少女時代(SNSD)のメンバーであり女優のイム・ユナが、MBCの新作ドラマ『ビッグマウス』に出演中だ。女優業も板につき、今や人気俳優の仲間入りを果たしているが、過去には出演作が酷評を受けたことがあり、一風変わった経験をしている。本記事では、そんな作品を紹介する。

MBCの新作ドラマ『ビッグマウス』が、第1話から最高視聴率7.8%を記録し、快調なスタートを切った。

『ビッグマウス』は、MBCの新作ドラマ。

MBCの新作ドラマ『ビッグマウス』(画像出典:MBC)

少女時代(SNSD)のメンバーで女優のイム・ユナ(以下、ユナ)と、俳優のイ・ジョンソクという旬の2人が主演を務めているだけに、今後の行方が期待されている。

イム・ユナとイ・ジョンソクは、『ビッグマウス』に出演中。

『ビッグマウス』に出演中の、イム・ユナ(左)とイ・ジョンソク(右)。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

しかしユナは前作『ハッシュ~沈黙注意報~(2020/JTBC)』で、残念ながらあまり良い結果を残せなかったことをご存じだろうか。常にスポットライトを浴びているように見えるだけに、“意外だ”と感じる人もいるだろう。

同作には、韓国を代表する俳優のファン・ジョンミンも出演していたのだが、初回放送の視聴率が3.3%で、以降上昇することなく、平均視聴率2%台という寂しい数字のまま、最終回を迎えている。

脚本や演出に多少難があり、没入度を妨げていたというのが視聴者の大方の評価だ。

ユナ自身に演技などの問題があったわけではないが、彼女は現在『ビッグマウス』で、なんとか名誉を挽回したい状況に置かれていると見られる。

JTBCドラマ『ハッシュ』は、酷評を受けた。

酷評を受けた、JTBCドラマ『ハッシュ』(画像出典:JTBC)

ところで、ユナの出演作が酷評を受けたのは『ハッシュ~沈黙注意報~』が初めてではない。約14年前、初主演でお茶の間に登場したKBS1『君は僕の運命(2008)』でも似たような状況を経験した。

同作は彼女にとって、唯一大ヒットした韓国ドラマとして有名なのだが、これが少々特異な作品で、世間から辛辣な意見を浴びながらも最終回ではなんと、最高視聴率43.6%という記録を打ち出している。

KBS1『君は僕の運命(2008)』は、イム・ユナのドラマ初主演作品。

イム・ユナのドラマ初主演作品、KBS1『君は僕の運命(2008)』(画像出典:KBS)

気になるのは、視聴者の批判を受けた原因。

まず1つ目は、“ドロドロとした人間関係”というお決まりのパターンが理由だという。

企画意図では、臓器移植や養子縁組に対する社会的観念の変化が掲げられており、メッセージ性のある温かなイメージを受けた。ところがいざ蓋を開けると、第1話から友人が家賃を持ち逃げするという、衝撃的なシーンが流れる。そして、放送回を追うごとにさらにドロ沼化していく。

2つ目には、臓器移植に関する誤った情報や描写があり、これが問題視された。定義すら間違っていたと指摘され、見る者に誤解を与えかねないセリフなどがあったためだ。社会の風潮に一石を投じるどころか、むしろ悪化させたのではないかとの意見も。

そして3つ目は、当初の予定よりも話数を増やし、より一層強烈なドロ沼劇を展開させたことが原因だ。高視聴率を記録したにもかかわらず、このまま終わるのが惜しかったのではないかと見られている。

その結果、無理に取ってつけたような過剰なストーリーが展開され、ネットユーザーの間で揶揄されることに。

しかし結果的に『君は僕の運命』は大ヒットした。これは、同時間帯に他のチャンネルでドラマが放送されていなかったことや、お決まりのパターンを好む層が一定数存在していたからだと言われている。

またユナの出演がきっかけとなり、少女時代のファンを取り込んだ点においても、高く評価された。酷評されながらも、すさまじい視聴率を記録するという、極めて珍しいケースと言えるだろう。

こうして、相反する不思議なエピソードを持つ同作は、ユナの女優人生において一風変わったキャリアの一つとなっている。

果たして『ビッグマウス』は、彼女のフィルモグラフィーを代表するような作品となるだろうか。今後のストーリーから目が離せない。

(構成:西谷瀬里)







少女時代

2007年に、SMエンターテインメント練習生の中から選抜された9人のメンバーによって『また巡り逢えた世界』でデビュー。2009年に発表した『Gee』は日本でも大ヒットとなり、日本でも精力的に活動していた。

2015年にジェシカが脱退し、現在は8人組として活動している。2017年に、ティファニー、スヨン、ソヒョンがSMとの契約を満了したがメンバーは”少女時代は変わらず8人”と言及している。

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