最近のアイドルグループは、1グループにつき最低1人は俳優や女優として活躍しているが、そんなアイドルの演技について、偏見の目で見る人たちも少なくない。しかしそんな中でも、演技力が評価され、成功したアイドル出身の俳優・女優が存在する。
「アイドルが演技?本業だけに専念してればいいのに..」
「アイドルの下手な演技のせいで作品性が落ちる」
「制作側が視聴率や観客動員数を目当てにアイドルをキャスティングする」
アイドルが演技をすると一段と視聴者の目も厳しく、ネット上でも叩かれてしまうことがよくある。”발연기(足演技)”という言葉をお聞きになったことはあるだろうか..プロの役者とは思えないような無表情で身振り手振りも弱く、ぎこちない演技をするような人のことをいう。別名で”ロボット演技”とも称される。
しかし中には、隠れた才能を発揮し、演技が評価されているアイドルもいる。自ら”アイドル=발연기”という汚名を払拭するため、努力を重ねた末、役者として成功をおさめたアイドル出身の俳優・女優を紹介していこう。
アイドル初! 観客動員数1000万人&カンヌ映画祭に参加したイム・シワン
2010年にアイドルグループZE:Aのメンバーとしてデビューし、ドラマ『太陽を抱く月』(2012)で俳優デビューを果たしたイム・シワン。ヒロインの兄ホ・ヨム役に抜擢され、抜群のルックスと安定した演技で、当時リアルタイム検索ワード1位にもなった。
2013年には映画『弁護人』で拷問シーンを代役に頼らず自ら演技、この映画は観客動員数1000万人を突破し、アイドル初の”観客動員1000万俳優”と呼ばれる。
ドラマ『未生-ミセン-』は、“ミセンシンドローム”と言われ社会現象を巻き起こしたほどの大ヒットドラマで、主人公チャン・グレ役を熱演。
入隊直前に出演した映画『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』(2017)は、興行成績は失敗だったが、カンヌ映画祭に招待され、アイドルとして史上初のカンヌ入りというタイトルを手にした。
除隊後は、ドラマ『他人は地獄だ』(2019)に出演。次回作にも期待が高まっている。
週末ドラマのニューヒロインとなったAFTERSCHOOL出身のユイ
元々水泳選手だったユイは、バラエティ番組『スターの友達を紹介します』に元Wonder Girlsユビンの友だちとして登場。芸能事務所Pledisエンターテインメントにスカウトされ、AFTERSCHOOLとしてデビュー。
デビューしてすぐにドラマ『善徳女王』にコ・ヒョンジョンの子役、ミシル役として出演。続いて出演した『美男<イケメン>ですね』(共に2009)では悪役を演じ酷評を受けてしまう。
しかしKBS週末ドラマ『烏鵲橋の兄弟たち』(2011)のヒロインを演じ、放送当初は悪質コメントが多かったが、ドラマが進むと演技力も伸びドラマ自体も高視聴率をマーク、年末の授賞式では新人賞を受賞した。
ドラマ『チョンウチ』(2012)でもヒロイン役を引き受け、その後『黄金の虹』(2013)、『結婚契約』(2016)など出演作がすべてヒット、しかもこれまで受賞した賞は、すべて週末ドラマ作品だ。これらを受けて、彼女の今後の週末ドラマ出演に期待がかかる。
2PMの隠れた演技派アイドル ジュノ
元々俳優志望だったジュノだが、2PMでは他メンバーが先に俳優業を始め、ジュノは遅れて俳優活動のスタートを切ったにも関わらず、一番実のある結果を残している。
2013年に映画『監視者たち』に主演で俳優デビューすると550万人を動員、興行的にも成功し、スタートから安定的な演技で好評を得る。『二十歳』(2014)では、キム・ウビン、カン・ハヌルと共に主演を任され、『メモリーズ 追憶の剣』(2015)では時代劇にも挑戦した。
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またドラマ『記憶』(2016)、『ただ愛する仲』(2017)も演技は高評価、『キム課長とソ理事 ~Bravo! Your Life~』(2017)では初の悪役にも挑戦し、共演したナムグン・ミンと共に男性ベストカップル賞をもらう。『自白』(2019)でも変わらず演技、視聴率ともに良い評価を得た。
関係者たちの間で俳優として確実に認められているジュノ、現在は社会服務要員として服務中だが、除隊後もアーティスト活動のみならず俳優業にも期待したい。
アイドルの過去が忘れられた? すっかり女優の風貌を見せているmiss A出身 スジ
歌手志望でテレビのオーディション番組に参加した際、JYPエンターテインメントにスカウトされ、2010年にmiss Aのビュジュアル担当としてデビューしたスジ。
初のドラマ出演で主演を任されたドラマ『ドリームハイ』(2011)では、その演技力のなさで初回放送後に悪質コメントが溢れたが、ドラマ構成が良く、スジの演技力も徐々にアップしたため、同時間帯視聴率1位を獲得、スジは最高の女性アイドルの座についた。
そしてソ・イェジンの学生時代を演じた映画『建築学概論』(2012)は大ヒットし、ファンはこの映画を『スジ学概論』と呼び、スジは”国民の初恋”と呼ばれるように。本作はまさに彼女の代表作品である。
しかしその後、初主演を務めた映画『花、香る歌』(2015)は期待に反して“実力不足”を指摘され失敗に終わってしまう。キム・ウビンと共演したドラマ『むやみに切なく』(2016)も視聴率はさほど伸びず、『あなたが眠っている間に』(2017)も演技力は評価されたものの、作品自体は成功しなかった。
2019年、妊婦役に挑戦した映画『白頭山』は観客動員数825万を超え大ヒットを記録し俳優としての評価を巻き返す。同年出演のドラマ『バガボンド』でも演技面では高評価を得ている。
今年もドラマ、映画の出演でますます女優業に磨きがかかりそうだ。
キング of 演技ドル! EXOド・ギョンス
トップアイドルグループEXOでメインボーカルを担当しているD.Oことド・ギョンスの俳優デビューは、2014年に公開された映画『明日へ』だ。この映画での演技が好評を集め、映画評論家たちが“2014年注目すべき俳優”に声を揃えてD.O.を選出。
同年、『大丈夫、愛だ』でドラマデビュー、ルー・ゲーリック病(神経の難病)の演技で高評価を得た。翌年のドラマ『君を憶えてる』ではサイコパス役、映画『あの日、兄貴が灯した光』(2016)ではコミカルな演技をそつなく演じ、青龍映画祭で新人賞を受賞した。
そして映画『神と共に』(2017、2018)シリーズでアイドル初となる、2作品1000万観客動員数突破俳優と呼ばれる。さらに製作予定の第三章では、D.O.が演じたキャラクターが主役だと言われている。また初の主演ドラマとなった時代劇『100日の郎君様』(2018)は、視聴率も良く、話題になった。その他、興行的には成功と言えない作品もあるが、演技は引き続き高評価を得ている。
同世代の俳優の中でも最高のカリスマの持ち主D.O.は、来年兵役を除隊する予定で、EXOとしての活動を待つファンも多いが、俳優ド・ギョンスとしての活動を期待する声も多い。
このようにアイドルとしてデビューしても、俳優としての才能を発揮している人たちが多数存在する。今後も様々なドラマや映画に出演し、その才能を発揮していって欲しい。
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