• 感動作『不思議の国の数学者』(2022)を紹介します。
  • 大嫌いだった数学が、素敵な学問に見えてくるほど、温かな人間ドラマが印象的。
  • 哲学的なのに小難しくなく、メッセージ性までもっていてスッと心に入り泣かせにきます。
『不思議の国の数学者』は、数学を題材にした映画

数学を題材にした映画『不思議の国の数学者』(画像出典:naver movie)

Danmee(ダンミ)読者の皆さんは学生の時、数学は好きでしたか?私は、嫌でたまらずテストの度に憂鬱‥。結局、面白さが分からないまま、なんとな~くやり過ごして学生時代を終えたタイプです(笑)。

もちろん今でも好きじゃないですが、そんな私に「もしかしたら、素敵な学問なのかも‥」と思わせてくれたのが、映画『不思議の国の数学者』(2022)。高校生が、北朝鮮の天才数学者に数学を教えてもらうことになって始まる物語です。

あんなに嫌いだった教科が段々魅力的に見えてくるほど、数学を介した人間ドラマがとっても温かくて、役者の熱演と美しいストーリーに、すっかりやられちゃいました。

しかも、押しつけがましくない程度にメッセージ性まで持っていて、哲学的なのに小難しくないんです。またひとつ名作に出会えたな~という印象。味見程度にどのような作品なのか紹介してみますね♪

ざっくりあらすじ

物語は、すっごくシンプル。天才数学者イ・ハクソン(チェ・ミンシク扮)と、落ちこぼれ学生ハン・ジウ(キム・ドンフィ扮)が偶然出会って親交を深め、人生を見つめなおしていく話です。

天才数学者イ・ハクソンと、落ちこぼれ学生ハン・ジウ

天才数学者イ・ハクソンと、落ちこぼれ学生ハン・ジウ(画像出典:naver movie)

正体を隠して、名門私立高校の夜間警備員として勤務する脱北者で天才数学者という設定や貧困など、両者の背景には色々あるけれど、つまるところ2人の絆が物語のベース。

父と息子のような、友情で結ばれた友達のような、人生の先輩と後輩のような‥。出会いって大切なんだと感じさせられる、一言では形容しづらい様々な面を持った関係性によって、お先真っ暗だと思って諦めていた2人が変わっていきます。

希望と悲劇

そんな両者の出会いは、ジウの数学の成績が悪く担任に転校を勧められ途方に暮れていた時のこと。

なんだかハテナな状況ですが、貧困家庭の子どもを救済する制度によって進学校に入学したものの、学力の面で追いつけなかった彼には厳しい現実が待っていたんです。

しかし、そんなジウの前に一筋の光が!そう、天才数学者のご登場です。まるで神様の思し召しであるかのように、偶然が重なって運命の出会いを果たした2人。

ジウはわらをもつかむ思いで、数学を教えてほしいとせがみ、最初は断っていたものの、結局イチゴ牛乳を対価にハクソンが承諾して、2人だけの秘密の授業がスタートします。

秘密の授業をするハクソンとジウ

秘密の授業をするハクソンとジウ(画像出典:naver movie)

お国柄、猛特訓が始まるのかと思いきや、受験を意識した学習ではなく、数学の面白さや魅力を伝えていくハクソン。「正解が全てじゃなくて、問題を解く過程が大切なんだよ」と、教えてあげるんです。数学を人生になぞらえているシーンですね。

そしてそこには、ハクソンの言葉を素直に受け取るジウの姿が。漫画でいうなら、背景がキラキラした感じとでも言いましょうか・・。勉強している部屋は薄暗いけれど、春風が吹き抜けるような爽やかさが漂っていて、なんとも素敵なやり取りがなされていきます。

そんななか迎えた超難問ばかりが並ぶテスト“ピタゴラス・アワード”。ジウが好成績を残したのは言うまでもありません。「正解が全てではない」というハクソンの教えは、間違いのない答えが求められる試験においても、通用することを暗に観る者に伝えてくる瞬間です。

ですがここで問題発生! 劣等生だったジウが急にいい点をとったものだから、話はおかしな方向に。いやぁ~、さすが韓国映画。どん底から希望を見せておいて、上げて下げて観る者を惹きつけてきます。

ジウが、試験用紙を盗んだ疑いをかけられてしまうんです~。頑張っただけなのに、なんでこうも報われないのかため息ものです。まさに悲劇! しかも、証拠とみなされてもおかしくないものも残っていて・・。ぐうの音も出ない状況をどう切り抜けるのやら‥。

『不思議の国の数学者』

『不思議の国の数学者』(画像出典:naver movie)

テストで良い成績を残したところまででもお腹いっぱいですが、ハクソンがなぜ息子を失ったのか、脱北した理由など、彼の正体も徐々に明らかになっていき、この後にはさらに気になる展開が待っています。違和感たっぷりのイチゴ牛乳の伏線回収も。

そして最後には名俳優チェ・ミンシクが、しっかり泣かせにきますよ。もちろん、ジウを演じたキム・ドンフィにもご注目。各授賞式で新人賞を獲得した折り紙付きの演技は圧巻です。

配信&放送情報

日本でも、楽しんでみた人が多いようで、映画やドラマなどのレビューサービス映画.comでは星5つ中4.0個を獲得。Googleレビュー評価ではなぜか70%で、意外に低い数字ですが、そこまで悪いわけではなく、隠れた名作ともいえる映画とでもいいましょうか。

動画配信サイトでは、Amazon Prime Video、DMM TV、FOD、J:COM STREAM、U-NEXT、Rakuten TV、Huluで配信中。(2025年3月26日現在)

テレビでは、2025年4月7日(月)を皮切りに、アジアドラマチックTVで4月中に複数回放送される予定です。(※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。)

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

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