昨年12月よりスタートしたドラマ『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』が年明けからじわじわと人気を集めている。日本の時代劇『水戸黄門』を思わせる痛快世直しストーリーが視聴者のストレスを発散させているからのようだ。

視聴後にスカッと爽快な気分になれると、じわじわと人気を集めているドラマ『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』(以下、暗行御史)。

昨年12月21日よりスタートした本作は、不正腐敗を一掃し、不正に対抗して民衆の無念を晴らす、朝鮮時代王室の秘密捜査官・暗行御史と御史団の痛快なコミカル・ミステリー捜査ドラマだ。

ドラマ『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』(画像出典:KBS)

主演を務めるのはINFINITE(インフィニット)メンバーのエル(キム・ミョンス)と、ドラマ『梨泰院クラス』のスア役で日本でもおなじみの女優クォン・ナラ。
エルは正義感が高く、文武に長けた、文館の経籍と文翰に関する仕事を担当する役人ソン・イギョム役を、クォン・ナラは*妓女に偽装し、徹底的に身分を隠した*茶母のホン・ダイン役を演じる。彼らがタッグを組み、”暗行御史”として町にはびこる悪や不正を痛快に成敗していく。

*妓女‥ぎじょ。芸妓、芸者のこと
*茶母‥タモ。朝鮮時代の女性刑事に似た職業を指す

“暗行御史”とは

ドラマの主人公たちが持つ肩書”暗行御史”とは一体どのような職業なのだろうか。

“暗行御史”とは、朝鮮王朝時代において地方官の監察を秘密裏に行った国王直属の官吏のことで、地方官吏を監視する役目や国王の権力を強化するために設置されたもの。
地方行政の監察は司憲府の任務であるが、交通や通信の手段が不便であることから地方官の悪政を摘発するのは難しかった。そこで国王が秘密裏に特使を任命するようになったのが、”暗行御史”である。

命の危機にさらされる場面も訪れる、過酷な職業だ(画像出典:KBS公式Instagram)

悪を成敗し、民衆を救う”暗行御史”は一見ヒーローのように見えるが、実際は過酷な職業だった。
極秘任務遂行のため身分を隠し、経費のほとんどを自ら調達しなければならない劣悪な懐事情、みすぼらしい身なり、さらには数百キロの距離を徒歩遠征し、命を失うことも数え切れないほどだったそうだ。

人気の理由は『水戸黄門』のような痛快さ

『暗行御史』は主演俳優らのロマンスが見え隠れするも、身分を隠し、その村で起きている悪を「暗行御史、出頭!」の号令とともに成敗する姿から、日本のレジェンド時代劇『水戸黄門』に通ずる痛快さがある。

『水戸黄門』は、諸国漫遊の先々で遭遇する民衆を苦しめる悪徳商人や、それを裏で操作している悪代官らを家臣らが潜入捜査で調べ上げ、クライマックスには「この紋所が目に入らぬか」や「ここにおわすお方をどなたと心得る」などの決め台詞で悪人一味を平伏させる。逃げようとする悪人らも武術に長けた家臣らが華麗に取り押さえる。

民に溶け込みながら潜入捜査(画像出典:KBS公式Instagram))

水戸黄門と同じく暗行御史の出頭には痛快さと心地よさがあり、権力を覆し民衆の無念を晴らす彼らの活躍が人気を得るのは万国共通のよう。

鬱憤をはらすスカッと感を味わいたい視聴者は多いようで、『暗行御史』は放送回を重ねるごとに最高視聴率を更新している。
放送開始当初は5%台をキープしていたが、ドラマ『ペントハウス』終了後に放送された第7話では6.%、8.7%、続く第8話では6.4%、9.7%を記録した。(全国基準/視聴率調査会社ニルソンコリア調べ)

今後も暗行御史らの華麗な活躍のように、視聴率も右肩上がりになると期待されている。