- ソン・ガンホ、ソル・ギョング、キム・ユンソクが今年、ドラマに出演するとして話題を呼んでいる。
- 頑なにスクリーンを選んできた銀幕のスターたちが、お茶の間を活躍の場に選んだのには近年の映画の不振が影響している。
- 3人が置かれている状況を映画の成績とともに振り返り、気になる彼らの新作ドラマを紹介する。
韓国映画界における大物俳優のドラマ出演が話題を呼んでいる。ソン・ガンホ、ソル・ギョング、キム・ユンソクの3名だ。
一昨年には映画『オールド・ボーイ』(2003)で知られるチェ・ミンシクが、26年ぶりにお茶の間に帰ってきて注目を浴びたが、ベテランの急な路線変更に触発されたのか、頑なにスクリーンを選んできた他の銀幕のスターたちも重い腰を上げた。今、韓国芸能界に異変が起こっている。
ドラマで成功後、映画に移行して戻ってこない役者が多いように、映画俳優のステータスの方が高い風潮があるなか、体裁にこだわっていられないほど近年映画界が不振続きだから。
特に昨年は作品数が多かったものの当たりがなく、ヒョンビンをはじめパク・ソジュン、ハ・ジョンウ、イム・シワン、そして冒頭で触れたソン・ガンホとソル・ギョングの出演作も興行に失敗。中には莫大な制作費を投入したものもあったが全て大コケした。
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Netflix(ネットフリックス)や、Disney+(ディズニープラス)など、オリジナルシリーズが世界的ヒットを飛ばしたドラマ界とは雲泥の差。役者として生き残るには自身のスタンスを変えるほかない状況に陥った彼らが、挽回の切り口にする新作ドラマを紹介する。
ソン・ガンホ
ソン・ガンホは昨年、『クモの巣』(2023)が損益分岐点を超えられず失敗。その前年は『ベイビー・ブローカー』(2022)が高く評価されたものの興行成績はいまいちで、ブロックバスター『非常宣言』(2022)も観客動員数200万人程度という結果に。
『パラサイト 半地下の家族』(2019)で脚光を浴びた人物とは思えないほど不振続きで、相当追い込まれたのか、役者人生34年目にして初めて今年ドラマに出演する。
1960年代初頭の激動期を生きた2人の男性が繰り広げる『サムシクおじさん』(Disney+)だ。
ソン・ガンホはたとえ戦争中であっても1日3食必ず食べるという鉄則を持つ主人公パク・ドゥチル役を演じるそうで、5月に配信が予定されている。
ソル・ギョング
ソル・ギョングは、『シルミド/SILMIDO』(2003)や、『殺人者の記憶法』(2017)など、数々の作品を大成功へと導いてきた俳優だが、2019年以降は映画館に閑古鳥が鳴いている状態。
昨年も例外ではなく、計3作が劇場公開されたが最も観客動員数が多かった『PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ』(2023)でもわずか66万人程度。“興行失敗俳優”というレッテルを貼られてもおかしくなく、そんな彼が出した泣きの一手がNetflixオリジナルシリーズ『旋風』。約29年ぶりに出演する韓国ドラマだ。
腐敗した巨大な権力を根こそぎなくしてしまいたい国務総理と、彼に対抗する経済副総理の対立を描いた物語。
大女優キム・ヒエと息を合わせることが分かっており、ソル・ギョングは国務総理役に扮するという。今年7月~9月頃の配信予定だ。
キム・ユンソク
キム・ユンソクは映画界に欠かせない実力派俳優で、どんな役もお手の物。これまで『チェイサー』(2008)や『ワンドゥギ』(2011)、『1987、ある闘いの真実』(2017)などヒット作を生み出してきた。
ところが昨年は、『露梁:死の海』(2023)が損益分岐点を超えられないどころか全く手が届かず残念な結果に。
今年、約18年ぶりに出演するNetflixオリジナルシリーズ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』で、新たな活路を見いだせるのか期待される。
物語は、ある年の夏にペンションに現れた怪しい女性によって日常が壊れはじめるペンションのオーナーが、自分の人生を守るために奮闘するミステリースリラー。キム・ユンソクは、退職金と銀行から借りたお金でペンションを買収した主人公チョン・ヨンハを演じる。
日本でもよく知られる『夫婦の世界』(JTBC/2020)を手掛けたモ・ワンイル監督の新作で、キム・ユンソクが主演を務めるとあってすでに熱い視線を浴びている作品の1つだ。
長年スクリーンで活躍してきたスターは、果たしてお茶の間でもその実力を存分に発揮しドラマファンに愛されるのだろうか。ドラマが彼らにとって、俳優人生の突破口となるのか注目される。
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