昨年韓国で公開された映画『82年生まれ、キム・ジヨン』。今年日本でも公開され、現代女性が担う生きづらさは国を越えて共通するものだと思わされた。そして先月、カカオTVで配信が始まった新ドラマ『ミョヌラギ』。この作品はドラマ版キム・ジヨンと呼ばれ、いま韓国で話題を集めている。
カカオTVのオリジナルデジタルドラマ『ミョヌラギ』。先月21日から1話がスタートし、1週間で100万ビューに達した人気ドラマだ。

パク・ハソン、クォン・ユルが主演を務めるドラマ『ミョヌラギ』(画像出典:カカオTV)
2017年5月から連載が始まったWeb漫画が原作で、平凡な女性ミン・サリンの結婚生活を扱ったストーリーが特に主婦層に受け、瞬く間に人気を得た。
『ミョヌラギ(며느라기)』とは、韓国語で”嫁”を意味する”며느리(ミョヌリ)”と赤ちゃんを意味する”아기(アギ)”の造語で、姑が嫁を呼ぶときに使われる言葉だ。
この漫画のタイトルの『ミョヌラギ』は、”嫁”を意味する”며느리(ミョヌリ)”と、その期間を意味する”기(キ)”を組み合わせ、ダブルミーニングとなっている。
思春期や更年期があるように、韓国で暮らす嫁が経験する”ミョヌラギ”という時期。嫁ぎ先の嫁として愛され、認められたいと思う時期のことで、普通1、2年で終わるが人によっては10年以上、はたまた終わらないという人もいるそうだ。
平凡な女性が普通の結婚をし、嫁として経験する数々のエピソードを描いているのは、まさにドラマ版『82年生まれ、キム・ジヨン』と言えよう。
今回は、韓国で生きる嫁の苦悩がわかるドラマの名場面を一部紹介する。

パク・ハソン演じる妻ミン・サリンとクォン・ユル演じる夫ム・グヨン(画像出典:カカオTV Instagram)
同じ大学出身のサリンと夫ム・グヨン(クォン・ユル)は共働きの夫婦だ。サリンが1週間海外出張に行くことになったことを告げると、姑から「どこの人妻が家を1週間も留守にするの? それは絶対行かないといけないの?」と言われてしまう。
いまのご時世、共働きの夫婦は多いが、何にしても夫が優先され、妻は自分の仕事より家事・育児を優先することになってしまう。

姑の「絶対行かないといけないの?」との一言に驚いた様子を見せるサリン(画像出典:カカオTV YouTube動画キャプチャー)
結婚後初めて迎えた姑の誕生日。前日会社で一生懸命働いていたサリン(パク・ハソン)に、義理の妹ミヨン(チェ・ユンラ)が送ったメッセージだ。
韓国では誕生日にわかめスープを飲む習慣があるが、誕生日には家族そろって食事をするとしても、息子や娘もいる姑の誕生日の準備を嫁がする必要があるのだろうか。しかしサリンは、翌日も仕事があるにも関わらず、前日に夫の実家に出向き、一晩かけて1人で姑の誕生日の準備をした。同居しているならまだしも、わざわざ夫の実家に行ってまで準備をするところに、嫁姑の厳しい関係性がうかがえる。

一生懸命働くサリンの元に義理の妹からメッセージが。(画像出典:カカオTV YouTube動画キャプチャー)

サリンは一人で姑の誕生日を準備した。(画像出典:カカオTV YouTube動画キャプチャー)
誕生日の朝、料理の準備も片付けも嫁の役目だ。 皿洗いから戻ったサリンに残っていたのは、食べ残しのキウイ2つ。「食べて」という言葉にサリンが「大丈夫です」と断ると、姑は「食べ物がもったいないから、私たちで食べてしまいましょう」と言ってくる。

残り物を食べるのも嫁、片付けるのも嫁‥。(画像出典:カカオTV YouTube動画キャプチャー)
これは誕生日に限ったことではない。夫の実家を訪問するたびに、姑は舅と夫に温かなご飯を作り、自分たちは朝炊いた残り物のご飯を食べようと言う。男尊女卑の風習がこんなところにも現れている。

姑「これ朝炊いたものなんだけど、私たちはこれを食べよう」(画像出典:カカオTV YouTube動画キャプチャー)
法事のため夫の実家に行くことになったサリンだったが、夫から「自分は約束をすませてから手伝いにいくから、先に行って」と言われ、腑に落ちなかった。「会ったこともないあなたのおじいさんの法事をどうして私がやらなければいけないの? どうしてあなたが手伝うという言い方をするの?」と問い返した。
日本でも韓国でも憂鬱なイベントの代表、法事。普段の家事や育児などでも言えるが、どうしても男性の立場から女性を「手伝う」という言い方をすることがある。こういった根強い意識の差が、夫婦仲を悪化させていく原因の1つだろう。

サリン「あなたが私のことを手伝うだって?」(画像出典:カカオTV YouTube動画キャプチャー)
法事を終え実家に戻ろうとするサリンは、義妹ミヨンとその夫チョルス(チェ・テファン)に出くわした。夫の実家に入るや否や、チョルスは自然とリビングに向かい、サリンは姑と再び食事の準備を始める。なぜ自分はキッチンへ向かい、義妹の夫はリビングに向かうのか納得いかないサリン。
「夕食を食べにきて」という姑からの電話に「行けば姑が食事を作ってくれるのか」と夫に問い返す。婿はなぜ百年の客で、嫁は百年の雇い人なのかと皮肉って言った言葉だ。
*****
祝日のたびに嫁は家事や育児に忙しく、夫はリビングで横になり、テレビを見ながらゴロゴロ‥日本でも韓国でもよく見られる光景だろう。
しかし、サリンの職場の上司は「夫と一緒に夫の実家では嫁が働き、家では夫が家事をすることになった」と話す。このように多くの夫婦が同じ立場で合意点を見いだし理解しあうことで、これからの社会を少しずつ変えることができるのではないだろうか。
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