ・ジュンヨル扮)。彼はある日、息子を誘拐した犯人が「神の啓示」により明かされたと信じ込み、その人物ヤンレ(シン・ミンジェ扮)への断罪を試みる。

一方、刑事のヨニ(シン・ヒョンビン扮)は、ヤンレとミンチャン双方の行動に不信感を抱きながら、事件の真相に迫っていく。妹を犯罪で失った過去を抱えるヨニは、精神的に疲弊しながらも、真実を突き止めようと執念を燃やす。

こうした登場人物たちの内面を丹念に描いた脚本は、視聴者に強烈な没入感を与えている。宗教的狂信、復讐心、そして正義の名を借りた暴力といったテーマは、韓国社会における現実的な問題ともリンクし、議論を呼んでいる。

韓国国内における反響も大きい。国内最大の評価データプラットフォーム『Watcha Pedia』が発表した3月第4週の「HOT 10」では、『啓示』が映画部門で2位にランクイン。ディズニーの新作ファンタジーミュージカル『白雪姫』や、ポン・ジュノ監督のSF話題作『ミッキー17』を抑えての高評価は注目に値する。

さらに『啓示』の完成度の高さを語る上で欠かせないのが、アカデミー賞受賞監督アルフォンソ・キュアロン氏の参加である。彼はエグゼクティブ・プロデューサーとして本作に名を連ねており、Netflixが公開した対談映像の中で「ヨン・サンホ監督とは以前からコラボレーションしたいと思っていた」と語っている。

キュアロン監督が初めてヨン・サンホ作品に触れたのは『豚の王』。その後、『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観て「完璧な映画」と評し、大きな感動を覚えたという。

一方、ヨン監督もまたキュアロンの代表作『トゥモロー・ワールド(Children of Men)』の演出に強い影響を受けており、「エンディングシーンは『新感染 ファイナル・エクスプレス』にも反映されている」と明かしている。

このように、国際的な評価とクリエイター同士の相互影響が交錯する『啓示』は、単なるスリラー映画の枠を超え、現代社会における「信じること」の危うさを鋭く突く作品となっている。

宗教というデリケートな素材を慎重に扱いながらも、信念が人を導くと同時に狂わせる可能性を浮き彫りにし、観る者に問いを投げかける——まさに「問題作」と言わざるを得ない。


『啓示』予告編 – Netflix




ご意見を自由にコメントしてください!

記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。

編集部おすすめ記事blank

サイトの広告について

Danmee(ダンミ)は、収益化の一環としてオンライン広告を展開しております。広告の内容(公序良俗を害するもの)や、可読性の低下につながる広告に関するご意見はこちらのフォームをご利用ください。

この記事と関連度が高いトピック

現在読まれています!

最新記事

RECENT TOPICs