- 日本でもよく耳にする”終活”というフレーズ。韓国でもこの文化が大衆の関心を集めている。
- ドラマや映画界も同じく、”死”を扱った作品が続々と誕生し、現在のトレンドとなっている。
- ここでは、これまであまり見られなかった”死”という世界観を描いた作品を紹介する。
日本でもよく耳にする言葉、”終活”。一度は聞いたことのあるフレーズですよね。
韓国ドラマ界でもトレンドとなっているのが、終活をはじめとした”死”をテーマにした作品です。
現在、韓国ドラマ界では、心身共に満たされる質の良い生活を目指す”ウェルビーイング(Well-being)”よりも、生きてきた日々を美しく終えようとする”ウェルダイイング(WellDying)”を色濃く反映したドラマが数多く誕生しています。現実世界と同じく、このような文化がドラマ界にも広がっているようです。
特に、SFジャンルのドラマでは、レベルの高いコンピューターグラフィックス(CG)と、”ウェルダイイング”文化が融合し、死を眺める多様な見解と悩みを解きほぐすような作品が制作されています。
韓国にて、オンライン動画サービス(OTT)TVINGにて相当な関心を集めているドラマ『ヨンダー(原題)』(主演:シン・ハギュン、ハン・ジミン)は、亡くなった妻の記憶で設計された仮想空間で妻と再会し、この世で得られなかった息子を抱いてみるというストーリー。
科学技術の進歩が作り出した世界”ヨンダー”に向き合った人々を通じて、”生と死”、”永遠の幸せとは何か”に対しての問いを投げかけています。
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『ヨンダー』をはじめ、韓国では映画やドラマ、芸能プログラムと、あらゆるジャンルで”死”を扱ったコンテンツが広がっています。
最近放送を終えた、チ・チャンウク主演のKBS2ドラマ『あなたの願いを言えば』は、峠に追い込まれた青年が、ホスピス病棟で人々の最後の願いを叶え、慰めを与えるというあらすじでした。
また、10月19日よりスタートしたMBCドラマ『一当百執事』は、亡くなった人と会話できる葬儀指導士ペク・ドンジュ(イ・ヘリ扮/ Girl’s Day)が、死を控えたり、亡くなった人たちの話に耳を傾け、便利屋のキム執事(イ・ジュニョン扮/ U-KISS)と互いに助け合うプロジェクトを描いた物語です。
これ以前にも、行方不明となった亡き者が住む不思議な村を舞台に、事件の謎を追ったファンタジーミステリードラマ、OCN(Netflix)『ミッシング~彼らがいた~(2020)』や、遺品整理会社”ムーブ・トゥ・ヘブン”を経営しながら、故人が伝えられなかった想いを解き、残された人たちに届ける様子を描いた、Netflixドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です(2021)』と、”死”や”死者”にまつわる作品がありました。
一方、映画界でも”死”をテーマにした作品が韓国にて封切りされています。
10月19日に公開された映画『私を殺して』は、先天的な肢体障害を持つ息子(アン・スンギュン扮)と、彼に献身する有名作家の父親(チャン・ヒョンソン扮)が、互いに特別な保護者になるという内容で安楽死を正面から捉えた作品。
父親が、自分の体に異常が生じたことを知り、障害者の人生、尊厳死について激しく悩む過程が描かれています。
また、公開日は未定ですが、俳優コン・ユと中国女優タン・ウェイが主演を務めた映画『ワンダーランド』も、様々な理由で会うことのできない家族や恋人と、AI(人工知能)技術で再会させてくれる、近未来の死後世界を管理する”仮想世界ワンダーランド”を舞台に繰り広げられる物語です。
このように、ドラマ、映画、芸能と、以前よりも”死”をテーマにした作品が増えてきていることから、いかに”ウェルダイイング”文化が注目されているのか、大衆の関心の高さが伺えています。
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